2014年9月11日

光による幻覚的なイメージの認識= chromatism -岡本啓 個展-

本学美術学科卒業生の岡本啓さん(2004年卒業)の個展「Chromatism」が、大阪タカシマヤ・ギャラリーNEXT(難波)で9月3日(水)から9月16日(火)まで開催中です。「初心と展開を孕んだ新作を発表」とのことです。是非、会場に足をお運びください!

 

岡本啓さんに作品についてお聞きしました。「印画紙の上に、現像液と光を用いて複合的、直接的に色・形・模様を描く独自の手法で、絵画的な写真作品を制作しています。近年では、写真素材に留まらず表現媒体の越境と模索を通して、イメージと知覚の問題に取り組んでいます。」岡本啓さんのこの制作方法は、大学3年生の頃から取り組んでおられるとのことです。キャンバスに絵筆で彩色していく過程が、印画紙に光を当てて、印画紙から色を引き出していくという作業に移行したという感覚なのだと思います。

 

塗り残して白になるのではなく、白い部分は、敢えて脱色しているとのことでした。そして、時には、砂を混ぜたりと色々な工夫を凝らしておられるとのことです。実験段階では、偶然性も勿論あると思いますが、完成した作品を制作するまでには、色見本を制作するなど、緻密な計算によって、裏打ちされた確かな技術力も存在します。
今回、その色見本をイメージした新作が6点並んでいます。岡本啓さんは、現像から、展示の額や枠作りまで、細部にこだわって、ご自身で行っておられます。

 

この作品のアクリル枠には、余白が感じられますが、その辺りは、絵画的な要素としての余白にこだわっているということです。そして、透明なアクリルが作り出す余白は、展示場所の壁なり、柱なりを映し出しますが、それをも作品の面白さに包括してしまおうという意図があるそうです。今回、卒業した翌年(2005年)すぐにギャラリー椿(東京)で開催された個展から、YOSHIAKI INOUE GALLERY(大阪)での初個展(2006年)、そして昨年までの計10回の個展で使用した色見本を作品にしたオムニバス的な作品も展示されています。その作品もアクリルの枠の中をグリッドで区切ることによって、生じる隙間から垣間見える向こうの景色を楽しんでもらいたいということでした。

 

昨年11-12月には、本学大学院を修了された山中俊広さんが代表のギャラリー the three konohana で、岡本啓個展「Visible ≡ Invisible」(見えるもの≡見えざるもの)を開催されました。従来発表している表現スタイルと異なる、新しい側面を浮かび上がらせることを目的とした企画「Gallerist’s Eye」でしたので、いつもの色鮮やかなカラー作品ではなく、モノクロームの作品を発表されましたが、その時、新たに使った手法(35㎜のフィルムを顕微鏡を通して拡大再撮影する)で制作された作品が、今回もあります。しかし、今回は、写真の周りに色を配することで、また新たな境地を開いています。写真(フォトグラム)という同じ手法を用いながらも日々変化し続けている岡本啓さんに学生さんたちや後輩の皆さんに伝えたいことをお聞きしました。「在学中に趣味でも何でも良いので、何か、コレというものを見つけてもらいたいですね。そして、それをやり続けること、そこに自信が生まれると思います。」改めて、「継続は力なり」という言葉の深さを感じました。

 

会場にあるコンセプトボードの文章をご紹介します。

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Chromatism : 「見る」とは、〈光による幻覚的なイメージの認識 = chromatism〉である。写真に撮った風景は、実際のそれには敵わない。けれど写真も被写体も、「見る」限りにおいては〈イメージの認識〉に過ぎない。世界は幻に過ぎないのである。知覚行為が悉く視覚化している。子供のころ読んだ本に、未来の人間の姿として、頭と目のでっかい生き物が描かれていたのを覚えている。ある部分ではすでにああなっているんじゃないか。ほんとうは、絵画は読むもの。音楽は見るもの。物語は嗅ぐもの。僕は写真そのものをみせる仕方を考えている。ものとイメージが相関して顕れる美しさを。
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自分の作品の技法やコンセプトを語れるということは、とても重要なことだと思います。岡本啓さんの言葉には、作品を裏付ける独自の世界観や哲学を感じます。学生時代から後輩だけでなく、先輩からも憧れの存在だったと聞く岡本啓さんですが(ご本人は全然気付いていなかったそうです笑)、信念を持って制作に取り組む姿がきっと人を惹きつけたのだと思います。今回の作品群もきっと皆さんを魅了してくれることでしょう!このブログでは、敢えて作品の全貌をお見せしていません。是非、実際の作品をご自分の目で見極めてください!!

 

岡本啓さんにご寄贈いただいた作品集『Schema : Okamoto Akira』(2012年)は、本学図書館2階おすすめ図書コーナーに所蔵していますので、是非、ご高覧ください。

 

学科を超えた後輩たち[安井源太さん(美術学科2005年卒業)・小倉和さん(工芸学科染織コース2012年卒業)]と一緒に10月1日から7日まで、阪急百貨店梅田本店の、10階スークで、2回目となるクリエーターズオンリーワンストアの期間限定ショップを開催されるそうです。ちょうどそのお二人にも会場でお会いしました!無料の雑誌(小冊子)も配布されるそうですので、どうぞお楽しみに!!
(安井源太さんは、9月17日から23日まで、同じく阪急百貨店梅田本店の10階スークで、「悲恋」をテーマにした期間限定ショップを出店されるそうです。)
また、今回の展示とは、別の面を魅せてくれること間違いなしです!!是非、こちらもご高覧ください!!!

 

岡本 啓 個展 : Chromatism 
会期:2014年9月3日(水)~9月16日(火)
開廊時間:10:00~20:00(最終日は16時閉場)
会場:大阪タカシマヤ 6階・ギャラリーNEXT
(542-8510 大阪市中央区難波5丁目1番5号 TEL:06‐6631-1101)
http://www.takashimaya.co.jp/osaka/event3

タカシマヤブログ
http://blog-osaka.takashimaya.co.jp/art/201409/article_1.html

the three konohana HP
http://thethree.net/exhibitions/854

ギャラリー椿HP
http://www.gallery-tsubaki.jp/artist_new/akira_okamoto/01_j.html

YOSHIAKi INOUE GALLERY HP
http://www.gallery-inoue.com/y-artist10/

クリエーターズオンリーワンストア HP
http://www.creatorsonlyonestore.com/

投稿:大阪芸術大学図書館


2014年9月11日

16日(火)より 100円朝定食&梅田からのスクールバススタート!!

みなさんは、毎朝朝食を食べていますか?
若い世代になるほど、朝食を食べている人の割合が減っているそうです。
理由としては、「食べる時間がない」、「お腹が空いていない」、「ギリギリまで寝たい」、「朝は気分が悪い」など…。
食べるという人でも、食パン1枚を胃に放り込んで家を出るなど、なかなか栄養バランスの取れた朝食を食べている人は少ないかも知れませんね。
特に、一人暮らしの学生は朝食を後回しにしがちのよう。朝から食事の準備をするのが面倒だとか、食費を節約するために食べないなどという話も聞きます。

そんな朝食離れをしている学生のみなさんに、お知らせ!
大阪芸術大学の第一食堂では、16日(火)から100円朝定食のサービスを始めます!
朝定食が提供されるのは授業期間中の朝8時15分から9時までで、在校生を対象に1日200食限定で用意されます。
100円という学生に優しい値段設定も嬉しいですね。
朝定食を食べるのが習慣になれば、早起きもできて栄養も摂ることができて一石二鳥!!
あとは、どのようなメニューなのかが気になるところ。
定食の内容については私も直接取材しに行こうと思っていますので、確認次第、ここでご紹介しますね。

続いて、同じ16日(火)からスタートする新しい制度がもう一つあるので併せてお知らせします。

現在は大学最寄りの近鉄喜志駅から大阪芸術大学キャンパスまでを無料のスクールバスが運行していますよね。
それとは別に、有料で利用できるスクールバスが登場します!!
なんと、梅田から大阪芸術大学キャンパスまでを繋ぐバスです!

私は学生時代、通学に2時間かけていました。
車なら1時間で到着する距離だったのですが、電車を3本も乗り継ぎ、さらにスクールバスでの移動…なんとも遠回りな通学経路でした。
大阪市内から直通のバスが出ていたら、もっと通学が楽なのになぁ…。
そんな風に考えていたのは、私だけではないはずです。
多くの学生が求めていたスクールバスが、ついに実現します!

電車を使うと梅田から芸大までは1時間半弱かかりますが、スクールバスの場合は約42分(※渋滞時除く最短)で到着する
そうですよ!!
それに、利用料金も電車の定期代より安い!!
試す価値ありだと思います。
ぜひチェックしてみてください。

>>スクールバス(大阪(梅田)駅~大学キャンパス) 詳細

投稿:島田(OUA-TV)