2019年11月13日

卒業生の活躍 詩人 犬飼愛生さん 第21回小野十三郎賞 受賞!

本学文芸学科卒業生(2001年3月卒業)犬飼愛生(いぬかい あおい)さんの、詩集『stork mark(ストークマーク)』(モノクロームプロジェクト出版 2018年)が、第21回小野十三郎賞(詩集部門)を受賞しました。

 

小野十三郎賞は、大阪文学学校の創設から37年間校長を務め、戦後大阪を代表する詩人、小野十三郎(おの とおざぶろう)の多彩な詩業を顕彰しつつ、全国の創造的な書き手たちを奨励していこうとしている賞です。

犬飼愛生さんは1978年京都府生まれ。
中学生のころより、新聞に詩の投稿を始め、大学で本格的に詩作を学びました。
2007年第3回『詩学』最優秀新人賞受賞。
既存詩集に『なにがそんなに悲しいの』『カンパニュラ』などがあります。
『stork mark』の装丁画は新進気鋭の作家でイラストレーター新田美佳氏の描きおろし。
挿絵が随所に挿入され、136頁に30編が収められています。

 

題名は “stork bite” (コウノトリの噛み跡)とも呼ばれる新生児にみられる母斑のこと。

「『stork mark』は子育て、夫婦、親子など、日常生活の中で起こる葛藤や齟齬をモチーフにしながら、独自のユーモアやアイロニーに満ちた詩句によって、多様な観点から、日常を一歩突き抜けた表現に結晶している。
事後的に回想した観点ではなく、リアルタイムに描かれる子育て詩は希少で、41歳という年齢のこともあり、今後に大いに期待できる詩人である。」とは、選考委員会の評です。

 

11年ぶりに発表した詩集が評価された犬飼愛生さん。
これから家族の形が変わっていったり、自分の形が変わっていくことを言葉に紡いでいかれるのだと思います。

『stork mark』は、Amazon等のネットでも取り扱いがありますが、10月28日のブログでご紹介させていただいた「サロンモザイク」でも展示販売されています。
今回の受賞についても「サロンモザイク」の店主 コタニカオリさん(本学工芸学科2003年3月卒業)からお聞きしました。

 

犬飼愛生さんの今後の作品も楽しみですが、学生の皆さんにも身近なモチーフである『stork mark』の世界観を是非、感じていただきたいと思います。

犬飼愛生 twitter
https://twitter.com/aoi_inukai?lang=ja

サロンモザイク HP
http://salonmosaic.info/