図書館4階展示コーナーでは、8月2日(土)まで図書館所蔵品展「葛飾北斎の絵本挿絵と絵手本」を開催しています。今回は江戸時代の著名な浮世絵師葛飾北斎の『山枡太夫栄枯物語』といった読本の挿絵や『北斎漫画』等の絵手本が19点展示されています。
なかでも『絵本和漢譽』の「足柄山 怪童丸」や『北斎道中画譜』の鮮やかな色彩を是非実際にご覧ください。写真ではなかなか表せない美しさです。
北斎と言えば『冨嶽三十六景』の版画は皆さんご存知だと思いますが、ヨーロッパの芸術家たちに大きな影響を与えた『北斎漫画』の存在もご存知でしょうか? 7月13日までサントリーミュージアム[天保山]で「ガレとジャポニスム」展が開催されていました。北斎や日本美術が、ヨーロッパの絵画、特にモネやゴッホといった印象派の画家たちに与えた影響は大きく、その日本趣味は「ジャポニスム」と呼ばれていますが、中でも最もジャポニスムに傾倒したのがエミール・ガレだったようで、日本では源氏物語や和歌集などでも頻繁に使用されていた蜻蛉やアリ、バッタなど小さな生き物をモチーフにした作品を数々作り上げました。その蛙や蜻蛉などのモチーフは『北斎漫画』から転用されていたとして、『北斎漫画』も展示されていました。
『北斎漫画』は、「人生の略画」ともいわれるくらいに日本の民族や文化、風土、ありとあらゆるものを網羅した広範な画集です。北斎が時代を超えた偉大な画家と評価される所以だと思います。この機会に是非、オリジナルの魅力を目の当たりにしてください。
また、少しでも北斎に興味を持っていただけたら図書館所蔵の本になった『北斎漫画』や和とじ本の復刻版もご覧いただけますので、ガレの蛙の文様も探してみてください。『北斎漫画』の顔の表情や人間の様々な動きや当時の風俗等、色々な分野の研究にもきっと役立つと思います。
●図書館所蔵品展「葛飾北斎の絵本挿絵と絵手本」 平成20年7月1日?8月2日 図書館4階・展示コーナー
図書館所蔵品展一覧 *過去の展覧会の様子を映像でご覧いただけるものもあります。 http://www.osaka-geidai.ac.jp/library/exhibition/index.html
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