2016年1月5日

久家多佳恵(短期大学部05DJ)  9/28 -10/3  Oギャラリーeyes

幼児的なイメージを平坦に構成し絵画の深みを制作している。熊の顔(?)のイメージが画面全体を均等に覆う。背後には白を基調とした淡い色彩で、人型イメージが多様な形を作る。顔や背景にある人型は鑑賞者を幼児的体験の物語にいざなう。幼児にとっては身近な事柄がまだまだ未分化な世界、無垢で無知な世界の表象そのイメージが描かれている。誰もが経験しただろう幸福な世界。


幼児的世界観の絵画に見えるが、作品の表面の成り立ちを確認する。絵画をじっと見ていると魅力的空間が現れてくる。白を背景として暗い熊のようなイメージがある。背景の白さと暗い熊のイメージ、その隙間に淡い青や赤の人型イメージが存在する。この配色により前、中、後であった空間がコロコロ入れ替わる体験をすることになる。背景が明るくイメージが暗いこれにより白い面に暗い穴が開いているようにも見える。しかしその視覚体験を留めるのが人型イメージである。重ね合わせの遠近法により、暗いイメージが人型のイメージの上にあるように見える。そして白の背景には人型イメージがあるように知覚させられる。その構成により、気を抜くと前面にあるはずの暗いイメージが画面から後ろに遠のく。そして宙ぶらりんの淡い人型が幽霊のように画面を覆ことになる。絵画独自の膜のような2つの空間が理性を越えて入れ替わるのである。

写真協力 Oギャラリーeyes

報告 教養課程講師 加藤隆明 協力 芸術計画学科合同研究室