西村みはるさん(美術学科専攻科修了98)前川奈緒美さん(美術学科専攻科修了9
8)の2人展が行なわれました。この展覧会の企画主旨をギャラリーHPより引用させ
て頂きます。
SOURAとは「捜羅」という語をローマ字表記したもの。過去から現在において培われ
てきた感覚を通じて、画面上でそれぞれの価値を捜羅する(徹底的に探し求める)こと
を主題とし、特定の形象やイメージを描こうとするのではなく、描くという行為その
ものから生成される空間により画面を構築している作家へ出品を依頼しました。サブ
タイトルであるSAISAI(再々)は、本展がシリーズ三回目の開催であるという事と、
2005年に開催された二回目の展覧会での出品者が再び本展に参加することから、そ
の後の作品の展開と、これまで継続されてきた画面上での行為から、どのようにアク
チュアルな問題と向き合っているのかを問います。

西村さんの作品は強烈な単色の色彩により構成されており、筆の痕跡とは異なる様子
で絵画が作られています。瞬間的イメージを捉えようとする素早い動きを感ずるととも
に絵画中央部分を余白にするなど、空間の作り方に日本の間の美意識が感じ取れます。

前川さんの作品は画面にぎこちなく筆を引きずるように線を残し、その後上下左右からその痕跡を消すように絵具を重ね、またその上から筆の痕跡を描くという重層的表面を作っています。表面は透過し複数の層を通して筆致が連動し合うような画面を制作しています。筆を支配する事から脱し、支配されない身体とともに生まれる絵画のようでした。
報告 加藤隆明 教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室

中西学さん(大阪芸術大学美術学科82卒)と菅原一剛さん(大阪芸術大学写真学科85卒)のブループ展が6月20日から25日まで行なわれました。
中西さんの作品はマーブリング技法で制作された平面を再構成し、その上に透明な樹脂をひき、作品と樹脂の間に光に反応する物質が鏤めてあります。渦巻くイメージは銀河を彷彿とさせます。ビックバンから膨張する宇宙が次に縮小を始め、無限の銀河が一カ所に集まり出すような雰囲気で、物質同士がひしめき合いノイズが空間に充満しているようでした。
菅原さん写真作品は乾湿という古典技法により制作されています。森の中に差し込む光が捕らえられているのでしょうが、その光は画面全体に淡く映し出されています。風景全体が白昼夢のように現実感が失っています。近年PC等により作品を変容させるものが一般化してきています。現代において古典技法による写真制作の試みとは、何を意味していくのでしょうか。
出品アーティストは三木陽子さん(大阪芸術大学芸術専攻科工芸専攻 88修了 現在大阪芸術大学工芸学科陶芸コース非常勤講師)

北野勝久さん( 大阪芸術大学短期大学部ビジュアルデザイン学科00卒)です。
今回は新宮さやかさんの作品についてをお話しをさせて頂きます。一見花のイメージのように見える陶器の作品は、中央部分に細い触手のようなものが無数にうごめいています。またその周りには花びらの様な薄っぺらい物体が幾重に重なりつつ、それは内側に丸く折れ込むようにあり、一つ一つの表情を作っています。肌合いは、灰を被ったように光沢もなく、襞のようにみえる薄っぺらの物体は白っぽい多くの斑点が表面を覆っています。それはまるで地中に多くの時間眠っていたような印象を受けます。長い記憶を内包しているような作品の色合いと形態には、多くの時間生きた感覚と死にゆく想像が感じ取れます。また、無数のうごめく触手を配置したこの作品から私は気持ち悪さと同時にエロティシズムを感じました。作品から感じ取れるエロスがタナトスを呼び込み生命力を感じさせる作品となっていたようです。
大阪芸術大学芸術情報センターAVホールで、音楽学科教授の財津和夫先生による特別講義が行われました。
そして続いては、「キラリ☆芸大生」のコーナーです。
作品は高さ22センチ程度で牛乳瓶をひっくり返したような形の作品が、等間隔で5体並べて展示し、作品の表面の色は素材の木粉粘土そのものを使用していると思われます。
5体の作品は手作業のように見え、材料も同じで形もよく似ています。形はよく似ていますが5体のどれかを基本とする形として考えるなら、それは全く異なる形とも云えます。
5体は、お互い〈同じ/異なる〉という矛盾する要素が内包された作品のようです。作品になると言葉や概念では区分けされるものが同じになってしまう事になります。造形作品(造形言語)にはこのような働きもあります。