2009年12月9日

第4回 木の造形展

                 

桜ノ宮にある近畿中国森林管理局1階「もりのギャラリー」で、2009年10月22日~31日、第4回「木の造形展」が開催
されました。この展覧会はニ年毎の開催で、今回は、大阪芸術大学美術学科、大学院芸術研究科、短期大学部の学生、
卒業生48名の作品が展示されました。
「木の造形展」は、木を表現材料とした造形作品を展示することで、木の美しさや木の持つ温もりなど、木のすぐれた
特徴を広く人々に紹介し、ひいては木材の保護や木材の需要拡大をアピールすることを目的に、近畿中国森林管理局から
大阪芸術大学に依頼があって実現したとのことです。

第4回 木の造形展が開催されました!!

入口前には、大学院芸術研究科博士課程(後期)で学び、精力的に展覧会や制作活動を行なっている尾崎実哉さんの
『間伐材を使用した作品「Hashikoya」の為の習作work-α』が展示されていました。産官学連携の取り組みとして
「おおさか河内材活用研究会」を通じて、大阪の間伐材を提供してもらった作品だそうです。

間伐材(かんばつざい)とは、森林の成長過程で密集化する立木を間引く間伐の過程で発生する木材のことで、
建築用途の材料などには向かないそうですが、尾崎実哉さんの手にかかれば、木肌の風合いや質感を生かした
とても魅力のある作品になっていました。搬入の組み立て風景もとても興味深いものです。

阿見優介さんの作品『成長』

中に入ると特別出品の阿見優介さん(2008年度卒業)の『成長』が目を惹きます。透明樹脂の中に木材が、
入っていました。木材を透明樹脂が覆っていると言った方が、作品の趣旨に近いのでしょうか!? 美しい木目の円錐形が
より崇高な極みを目指しているのかもしれません。とても洗練された作品です。
 

斉藤秀樹さんの作品『POLE Of NATURE -typebench-子どものころの眼差しで-』思わず本物!?と思ってしまいました!!

齊藤秀樹さん(1993年専攻科修了)の『POLE Of NATURE-typebench-子供のころの眼差しで-』〈木材+真鍮+絵の具〉は、
4月に大阪芸大図書館で開催された「Link 齋藤秀樹木彫展」でも展示していましたが、展示場所によって、また、
違う顔を見せてくれました。2年生の園川絢也さん『十二色の自分』〈材木+絵の具〉の作品ともうまく溶け込んでいました。
木彫とは思えない「カタツムリ」は、おばあさんに手を引かれてやって来た子供さんの心もしっかりつかみました。
「木の造形展」の良さの一つは、こうして、幅広い年齢層の様々な人たちに日頃の研鑽の成果である作品を見てもらえる
ことです。そして、作品を通して、癒しや安らぎ、感動等を多くの人々に与えることができたら、それはとても素晴らしい
ことだと思います。

会場の様子また、もう一つの良さは、美術学科の1年生から4年生までが学年を越えて、そして、日頃なかなか接する機会のない大学院生
や卒業生までもが一同に会し、同じ空間に展示をすることです。それは、大変重要な搬入・搬出作業も共に協力して行なうこと
であり、作品が肩を並べるということなので、学内でもめったにない、とても貴重な経験として、大変勉強になることでしょう。
やはり、「良いな!」と感じる作品は、大学院生や4年生の作品でした。作業の丁寧さや完成度、そして、表現力等々下級生の
見本になる部分もたくさんあると思います。

西尾俊哉さんの作品『表裏』

4年生 西尾俊哉『表裏』<ステンレス+木材〉

今回は、初めて短期大学部の作品も出品されたそうです。立体基礎課題の作品ですが『ブロンズ鋳造の木型』は、日頃一般人は
完成したブロンズ鋳造の作品しか見ることがないので、完成作品と木型を並べての展示は、とても参考になり、こんな作業を
経験できる学生たちが羨ましくもありました。そして『コミュニケーン・スティック』には、木の持つ良さが生きた造形的に
とても面白い作品がたくさんありました。

『ブロンズ鋳造の木型』

『ブロンズ鋳造の木型』〈朴板〉

また、その後の展開として、なんばパークスで、11月25日(水)~11月29日(日)開催された『森林と人との共生
「エコな生活は木のある暮らしから」河内長野からの発信!』
「木の造形展」に出品の中から6名の作品が展示されることに
なりました!これは、主催である河内長野市 農とみどりの整備課からのご指名とのことで、とても嬉しい限りです!!
選ばれたのは、今井杏奈、木下智絵、大野聡、奥野泰子(1年生),浅谷辰樹(3年生),小谷友巳(4年生)の6名です。

こうして、学外での展示を行うことで、立体造形作品の持つパワー、そして木の素晴らしさを多くの人々に伝えることのできる
「木の造形展」がこれからも続いて行くことを願っています。また二年後を楽しみに・・・!! 次回は是非、皆さんも足を運んで
ご覧ください。

第4回木の造形展
2009年10月22日~31日  *展覧会は終了しています。
(於)近畿中国森林管理局「もりのギャラリー」
JR環状線桜ノ宮駅西口下車、徒歩5分、
主催:大阪芸術大学/短期大学部/美術学科/大学院芸術研究科
協力:近畿中国森林管理局/おおさか河内材活用研究会
http://www1.odn.ne.jp/afn-minamikawach/02/geidai/080627.html

 森林と人との共生「エコな生活は木のある暮らしから」河内長野からの発信!
<会期>11月25日(水)~11月29日(日) 11:00~18:00  *展覧会は終了しています。
<会場>なんばパークス(大阪市浪速区難波中2-10-70)
       2階キャニオンコート(メイン会場) 6・7階 パークス内渡り廊下 8階  円形劇場
<お問い合わせ>河内長野市産業政策室 農とみどりの整備課   TEL:0721-53-1111
<主催>河内長野市、大阪府森林組合、財団法人 河内長野市文化振興財団、
       南海電気鉄道株式会社、南海都市創造株式会社