2015年5月12日

舞台芸術学科卒業生で教授の内藤裕敬先生「公演実習」

いよいよ今週末、大阪芸術大学のオープンキャンパス第1回が開催されます!
そこで!このブログでもオープンキャンパスに向けて見どころを少しずつご紹介していきますね。

大阪芸大のオーキャンと言えば…まずはLIVE
学生たちによるさまざまな公演・上映会が開かれます。

 

映像学科では、日本を代表する特撮技術監督、故・川北紘一先生を偲び、先生の遺作となった『装甲巨人ガンボット』の上映会を行います。
この作品、昨年度のオープンキャンパスでは公開ロケを行って制作されました。
メイキング映像も同時上映されるほか、撮影で使用したスーツの展示や、スーツアクターによる演技も間近で見ることができちゃうらしい…?!

 

そして、舞台芸術学科では、舞踊・ミュージカル・ポピュラーダンスを学ぶ学生たちによる舞台公演を予定しています!
演者はもちろん、舞台美術から照明、音響に至るまで、学生たちによって作り上げます!
舞台芸術学科を志望していない人も、一見の価値あり!!

 

さて、今日のブログ本題は…そんな舞台芸術学科について!
今年4月から舞台芸術学科の教授として、南河内万歳一座座長で演出家の内藤裕敬先生が就任されました!!
内藤先生の名前を聞いて、「あれ?」と思った方、いつもブログをチェックしてくださっていますね?笑
ラジオ番組「大阪芸大スカイキャンパス」のパーソナリティでもある内藤先生は、このブログではお馴染み。
私はラジオ収録で何度も内藤先生の話を聴いてきましたが、いつもテンポ良く軽快でキレるトークをされる方なんです。
内藤先生が担当される授業はラジオ同様、きっとエキサイティングに違いない…!
そんな期待を膨らませて、さっそく授業を覗いてきましたので、ご紹介します。

先生が担当されているのは、3年生の「公演実習」という授業。
実習ということだから、お芝居の練習か何かをしているのだと想像してレッスン室に入ってみたのですが…

学生たちの前に並べられたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「モナ・リザ」。
モナ・リザの左側と右側に、学生たちがそれぞれ言葉を書いています。
左には「にっこり」「長髪」「麗しい人」「黄金比率」「貴婦人」「瞳」といった単語が並びました。
そして右には「何?」「限界です」「よく言われます」「ちょっと待ってて」「こう?」などが挙げられています。

実はこれらの言葉、左は「この作品に別のタイトルを付けるとしたら?」
右は「ダ・ヴィンチの横に誰かが立っていて、その人がモデルのモナ・リザに対して何か話しかけたとする。モナ・リザが言い返した一言は?」
という質問からイメージした言葉です。

左側に書かれたものは、いかにもこの作品を説明しているタイトルですね。
でも右側がもし作品のタイトルだとしたら、なんだか想像力が掻き立てられませんか?!

内藤先生は、「思考するより、遊ぶことが大事。あとで考えたセリフは、この絵画で遊んだ結果生まれた言葉だから、「モナ・リザ」のことを説明しているのではなくて、表現しているよな」と話します。
「台本を読む時も同じ。思考して読むのではなく、遊んで読むことで、表現の可能性を広げることができる」のだそうです!

続けて、3枚の絵を並べて、「今から流す音楽はどの絵で流れている音楽か?」という”遊び”も始まりました。
ブログでは残念ながら音楽をお聴かせすることはできませんが、流されたのはリズミカルなピアノの伴奏曲です。
音楽を流し終わったあと学生たちに挙手を求めると、ちょうど3分の1ずつくらいに意見が分かれ、興味深い結果になりました。
そして、何故その絵を選んだのか、一人ずつ理由を発表していったのですが、中には1本お芝居の台本ができてしまうのではないかと思う程、壮大な物語を話した学生もいました!

実はこれ、戯曲創作の一つの手法なのだそうです。
戯曲創作には、テーマ主義とモチーフ主義というものがあって、モチーフ主義では、こうして何かをモチーフにしてストーリーを考えるらしいです!
客席に座る人を楽しませるためには、その人たちが想像もつかない展開にしなければいけませんが、頭の中だけで考えるのには限界がありますよね。
そんな時は、こうして絵と音楽でイメージを膨らませると、自分でも思いつかなかった発見に出会え、さっきまで有り得なかったものを感じることができると内藤先生は話されました。
最初の「モナ・リザ」で話された”思考より遊ぶこと”の大切さの話が、ここに繋がってきます。

この3枚の絵と音楽を使った”遊び”は、このあと何回か題材を変えて繰り返されましたが、その度に学生たちのイメージもより鮮明なものになってきました。
この”遊び”の訓練は、お芝居に限らず、さまざまなジャンルの芸術表現にも使えることだと思いました。
全く新しいものを生み出すことはかなり高度なことですが、今あるものをモチーフにして遊んでいれば、そこから派生したものが新しいものになったりしますよね。
私もブログを担当して3年目…毎年同じような記事にならないように、新しい伝え方を見出したいなと思いながらメモを取っていました。

“遊び”を大切にする内藤先生の授業、今後どんな展開になっていくのか気になります!

投稿:島田(OUA-TV)