2016年12月1日

卒業生 西野壮平さん特別講演

11月24日(木)、写真学科卒業生の西野壮平さんによる特別講演が行われました。

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西野さんは大阪芸大在学中から、都市のアイコンの集積として表現された「Diorama Map」シリーズの制作を開始。
自らの足で都市を歩き、モノクロフィルムで撮影された膨大な数の写真を1枚1枚手作業でコラージュするという手法で、世界中のさまざまな都市を舞台に制作されています。

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2005年、新人写真家の発掘・育成・支援を目的とした文化支援プロジェクト「キヤノン写真新世紀」にて優秀賞に選出されて以来、国内外で個展やさまざまなグループ展で注目を集めている西野さん。
そんな西野さんがまずはじめに学生たちに向けて話されたのは、大阪芸大に通われていた学生時代の話でした。

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「講義を受けていた時、聞きたいことがあってもなかなか聞くことができなかった。自分が発言していいものか?そんなことも考えた。
 君たちに、たくさん質問しろ、と言うのではないけれど、大学の中で吸収できる目の前のことを、精一杯吸収してほしい」

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西野さんは学生の頃、フィルム1本分の写真を印画紙上に並べて作成した「コンタクトシート」に着目されたそうです。
これは、ネガフィルムよりもわかりやすく、撮影した写真を一覧で確認することができるシート。
自分が歩いた痕跡が1枚になっているのが面白いと感じられた西野さんは、この連続性を活かして作品を表現するようになったのだそう。
この表現方法が、「Diorama Map」シリーズに繋がります。

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ロンドンやリオデジャネイロ、ニューヨーク、東京など、世界中の都市を訪れ自分の足で歩き回り、絶好のロケーションを見つけてはシャッターを切り続けて来られた西野さん。
大体、1つの都市で2万枚もの写真を撮るらしいです!!
キャンバスにその写真をコラージュ。
膨大な時間と労力を費やして制作される作品は、1年で3都市できるのが精一杯だそう。
まるで地図のようであり、それでいて絵画のようであり…独特の世界観が構築されていますよね!!

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写真の世界で生き生きと活躍されている西野さんのお話は、写真学科の学生たちにとって大変刺激になったに違いありません!
西野さん、ありがとうございました!!

投稿:島田(企画広報部事務室)