2011年7月20日

DAYLIGHT 中西學+菅原一剛 二人展 番画廊

banngarou 004.jpg 中西学さん(大阪芸術大学美術学科82卒)と菅原一剛さん(大阪芸術大学写真学科85卒)のブループ展が6月20日から25日まで行なわれました。
 今回の趣旨は媒体が異なる2人による共通のテーマDAYLIGHT(日光、昼光)での発表です。会場は中西さんの平面作品と菅原さんの写真作品で構成してありました。

 
banngarou 001.jpgbanngarou 000.jpg 中西さんの作品はマーブリング技法で制作された平面を再構成し、その上に透明な樹脂をひき、作品と樹脂の間に光に反応する物質が鏤めてあります。渦巻くイメージは銀河を彷彿とさせます。ビックバンから膨張する宇宙が次に縮小を始め、無限の銀河が一カ所に集まり出すような雰囲気で、物質同士がひしめき合いノイズが空間に充満しているようでした。
 

banngarou 002.jpgbanngarou 003.jpg 菅原さん写真作品は乾湿という古典技法により制作されています。森の中に差し込む光が捕らえられているのでしょうが、その光は画面全体に淡く映し出されています。風景全体が白昼夢のように現実感が失っています。近年PC等により作品を変容させるものが一般化してきています。現代において古典技法による写真制作の試みとは、何を意味していくのでしょうか。
 
 中西さんの作品には、エネルギッシュな生命力に溢れる光を感じる事ができ、菅原さんの光は写真において現実の光を捕らえつつも、作品は非現実の世界に促されるような印象を持ちました。

 写真や絵画では「光」というのは普遍的テーマの一つだと思います。現代の「光」はどのように表現されるのでしょうか。その「光」に何を見いだせば良いのでしょうか。今回の展覧会のテーマから、観者もアーティストも多くの事を考える事ができると思います。

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室 
 


2011年7月19日

モノトーンのかたち 陶芸の領域にある表現 YODギャラリー

グループ展が5月24日から6月25日まで行なわれました。

monokuro000.jpg出品アーティストは三木陽子さん(大阪芸術大学芸術専攻科工芸専攻 88修了 現在大阪芸術大学工芸学科陶芸コース非常勤講師)

新宮さやかさん(大阪芸術大学工芸学科01卒)monokuro001.jpg

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monokuro005.jpg北野勝久さん( 大阪芸術大学短期大学部ビジュアルデザイン学科00卒)です。

 今回の展覧会企画意図に関してはYODギャラリーのHPで御願いします。
YOD Gallery http://www.yodgallery.com/past.html

 今回は新宮さやかさんの作品についてをお話しをさせて頂きます。一見花のイメージのように見える陶器の作品は、中央部分に細い触手のようなものが無数にうごめいています。またその周りには花びらの様な薄っぺらい物体が幾重に重なりつつ、それは内側に丸く折れ込むようにあり、一つ一つの表情を作っています。肌合いは、灰を被ったように光沢もなく、襞のようにみえる薄っぺらの物体は白っぽい多くの斑点が表面を覆っています。それはまるで地中に多くの時間眠っていたような印象を受けます。長い記憶を内包しているような作品の色合いと形態には、多くの時間生きた感覚と死にゆく想像が感じ取れます。また、無数のうごめく触手を配置したこの作品から私は気持ち悪さと同時にエロティシズムを感じました。作品から感じ取れるエロスがタナトスを呼び込み生命力を感じさせる作品となっていたようです。

 彼女の制作スタイルを聞くと「手で考える」アーティストだと思います。制作スタイルはアーティストにより多様にですが、彼女の場合、思考の中でコンセプトや形を生み出して行くのではなく、粘土と手(肉体)とのコレスポンダンスにより、世界を構成して行くようです。素材と手の往復関係により作品は作られ、アーティストも生成されていくのです。

 報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室
 


2011年7月15日

今週の大阪芸大テレビは?

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今週のニュースは、「音楽学科教授の財津和夫先生による特別講義」です!

tv79002.jpg大阪芸術大学芸術情報センターAVホールで、音楽学科教授の財津和夫先生による特別講義が行われました。
ゲストにはあのアーティストが来て下さいました!ヒントは、アメリカ出身の演歌歌手です!
講義では、演歌の魅力などが語られ、参加した学生は熱心に耳を傾けていました。また、質問コーナーでは学生たちからたくさんの質問が飛び出しました。

tv79001.jpgそして続いては、「キラリ☆芸大生」のコーナーです。
日々アートを学ぶ、まだ磨かれていない原石のような芸大生たち。
そんなキラリと光る未来のアーティストを紹介します!
今回は、この番組のエンディングテーマ曲を歌ってくれている、中道楓香(なかみちふうか)さんと、
作曲してくれた森田太平(もりたたいへい)君をご紹介します!
去年の演奏会の映像もあるので、是非見て下さいね!

 

大阪芸大テレビは毎週金曜、深夜12:35分からサンテレビで放送中。
その他の局でも放送中です!
今回も見どころ満載、是非皆さんチェックしてくださいね!!

オンエア情報

7月15日金曜日
奈良テレビ放送 21:30から 
サンテレビジョン 24:35から
北陸朝日放送 25:35から

7月16日土曜日
テレビ和歌山 23:00から

 


2011年7月10日

アーティフィシャルな位相vol.25 パート3 天野画廊

アーティフィシャルな位相vol.25 パート3 天野画廊
Artificial Phase in Contemporary Art vol.25

6月6日から11日までグループ展が開かれました。その出品者に渡辺直人さん(大阪芸術大学大学院博士課程後期修了)が参加されていました。今回は渡辺直人さんの作品を紹介します。

watanabe000.jpg作品は高さ22センチ程度で牛乳瓶をひっくり返したような形の作品が、等間隔で5体並べて展示し、作品の表面の色は素材の木粉粘土そのものを使用していると思われます。

作品の表面にはクラックのような状態があり、それは作品のマスを構成するときに少量ずつ素材を鱗状や花びら状に集め1つのマスにしている事が理解出来ます。

 

watanabe003.jpgwatanabe002.jpg5体の作品は手作業のように見え、材料も同じで形もよく似ています。形はよく似ていますが5体のどれかを基本とする形として考えるなら、それは全く異なる形とも云えます。

細胞が集まったようなマスは素材の密着性が大きく異なり、クラックの幅や粘土の積み上げ方などからよく似ていると思っていた個々の作品は、全く似ていないと思えてきます。

 

watanabe001.jpg5体は、お互い〈同じ/異なる〉という矛盾する要素が内包された作品のようです。作品になると言葉や概念では区分けされるものが同じになってしまう事になります。造形作品(造形言語)にはこのような働きもあります。

人間は1人1人異なります。しかし遺伝子的には同じです。人間と猿は違います。遺伝子的にはほぼ同じです。
渡辺さんの作品からこのような印象を受けました。

加藤隆明 教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室
 


2011年7月9日

南野馨(ミナミノカオル)さん

南野馨(ミナミノカオル)さん(大阪芸術大学工芸学科陶芸コース非常勤講師)の作品が、器楽的なアプローチのヴォーカルが特徴的なユニット「スプラゥトゥラプス」の新譜のジャケットに使用されています。
 

minamino003.jpg南野さんは、1989年に大阪芸術大学芸術学部工芸学科陶芸専攻卒業後、1990年に大阪芸術大学芸術学部芸術専攻科工芸専攻修了、以降大阪市北区西天満にある現代美術作品の展覧会会場「ギャラリー 白」を中心に活動されています。

 

minamino002.jpg  ギャラリー白(大阪)での展示

近年は単純な形態を組み合わせて巨大な構造体に仕上げたものを作品として発表されています。

 

minamino001.jpg 国立新美術館「アーティスト・ファイル 2010」での展示

今回の作品は、以前より親交のあった「スプラゥトゥラプス」のメンバーが、南野さんの作品展に何度か来られるうちに、音楽と工芸のコラボレーションが出来たらいいなという話になり、今回ジャケットの作品というかたちでそれを実現させたそうです。

 

 

minamino000.jpg今回の作品の見どころとしては、普段のテイストを崩さないようにしつつも、普段つくらないようなポップな感じで仕上げた点だそうです。

 

 

minamino004.jpg南野さんの作品がジャケットに使用してあるCDの購入はこちらのホームページをご覧ください。
http://www.mishio.com/index.html

南野 馨 展が2011年7月11日(月)から7月23日(土)までギャラリー白で開催されます。
皆さんもぜひ見に行ってはいかがでしょうか?