2009年1月27日

あなたは聴いていますか?

ミュージックプレーヤーがポケットに入り、いつも耳の中で音楽が流れている今日。あなたは何を聴いていますか?
芸大の中にもいろいろな音があふれています。制作する音、楽器の音、鳥のさえずり・・・。いろいろな音を求めて私たちは芸大の中を見て回りました。いつもなら無意識に聞き流しているいろいろな音もわたしたちにとっては素材となります。
収集した音素材を再構築し、サウンドインスタレーションとして発表しました。他のメンバーの作品も聴いていると、自分の作品にはない音やどこでなっているのかわからない音もあり、ますます芸大の音を聴かなければ・・・。と思いました。

あなたは何を聴いていますか?
場所軸も時間軸も超えた作品は聴きにきてくださった皆様にはどのように届いたのでしょうか?
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今日、芸術計画学科のスタジオで行われていた作品発表会に伺ってきました。この発表会はアートプロジェクト演習(芹沢先生クラス)のものです。上の文章はこの演習の受講生、長将司さんに書いていただきました。
アートプロジェクト演習 サウンドスケープ
学内の音をサンプリングし、各々の受講生がその素材を編集します。真っ暗にされたスタジオのバトンに配置されたスピーカーからはどこかで聞いたことのある音が流れています。長さんの説明ではこの音のサンプリングはちょうど「虫取り」のようなものなのだとか。大学の中の音をサンプリングする中で、日ごろ聞き過ごしていた音がたくさんあることに気づいたそうです。その発見、発見が面白かったのだとか。というわけで、取った虫を見せられた人ではなく、虫を取った人にその面白さを伝えてもらう方が良いだろうということで原稿作成をお願いしたわけです。

芸術情報センターの鐘の音、金属工芸の工房の作業音と構内アナウンスの声、鳥の鳴き声、ピアノの音、誰かが誰かを呼ぶ声、グラウンドのクラブ活動の音・・・。視覚を閉ざされた環境で、自分の頭の中に「もうひとつの河南町東山469」が組み立てられていくようです。
アートプロジェクト演習 サウンドスケープ
真っ暗闇の中、受講生達はスタジオの中を静かに歩き回りながらその音を聴いたり、床に仰向けになってその音に浸る体験をしていました。演習の受講生たちは音を聴いて学内の空間を移動する幽体離脱のような体験をしているのかな、と思いました。体はこのスタジオに居ながらにして、音をサンプリングした場所を思い出すように巡るイメージの世界です。
アートプロジェクト演習 サウンドスケープ
芹沢先生曰く、このスタジオでは静かにすると心臓の鼓動まで聞こえるのだとか。ちょうど12:30ぐらいの時間。音が途切れた間の部分で、心臓の鼓動ではなく「ぐぅ?・・・」という誰かのお腹の音が・・・。お腹、空いてたんやねぇ・・・。確かにこのスタジオの性能が良くわかりました。

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