2015年8月26日

山内亮展(S98) ギャラリー白3 6/29-7/4

広いとは云えないギャラリー空間の壁に動物らしき顔、そして鑑賞者の眼を直視している。私たちは三つの壁から力強い視線を浴びることになる。作品の鑑賞と同時に作品から見返されるのである。まさに「みる/みられる」関係の体現である。作品は常に空間全体からの気配を感じながら鑑賞しなくてはいけなくなる。ここには鑑賞者の優位性はなく、絵画作品が鑑賞者を支配していることになる。


画面がどのように作られているかをみる。画面には動物の顔がクローズアップされたイメージが見える。色彩は青、赤、黄の三原色の構成により制作されており、具体的動物の色彩とは無関係にある。筆跡は動物の表面をなでるようにあるいはその表面を無視するかのように見える。時には絵具は物質化し画面上に垂れ下っている。
眼球部分だけがほかの表面との違いがあり、激しい色彩や筆致とは対照的にクリアな空間を作りだしている。

※ S・大阪美術専門学校 芸術研究科美術専攻絵画コース

報告 教養課程講師 加藤隆明 協力 芸術計画学科合同研究室