今日は、映像学科教授で映画監督の田中光敏先生が担当されている「製作研修Ⅰ」という授業にお邪魔しました。
田中先生は元々CMディレクターとして活躍されており、2001年に「化粧師 KEWAISHI」という作品で映画監督デビューされました。
その後、「精霊流し」「火天の城」「利休にたずねよ」「サクラサク」といった劇場映画を監督し、数々の賞を受賞!
昨年は、日本とトルコの友好125周年を記念して制作した映画「海難1890」が公開され、第39回日本アカデミー賞にて最優秀美術賞・最優秀録音賞を受賞しました!
「製作研修Ⅰ」で学生たちが取り組むことは年度によって異なり、これまで産学協同ドラマ・映画の制作なども授業の一環で行ってきました。
今年は、なんと8月に東映京都撮影所で撮影を行ってのショートフィルム制作を予定しているそうです!!
受講しているのは、映像学科の2年生14名。
今日は、実際に制作する前の事前説明や、心構えなどが話されました。
まずは田中先生がこれまでに制作したCM作品を紹介。
中には約25年前に制作したデジタル映像作品もあり、当時は1秒間のCG部分をレンダリング(※)するのに丸2日かかったそうです!
※レンダリングとは…画面・画像の内容を指示するデータ(数値や数式のパラメータ、描画ルールなど)を、コンピュータプログラムで処理して、具体的なイメージを表示させること。
「道具というものは、日々進化していく。どんなにその時代の最先端技術を使って映像を作っても、少し時が経てば、すぐに古臭いものになってしまう。僕の昔の作品を見せたのは、それを知ってもらうため」とおっしゃる田中先生。
ですから、新しい技術を使って鮮やかな映像を見せるよりも、”何を伝えたいか”を明確にして、表現をしなければ良い作品にはならないのだそうです。
技術に頼るのではなく、自身の頭の中にあるアイディアや発想力を大切にして、ショートフィルム制作に臨んで欲しいという田中先生の想いが込められたコメントでした。
また、映画制作におけるカメラワークの活用についても紹介されました。
カメラワークと言えば…
ズーム…レンズを用いて被写体の像を拡大したり縮小したりすること
パン…カメラの位置を固定したまま、左右または上下に動かすこと
フォーカス送り…被写体の距離に合わせて焦点を任意に変えること
などを基本として、さまざまな手法がありますよね!
これらは、映像学科の学生たちならすでに知っていることだと思います。
しかし今回の授業では、ただカメラのテクニックを伝えるのではなく、映画を撮る上でそれぞれの動作にどういう意味合いが込められるのかが話されました。
例えば田中先生は、映画の中ではズームをあまり使わないそうです。
なぜかというと、先生は作品を”人物の目線”で見せているからだそうです!
ズームという動作は人間の目に備わっていない動きなので、ズームで映像を見せると不自然に感じてしまうのだそうです。
※もちろん、監督によってズームを効果的に多用する方もいらっしゃるそうです!
このように、単なる技術を知っているだけではなく、意図した通りに表現できるカメラワークを知ることが、大切なことなんですね。
私も大変勉強になりました。
8月の東映京都撮影所での撮影の様子も、追いたいと思います!!
みなさん、お楽しみに♪
投稿:島田(企画広報部事務室)