六甲道にあるギャラリーEN陶REZに行ってきました。EN陶REZ(あんとれ)は、企画展を中心とした工芸のギャラリーです。2006年6月には、角倉起美展(2002年本学大学院芸術制作研究科 陶芸専攻修了)も開催されましたが、今回は、福西毅 展が10月4日(土)?10月14日(火)まで開催されています。 福西 毅さんは、1990年本学工芸学科金属工芸専攻を卒業後、就職された会社でガラスを担当することになったのがきっかけで、富山ガラス造形研究所ガラス造形科に進み、1993年に卒業されたそうです。それからは、ガラス一筋で、現在は、大阪府泉南郡岬町でアトリエを開いて制作されています。
掛け花入れ Passage w 13cm × h62cm
大学時代に金工を通して、色々な素材(金属)の特長や加工方法を学んだことは、ガラス制作の考え方にも生きているそうです。作品を制作する上で、ガラスの技法に囚われがちですが、福西さんは、造りたい形やイメージを考えることが先で、その形を実現する為の方法(技法)を後から考えるそうです。
REST 巾 30cm 高さ 10cm
その言葉にあるように、福西さんの作品の魅力の一つに形体の美しさがあると思いました。複雑で繊細なその形は、ガラスとは思えないような曲線を描いていたり、ねじれていたりしますが、ガラスの透明感や質感がまた、その繊細な形をより際立たせているように思います。
邂逅 径 40cm 高さ43cm
大学生の時には、失礼なことを言って、よく先生には怒られていましたとおっしゃっていましたが、今でも金工の先生方とは交流があり、金工の特別授業に呼ばれたこともあるとのことです。今回も金工の研究室のご協力を得て、金属の蓋を作成していただいたとのことで、福西さんの作品に一味違った花を添えた感じで、より素敵な作品になっていました。 水差し ブルー 径 25cm 高さ 15cm 水差し グリーン 径 15cm 高さ 12cm
今回、EN陶REZで個展をされるきっかけになったのは、先生方からギャラリーの話を聞いて、自ら足を運んで尋ねて行かれたことに遡ると思います。作家というものは、作品の良さが物を言うのは当然ですが、自分自身をPRするマネージメントの能力もある面必要なのだなと感じました。
LIFE 径 6cm 高さ 35cm
福西さんの大学時代からのお友達も初日からたくさん来られていましたよとEN陶REZのオーナー廣田さんもおっしゃっていました。人との繋がりを大切にしながら自分に厳しく作品を造り続けておられる福西さんの人生そのものが、「LIFE」に表れていました。大胆かつ繊細で、優しさと厳しさが共存しています。
EN陶REZは、自宅を改装された暖かさと深みのあるギャラリーです。ホワイト・キューブとはまた違った味わいの和風ギャラリーに皆さんも足を運んで、福西さんのガラスの魅力に是非、触れてみてくださいね。 福西さんも11日(土)?13日(月・祝)は、在廊されているそうです。
福西毅 展 ?FUKUNISHI TAKESHI GLASS EXHIBITION? 10月4日(土)?10月14日(火) 11:00?18:00 会期中無休
EN陶REZ(あんとれ) URL:www.g-entrez.jp
投稿者:図書館事務室
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