2008年9月30日

TEXAHEDRON(テキサヘドロン) 後編

予告どおりTEXAHEDRON(テキサヘドロン)のお話(後編)です。

昨日、18:10から行われたオープニングパーティーはなかなか盛り上がりました。ギャラリーのエントランスホールをこんな風な使い方をした企画は初めてです。映像を壁面と天井に投影しての演出、階段の踊場がステージに変わりました。
TEXAHEDRON ZAnPon
ステージではまずそれぞれの作家さんから挨拶がありました。まずZAnPonさんからこの展覧会のきっかけについて紹介がありました。「たくるくんとちょきさんから『絵を見て欲しい』という連絡をもらったのがキッカケで、この2人がまっすぐに絵を描いていることに心動かされた」そんなお話をされていました。垂谷さんからは「まだまだ自分のやりたいと思っているこの10%もできていない。これからもっと頑張っていきたい」、とそんなお話が印象的でした。
TEXAHEDRON ZAnPon
YUIさんは「作品のことについてたくさんの人と話したい」。たくるさんは「今までなかなか人を好きになれなかったけどこの展覧会を通じて出会った人たちのおかげで人を好きになれた」。ちょきさんはうれしさで感極まって涙を見せるシーンもありました。(yumさんはあいにく欠席でした)

どの作家さんも「自分達だけではこんな素敵な展覧会はできなかった」と、スタッフに感謝を込め挨拶されていました。そう、昨日の記事でも少しお伝えしたように作品の質だけでなく会場の演出もホント、イイ感じなのです。
TEXAHEDRON ZAnPon ハモネプ ハモネプリーグ2008
展覧会のイメージカラーのピンク色について展示会場のディレクションをした中谷吉英さんに聞いてみました。「はじめ体育館前の芝生広場の芝生がとてもきれいなので、そこでオープニングパーティーをすることを計画していました。芝のグリーンとギャラーの白、青い空には何色が似合うだろう」と考えてピンク色を合わせてみたそうです。「TEXAHEDRON(テキサヘドロン)のネーミングが先に決まっていたので、そこから発想したものは怪獣。私にとってはドラゴンボール魔人ブーの胃の中のイメージなんです。」
TEXAHEDRON ZAnPon
会場にある作家紹介やスタッフ紹介などの展示物は下の部分は固定せず上の部分だけで壁に留めてあります。紙がロールされていたときの自然のカールと自重にまかせて垂れるような展示です。これも「・・・ヘドロン」→「ドロン」の語感からのイメージなのだそうです。
TEXAHEDRON ZAnPon
会場に流れている音楽もこの展覧会にピッタリです。会場に一歩入るとここだけ時間の流れがゆっくりになったような錯覚を起こします。心を落ち着けて11点の作品をじっくり観ることを促す音楽。このTEXAHEDRON(テキサヘドロン)のために竹下士敦さんが作曲されました。音楽の中に時々入る高い音はピンク色を表現しているのだとか。
グラフィック全般を古島佑起さんが担当。作品を邪魔しないように「できるだけ何もしない」ことを心がけたそうです。
会場の壁面に投影されているモーショングラフィックスは西脇寿郎さんが制作されました。オープニングパーティー用の映像はオープニング当日の朝までかかって制作されたそうです。

TEXAHEDRON ハモネプ ハモネプリーグ2008
パーティー会場では展示会場の空間デザインを担当したコタさんが自分の所属するサークルからお友達を連れてきてくれました。ハモネプリーグ2008に出場したアカペラチーム「トゥクムー」です。パーティーを盛り上げるためのゲストとして、3曲を熱唱してくれました。3曲目はテレビでも披露された「真っ赤な太陽」。うわーぁー、生で聴けましたぁ!カッコイイー。

パーティーは在校生、卒業生、先生、職員などおよそ40名ほどが集まり盛り上がりました。展覧会を通じて学年や学科を超えた繋がりが生まれ、それを支え応援する人たちとの交流があることはスバラシイです。縦糸と横糸が交差してこそ面になり、包むことができます。会場はとてもいい雰囲気に包まれていました。「テキスタイル」だけに。(←これが言いたかったのです)

TEXAHEDRON(テキサヘドロン)
 929日(月)→104日(土)
 1000-18:00 (最終日は1600まで)
 総合体育館ギャラリーにて

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2008年9月29日

TEXAHEDRON(テキサヘドロン) 前編

「描くことになんの意味があるのだろうか。

そもそも意味などあるのだろうか。

それでも、僕らは描き続ける。

ただただ、夢中で描き続けるのだ。」
TEXAHEDRON ZAnPon テキスタイルデザイン
ついに作品展「テキサヘドロン」がスタートしました。この展覧会は工芸学科テキスタイル・染織コースの卒業生と在校生6人による作品展。ZAPonさん(2005年卒業)、yumさん(2006年卒業)、垂谷知明さん(2007年卒業)、YUIさん(2008年卒業)、たくるさん(現在4年生)、ちょきさん(現在4年生)。
TEXAHEDRON
TEXAHEDRON ZAnPon
時間の縦糸で繋がったこの6人のクリエイターたちの作品を直に見ることができる。私にとって、まさに「夢の競演」です。ずっと前から楽しみにしていました。

TEXAHEDRON ZAnPon
既に海外でも評価の高いZAPonさん。これぞ「凱旋」。今回の展覧会にたくさんの作品を出展してくれています。CANVAS@SONYなどなど活躍の幅を拡げおられ、2008年も続々と企業とのコラボレーション作品がリリースされる予定だそうです。画面いっぱいに自由に展開しながらも絶妙のバランスで構成される線とリズミカルな色彩構成。どの作品も心がワクワクするほどです。

TEXAHEDRON
yumさんのことはこのブログでも少し紹介させていただいたことがありました。今年のdigmeout exhibitionyumさんのインタビュー映像を拝見したことも記憶に新しいです。女性の顔に覆いかぶさる独特の構成とポップな色彩で自身の精神世界を強く描き出している平面作品がyumさんを象徴する作品となっていますが、今回の展示では立体表現した作品も展示されています。

TEXAHEDRON
垂谷知明さんの作品は、卒業後大きく変化していっています。愛用している芸大生も多いかと思いますが、2007年の「芸T」の黒ヴァージョンは垂谷さんの作品でした。連鎖しながら拡がってゆく線は、架空の生き物たちを描き出し、その生命たちが作り出す独自の世界。その頃の作品は文字も造形の一部として作品の中に配置されていましたので「意味」や「無意味」を行き来するように楽しめる不思議な魅力を持っていました。近年の垂谷ワールドはまた別の魅力をもっています。

TEXAHEDRON
YUIさんも昨年の「芸T」絡みで作品を制作していただいたクリエイターです。2007年の「グランプリ芸T」のアレンジ作品で初めて見た作品はインパクトがありました。印象に残る独創的な作風です。ロウ染めの技法で自由に力強く描かれる線は一見抽象的な作品に見えるのですが、じっくり見ると見えてくるのです、具象の造形が。書画のようでもありますが、でも決して和風ではなく古さを感じないカッコイイ作品なのです。

TEXAHEDRON
爬虫類をモチーフにして繊細な線と点で描かれる職人技が目に留まり、昨年から注目してきた在校生がたくるさんです。はじめてたくるさんの作品を見たときに、頭に描いたのがZAPonさんでした。およそ1年の間にモチーフが爬虫類から人に変わりまたほかのものへ。モノクロの線画に色が加わり、キャンバス内のバランスも絶妙に変わってきました。最新作がこれまでのたくるさんの作品の変遷を物語っています。

TEXAHEDRON
機関銃やピストルを持ち、目玉の肥大した少女の絵がちょきさんの作品です。無意識に自画像を描いているそうです。華やかな色彩と過激さが共存する独特のスタイルで一貫して制作されていますが、ちょきさん自身はその過激さを感じる風貌ではありません。そのギャップが作品の印象を強めています。最近の作品は少女の身体の形が変化してきています。5人の少女が描かれた作品の中には、yumさんとYUIさんが描かれています。

美術、デザイン、工芸を学んでいる方だけでなく、音楽や演奏を学んでいる方もビンビン刺激を受けること間違いありません。是非、学外の方もこの機会を逃すことなくお越しください。
TEXAHEDRON
今日のブログではクリエイターの方々の紹介に止めておき、続きは明日のブログ(後編)で・・・。
というのも、展覧会場のディレクション、グラフィック、空間構成、会場で上映されている映像、空間を包み込む音楽もとにかく素敵なので1日分の記事でお伝えするにはもったいなすぎます。明日はオープニングパーティーの様子も含めてお伝えしマース!

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2008年9月28日

聖徳太子イメージワールト アートキッシュ2008

9月27日から始まっている「アートキッシュ2008」に参加している在校生から、早速ブログ記事をいただきました。
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喜志商店街を発展させよう、芸大と交流を深めよう!という事から始まったこの企画。めでたく今年で二回目を迎えました。
聖徳太子イメージワールド アートキッシュ2008 喜志商店街
てか、喜志に商店街なんかどこにあるんよ、ってよく言われるんですが、あったんですよ。実は。喜志駅周辺のひとり暮し芸大生行きつけのサンプラ前の通り・・・なんとあれ商店街なんですよ!びっくりしますよねー。普通に車道やし(笑)。
聖徳太子イメージワールド アートキッシュ2008 喜志商店街
しかし、今回芸術計画学科が中心になって担当したアートプロジェクト、「聖徳太子イメージワールド」は、その「通り」を中心に各店舗の中や壁面に、作品、壁画を設置してます。
聖徳太子イメージワールド アートキッシュ2008 喜志商店街
ちなみになんでこんなイベントタイトルか言うたら、かつてこの辺りが聖徳太子ゆかりの地であったという事を掛けて、実在するかもあやふやである伝説的な存在を、現代風にとらえて表現してみよー。という事でこの様なイベントのテーマになりました。

イベント自体は作品展示だけじゃなく、土日には金魚すくい、フリーマーケット、千本引きや、大道芸、弾き語りみたいなんかも見られるスペースもあります。
聖徳太子イメージワールド アートキッシュ2008 喜志商店街
開催期間は927日→1013日までやってます。
芸大バス乗るついででもいいんで、是非立ち寄ってみて下さい!
他学科の作品を一度に見れるチャンスやし、夏休み削って作りにいった僕らの壁画は必見ですよー。

こっからは個人て、いやぁほんと壁画は初挑戦もあって大変でした。下絵を描いて塗るだけやねんけど、正確さが結構求められるんで、緊張感ある現場でしたね。僕は何故かやりながら、ミケランジェロはすげーなぁとか思ったり(笑)まあスケールが違うんやけど、アニメ調やし(笑)。

しかし町中の壁に展示するという絵の製作をできたんは、すごい良い経験でした!芸計にはあんまり絵を描く授業ないんで、筆使いとか勉強なりましたねー。

これ十年くらい続けるイベントらしいんですが、個人的には来年も壁画はやって欲しいです。てか、できたら来年は、もっと通り一面とか、壁画ゾーンみたいなんを作って、もっと「おぉ」ってなるやつを作って欲しいです。まあ大変やけど・・・とりあえず言ってみました。(笑)

投稿者:芸術計画学科 山田哲史さん

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2008年9月27日

テロップワークス紹介しちゃいます!

本日のブログは現在開催中の「おかげさまで 大阪芸術大学ブログが1周年を迎えました展」にご協力いただいたテロップワークスさんにお願いしました。
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皆様はじめまして、こんにちは。Telopworksです。
私たちは「TVを中心としたエンターテイメント情報フリーペーパー」を発行しているサークルです。

最近、TVを見ますか? 音の無い寂しさを紛らわすためのBGMになっていませんか?
インターネットなどが普及し現代の若者のテレビ離れは甚だしい、そんな中で「TVって実はこんなに面白いんだよ」「まだまだ捨てたもんじゃないぜ」という思いを伝え、「でもTVだけじゃ物足りない。他にも色々知りたいの」というわがままな願望を叶えたフリーペーパーなのです。
フリーペーパーということは…もちろん0円!! 何て素敵なのかしら。
退屈な授業中こっそりと、帰りの電車の暇つぶしに、友達との会話のネタに…。思わずクスりと笑ってしまうような面白さと、インターネットに負けない情報量を詰め合わせたものを制作しています(少し言い過ぎました)。

今回は特別にテロップの制作課程をお見せしましょう♪

まず毎月コラムニストがコラムを書きます。
テロップワークス

書きあがったコラムは編集さんが編集作業します。
テロップワークス

編集されたコラムを読んでイラストさんがイラストを描きます。
テロップワークス

特集ページの内容は毎月練りに練って考えられています。
テロップワークス

それを印刷作業し、部員の手作業で折り込みます。
テロップワークス

こうして新刊テロップは出来上がるのです。
そして…今月の新刊(テロップ64)は9月30日発行予定!!
詳しい内容についてはTelopworksのブログ(http://www3.to/telop)の方にてお知らせします。そちらも一度ご拝見を。

現在、部員数は43人。
以上の活動の他に、白浜合宿・学祭での模擬店etc…も楽しくやっております。
テロップワークス
テロップワークス

Telopworksのこと少しはご理解いただけましたか??
少しでも興味を持った方がいらっしゃいましたら見学にいらしてくださいね♪
芸大生の皆さん、今すぐにでもかまいませんよ。
未来の芸大生の皆さん、来年の春にお待ちしておりまーす!!

投稿者:フリーペーパーサークル テロップワークス
     編集長 井崎絵里 さん

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2008年9月26日

特別講義「錫を知る」

9月25日・26日の2日間、工芸学科金工研究室主催の特別講義「錫を知る」が開講されました。講師には、錫器事業協同組合の伝統工芸士である今井章二、今井達昌両先生をはじめとして、10名ほどのスタッフの方が来学されて、丁寧な指導をしてくださいました。
受講学生も多数参加、工芸学科金属工芸コースの学生だけではなく、ガラス工芸コースやデザイン学科の学生の参加もありました。
特別講義「錫を知る」
はじめに、錫という金属の特徴や扱い方について講義を受けました。錫は、金属の中でも融点が約230度と低く、比較的やわらかい金属なので形が作りやすいのですが、そのため逆に仕上げの際には、傷がつきやすいという特徴があるとのこと。また、純錫は加工しにくいので通常は他の金属を少量まぜて錫器を製作するらしいのですが、近年、食器の製作には、かつて使用していた鉛を使用しないようになっているとのことでした。作業中の注意点などの説明もあり、その後は実習が中心で進められました。
特別講義「錫を知る」
特別講義「錫を知る」
直径12?の円形の平たい錫の板をかなづち(かなづちにはいろいろな模様がついています。)で叩いて模様をつけ、その後木型などにそって叩いて形を作りお皿を製作。皆楽しそうにひたすらたたく、たたく、たたく。でも皆、目は真剣です。ロウ付けという接合の仕方で、製作したお皿に足をつけている学生さんもいました。
特別講義「錫を知る」
また、錫がやわらかいという特徴をかなづちで叩いたり、かんなで削ったりしながら実際に体感。ロクロを使って鋳物を削って、仕上げ、研磨もするそうです。
特別講義「錫を知る」
錫を溶かして、しゃくで鋳型に流し込むとういう鋳造作業も体験。いくら低い融点とはいえ、約230度の温度ですから、皆やっぱり真剣な表情で取り組んでいました。
特別講義「錫を知る」
今回参加した皆さん「錫を知る」ことはできましたか?錫器事業協同組合のH.P.に掲載されている記事によると、錫は、においがつかず錆びない。そして、保温性や防湿性にも優れているとのこと。また、近年イオン効果の高さも注目されているそうです。今回製作した作品を是非そばに置いておいてイオン効果で癒されてください。
特別講義「錫を知る」
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