2007年10月17日

芸術思想が損なわれない場所

swiss 
 

皆さんもよーくご存知の芸術情報センターですが、出来上がったのは1981年だそうです。
その竣工記念として
現代ヨーロッパ構成主義版画展」という展覧会が開催されたそうです。
今、その芸術情報センターの展示室で開催されているのは「スイス派」という展覧会です。大阪芸術大学にゆかりの深ーい作家たちの作品を展示しています。ですから、もし「大阪芸術大学検定」なんかがあったら、必ずここから出題されるハズ。ヤマをはるならココです。

 

第二次世界大戦の時に西欧各国の前衛芸術家たちは戦火や弾圧を逃れてスイスに集まりました。なぜスイスに?って、そりゃー「永世中立国」だからです。

スイスは国際法上、永久に他国間の戦争に関係しない義務を負うとともに、その独立と領土の保全を各国から永久に保障されている(大辞林より)、というすばらしい国なので、戦時下には「芸術思想が損なわれない場所」として芸術に対して大きな役割を果したんだそうです。そのスイスに生まれた新しいグラフィック運動とその作家たちを「スイス派」といいます。(勉強になりますねー)。このスイス派の作家たち、戦争が終わってからヨーロッパグラフィックの復興に大きな役割を担うことになります。

グラフィックデザインの世界にそんな大きな意味を持つ「スイス派」の中心人物ミューラー=ブロックマンを開学当初から客員教授として迎えていた大阪芸術大学はやっぱりすごいです。大阪芸術大学博物館に所蔵されている、そのスイス派の作品が現在展示されています。グラフィックデザインを語る上でその歴史の礎となる作品群、デザインの世界の宝物です。

現在開催中の【前期展示】では本学にゆかりの深いスイス派の作家たちを中心にキネティックアートやオプアートの作家たちの版画作品、24日からの【後期展示】では「ギャラリー58」の構成的な造形作品の展示が行われます。

世界の注目を集めるデザインが生まれたその当時のスイスのことをイメージしながら鑑賞してみてください。
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