皆さんこんにちは。
今回は、加藤隆明先生からの投稿ブログです!!
福井県鯖江市のまなべ館のオープニングトーク「瑛九との軌跡―木水育男(奥右衞門)を巡る人々」を聴講させていただきました。瑛九作品の鑑賞も重要でありましたが、タイトルにある「木水育男(奥右衞門)を巡る人々」への関心とオープニングトークにお話される1人に、木水さんの長男木水創さん(美術学科卒)がおられるということも聴講させていただいた理由です。
木水育男氏の簡単な説明を、まなべ館HPから引用させて頂きます。鯖江市に生まれ育った木水育男(奥右衛門)氏は、美術教師として多くの優れた美術教育を実践し、さらに、福井創造美育運動を組織・指導し、福井の美術教育に多大なる影響を与えた人物です。
また、木水さんたちの集まりは給与から少しずつお金を出し合い、新人のアーティストの作品を購入し制作を支援しています。そこに若かりし泉茂(元美術学科長)、靉嘔、オノサトトシノブ、池田満寿夫の方々がおられたようです。
瑛九が中心になり立ち上げた「デモクラート美術家協会」には、靉嘔、河原温、池田満寿夫などとともに、大阪芸術大学で教鞭をとって頂いた教授が数多く在籍していたことでも有名です。
写真はシンポジュームの様子です。木水創さん(立ってお話されている方)、美術関係者だけでなく、木水育男さんとともに瑛九や若いアーティストを支えてきた人たちも数多く参加されていました。一人一人の体験された言葉には、本や映像では届かない強烈な力がありました。トーク内容の一つに、当時の版画は絵画の下請けのような様子で「版画を版画として自立した表現媒体にしないといけない、と瑛九さんは話していた」などの話がありました。
木水育男さんのシルクスクリーン版画作品です。小学校の先生をしていたとの事です。福井県の花水仙を周りに配置し内空間に背景を浮世絵的色彩と構図で描き出し、勤めていた小学校校舎と海はモダンに作られています。
伝統とモダンを織り交ぜた現代でも新鮮な作品です。この作品は小学校のある作品でも見られましたが「こいのぼり」ではなく「ぶりのぼり」とタイトルにあります。
海に接してある場所だけに、なるほどコイではなくブリの方が、リアリティがありまたユーモラスな作品でもありました。
展覧会は11月27日までです。少し遠いですが、興味を持っていただけたら是非見に行かれてはいかがでしょうか。
今回の写真は、木水創さん、まなべ館の関係者のご協力で掲載させていただいています。
鯖江市まなべ館 http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=972
報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室