12月のキャンドルナイトに引き続き、大阪美術専門学校よりお知らせします。 今週いっぱい総合デザイン学科ライフデザイン専攻2年生が作品展示を行っています。場所は美専の展示ギャラリー、正面エントランスロビーから地下へのびていく段差が特徴的で、天井の高いゆったりとしたスペースです。
中庭が見渡せて一方がガラス張りなのでとても明るく開放感があります。こんな曇りの日でも作品たちを美しく照らしてくれます。
この作品展は毎年行っているもので、ずっと気になっていたのです。どんな仕組みで出来上がったものなのか、ライフデザイン専攻の山岡俊雄先生に聞いてみました。
『今回の展示はライフクリエイティブIの授業内で行っている習作展です。内容は厚み12ミリの合板を使用し接着剤や釘などは使用せず組むという事だけで椅子を制作するものです。前期はアイデアから実際の大きさや形状を図面上で検証するところまでを行い、後期は実際に工作機械を使い具現化する作業をしました。この課題の目的は、ライフデザインでの作品の中では比較的大きいものの為、頭で想像したものと実際に出来たものとのギャップが大きいというところでスケール感を養ってもらいたい事、そして組み立てるだけで椅子を制作するため構造体が意匠にならなければならないところの造形センスを身に付けてもらいたいところです。結果的には、この課題で家具デザインの面白さや難しさが伝われば良いと思っています。』
奥田有加さんの作品は、背骨のラインに沿うような座面で、包み込まれるような座り心地です。前からだけでなく後ろや横、いろんなアングルから異なる表情を楽しめます。
福本麻衣さんの作品は、コロコロ揺れる椅子がコンセプト。リビングでTVを見ながらゆーらゆら。板と板の間に雑誌やモノを挟んでみる、椅子としても物入れとしても使えます。
永山太一さんの作品は、いろんな体勢で座ることをコンセプトにした椅子。ここではお見せできませんが、いろんなポーズを図解してあります。
吉田匡希さんのデザインは、ひと休みできるように低座で、鳥の巣を揺りかごのようにしたもの。ポイントは座面とアームの一体化です。
太田由衣さんは、駅のホームにある椅子をもっとデザイン性のあるものにしたいと考えました。前後に一人ずつ座るようになっていて、いくつも連なると背もたれの曲線美がポイントになります。
佐藤智美さんの椅子は「stylish」をテーマに、どの角度から見ても「流れ」を感じられるデザインです。座ってみると背もたれからおしりのフィット感があり、十分にくつろげる角度になっていて、見た目以上の強度があるそうです。
すっ、すごいですね。釘や接着剤が何にも使われてないなんて想像もしませんでした。木を組み合わせるだけで人間一人の体重を支えるなんて・・・
この展示作品には実際に座っていいものもありますよ。 残りの会期が短いですが、JR美章園より徒歩3分と近いので是非見に来てください。
●plywood chair 平成21年1月17日(土)→24日(土) 9:00→17:00 場所:大阪美術専門学校 展示ギャラリー
投稿者:大阪美術専門学校事務局
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