現在、大阪芸術大学図書館では、所蔵品展「ボードレール『悪の華』とその時代 『悪の華』初版本(完全版)を中心に」が開かれています。
みなさんは『悪の華』という詩集、ご存知でしょうか?
フランスの詩人 シャルル・ボードレールによって作られたもので、1857年6月にパリで刊行されました。
「憂鬱と理想」「悪の華」「反逆」「葡萄酒」「死」の5章に序詩を含めた詩101篇が収録されており、詩人の生誕から死までが退廃的、官能的に表現されています。
しかし、このうち6篇が半道徳的であるとして、有罪・罰金処分を受け、対象の詩の削除が命じられました。
そして、新たに32篇の新作を含む第2版が1861年に刊行されました。
一般にはこの第2版が定本とされ、削除された詩(禁断詩篇)については巻末に付録として収録されるのが通常となっているそうです。
つまり、『悪の華』初版本の完全版というのは本来なら存在しないはずなのですが、実は法定納本とは別に150部ほどが増し刷りされていて、出版社と著者自身によって密かにベルギーに隠匿されていたことが現在では分かっています。
そんな貴重な『悪の華』初版本が、大阪芸術大学図書館に所蔵されています!
こちらがその初版本です!!
1992年、スイスのジュネーヴの古書店から売りに出されていたものだそう。
挿入されていた書票には、ドイツ語系の貴族の名前が記されていたらしいです。
今回の所蔵品展では、この初版本を中心に、『悪の華』の詩が掲載されたパリの雑誌や、画家たちによる挿絵入り豪華本などが公開されています!!
19世紀のフランスの文化、社会、風俗などが垣間見える展示です。
この機会にぜひご覧ください。
大阪芸術大学図書館所蔵品展
「ボードレール『悪の華』とその時代 『悪の華』初版本(完全版)を中心に」
1月13日(水)~2月20日(土)
投稿:島田(OUA-TV)