本日キャラクター造形学科の特別講義で、ゴンゾ&フューチャービジョンミュージック代表取締役社長の藤田純二氏に「映像と音楽の関係、アニメの場合」についてお話いただきました。 藤田氏は2006年株式会社ゴンゾの代表取締役社長に就任され、現在ご活躍中です。
講義内容は、第一部「映画について」第二部「アニメについて」と3時間にもわたりお話くださいました。第一部では、映画の映像につける音楽として「この場面にどんな音楽が欲しいか」「自分はどんな音楽が好きか」ということも大切だが、「映像にしっくりくるもの、そして作品が効果的にみえるように音楽をつけること」が一番大切だとお話されました。
次に、日本映画とハリウッド映画の映像と音楽の関係についての違いについてお話がありました。日本では、台本をもとに作曲家個人が作るそうですが、ハリウッドでは作曲家を中心としてグループで音楽を作るそうです。例えば、ハリウッドには「ミュージックエディター」といって音楽の設計図のようなものを作る方がいて、その設計図のようなものを監督に聞いてもらい、その後作曲家に依頼。作曲家は、設計図に基づき骨格だけを作り、オーケストレイターに依頼という流れになるようです。この流れを作るには、費用も時間もかかり、日本では収入を考えるとハリウッドのようなやり方はできないそうです。なので、日本では監督が作曲家を指名したり、レコード会社の人が作曲家を選んだりと方法は様々で、監督と作曲家の間に入って事を進めるのが藤田氏の仕事だそうです。 第二部では、「アニメについて」の音楽の重要性をお話されました。アニメは、所詮「絵」なので音と台詞がなければ間の抜けたものになる。生身の人間から受ける感情的な部分を補ってくれる役割が音である。なので、アニメに入る音はいかに大切か。とのことでした。
最後に、映像は一つでも、それにつける音は数知れず。どんな音が正解か、なんてことはない。決めるのは、自分の感性しかない。だから、過去のこともきちんと学んで、自分のオリジナリティを積んでいく。そうすれば、迷うことはなくなる。そして、次の世代の人が、また、その形跡を学んでいく。みんな感性は違うから、意見をぶつけながらそのシーンにあった音楽を作っていくことが大切なのだとお話されました。藤田氏、本日は長時間にわたりご講義をありがとうございました。 大阪芸術大学ホームページ 大阪芸術大学ブログトップへ
|