大阪造形センターで 7月4日から9日まで明星守さん(大阪芸術大学芸術計画学科82卒)の個展が行われました。
明星さんはある一定の地域でねぎ調査を行い、それを写真と地図等を使用し作品として発表してこられました。今回は展覧会期間中にレクチャー「境界線上の“ねぎ地図”的考察」も行なわれました。
作品は、印画紙ロール幅110センチを使用し、プランターに栽培してあるねぎを撮影しそれを印画紙に焼き付け、筒状に構成し内側からライトを忍ばせ灯籠のようなものに見える作品が展示してありました。
「ねぎ地図とは何だろう」考える学生もいると思いますので簡単に説明します。時々、自宅前になにげにプランターに植えられたねぎを見ることがあります。観賞用でもなく食用にとも思いにくいこのねぎの存在を明星さんは、30年ほど前からアートフィールドワークとして調査を行ってきました。ある一定の地域を決めそのような場面を写真で記録し、その調査した地域の地図とともに展示していました。そのような制作形態から、一般の人たちの日常的行為「プランタンにねぎを植える」から、その背景にある物語を明星さんと地域の人たちで紡ぎ出す作業を続けておられます。
今回のレクチャー「境界線上の“ねぎ地図”的考察」では、自宅前にあるプランタンのねぎの存在が「自己と他者(自宅とそれ以外)の間を緩やかに介入していく為の装置」として存在していることが理解出来ました。
報告 加藤隆明 教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室