大阪芸術大学の卒業生・山中俊広さんがディレクターを務める大阪西天満にあるYOD Galleryで、12月19日(土)まで同じく大阪芸術大学の卒業生・町田夏生さん(2005年本学大学院芸術制作研究科修了)の「町田夏生展-MURMUR‐–」が開催されています!
前回の町田夏生展-《乙女》の衝動-では、個性溢れる乙女たちのパワーに圧倒されるかのような魅力的な 空間になっていましたが、今回の展覧会では、MURMUR(マーマー)のタイトル通り、ささやきやつぶやきを 感じさせる少し落ち着いた空間になっています。多弁な乙女が少し影を潜めて、ささやくようにつぶやくように 語り始めました。町田夏生さんは「究極の引き篭もりです」と話していましたが、私には、乙女から大人の女性 へと向かう一つの過程なのではないかと思えました。
乙女の顔は、描いても消し、上からまた別のパーツを書き足すなど、極力登場しませんが、その代わりに今まで 脇役だった花たちが、進化し、バリエーションを増やしています。乙女が自ら語るのではなく、サポート役だった 花たちに代弁させているように感じました。花たちは、勢いを増し、鮮やかにそして、時には洗練された色使いで 私たちに語りかけます。
前回の展覧会では、紙にアクリル絵の具で描かれていた町田夏生さんですが、その後は、キャンバスに色々なアクリル 絵の具で描く手法に移行しています。乾燥の遅いゴールデンオープンアクリリックスやフラットにマットに塗れる ゴールデンフルイドなどの新製品を使ってみるなど、画材にも色々な試行錯誤を重ねています。先々では油絵の具も 試してみたいという声も聞こえていました。
町田夏生さんは、当初からオブジェの制作もされていて、いつも展覧会に花を添えていますが、今回もバージョンアップ された美しい乙女のオブジェがいます。そして、今回初めて、ビーズやボタンなどがコラージュされた作品が登場し、 乙女のオブジェにもとてもきれいにコラージュされています。実は、このビーズやボタンは、町田夏生さんのお祖母様が コレクションされていたという、とても大切な記念の品です。町田夏生さんのルーツとも言うべきビーズ等を使った とても可憐で魅力的な作品は、また新しい展開を予感させてくれました。
学生の間は創作活動に集中できますが、卒業後も創作活動を続けて行くことは、本当に簡単なことではなく、とても難しい ことです。そんな中で、ずっとモチベーションを保ち続け、成長を続ける町田夏生さんの素晴らしい作品たちをより多くの 皆さんにご覧いただきたいと思います。卒業して社会に出てから、学生の間にもっとこうしておけば良かった、ああして おけば良かったと思いがちなものです。そんな後悔のないように学生の間からギャラリーにも足を運び、貪欲に色々な 見聞を広めて欲しいと思います。
是非、皆さん、YOD Galleryで町田夏生さんの生み出す感性豊かな-MURMUR-の世界を体感してください! 19日(土)までです。お見逃しなく!!
町田夏生展-MURMUR- 2009年11月14日(土)~12月19日(土) 11:00~19:00 閉廊日:毎週日・月曜
YOD Gallery 大阪市北区西天満4-9-15 http://www.yodgallery.com/
町田夏生HP http://www.natsuki-machida.net/
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