今年も建築学科ではSDレビュー展、「SD Review 2008」が開催中です。鹿島出版会が主催する第27回建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展です。
先週10月2日(木)からスタートして来場者は日に日に増えています。一般の方など学外からの来場も多く、名簿では近畿圏の大学で建築を学ぶ大学生や卒業生などが見受けられました。昨日(日曜日)、累計1000人を越えました。今日の来場者が今のところ一番多いです。
建築学科の卒業制作展でも思いますが、建築提案の一つ一つのプレゼンテーションにはたくさんの能力を要することに感心します。建築に対する哲学、グラフィックデザインの要素、模型製作のための器用さ、遊び心、写真のセンス、展示のセンス、などなど手を抜かないこだわりと仕上げが来場者をうならせます。
制作された模型がやはりどれも見応えがあり、最近は自然物をうまく使って有機的な表情を作り出しているものをよく目にします。私が学生だった頃はパスタを使って建築模型を作った留学生がいてそれだけで感心したものですが、今回の展覧会では「藁束の輪切り」を使って地形の部分を構成している模型もありました。
またプロジェクターを使って動画をローテーションさせる方法を取り入れている作品もありました。今後こういったプレゼンテーションが増えるんでしょうねぇ。すべてをパネルで表現するより効率的ですし、図面だけでは表現しきれない魅力的な情報もありますので効果的です。
どのプレゼンテーションもカッコイイのですが、何より中身。説得力のある提案は、重みがあります。15作品の中で8月末に既に建築工事が完了しているものが一つあり、その提案は完成しているだけに更に説得力がありました。
その印象に残った作品は「京急高架下文化芸術活動拠点 –黄金スタジオ–」という提案です。高架下の環境整備後の用途を町の人々とのワークショップによって考え進められたらプロジェクトで、アートの活動を取り入れ新たな活気や人の流れを作り出そうという提案。ある意味、芸術計画的なコンセプトです。このプレゼンテーションでもプロジェクターが使用されていてリアルな感じが伝わってきます。
この企画に注目したのは、建築家集団「みかんぐみ」の曽我部昌史 氏、丸山美紀 氏が関わっているプロジェクトであることも理由のひとつです。 「みかんぐみ」の仕事が近くで見れるチャンスなので、建築学科の方はもちろんのこと、環境デザイン学科やデザイン学科、芸術計画学科の在校生にも必ず見ておいていただきたい展覧会です。
●SDレビュー2008 <大阪展> 2008年10月2日(木)→10月15日(水) 10:00→17:30(土・日・祝も開催) 会場:大阪芸術大学 建築学科棟(15号館)
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