水の入った透明のグラスに牛乳を数滴・・・。それを光に翳してみる。白濁した液体は水の中で、なんだか青白くみえる。実はこれ・・・、何の説明かって言うと・・・、光には波の特性があって、色によってその波長が・・・。 「そんな講釈なんてどうでもいいよ・・・、ただ目の前の青に見惚れていればいい。」 そんな気持ちになる作品に今日、出会いました。
以前もブログで取材させていただいた「Port Gallery T」では『黒崎 創 写真展「虚空」』が開催されています。作品が展示されたホワイトキューブのギャラリー内は、青い写真作品だけがすべての壁に展示されていて、どの方向を見ても整然とした青によってキリッとした印象です。
黒崎さんは写真学科のご出身で、卒業後、副手としてお勤めだった時期もありました。ギャラリーの方によるとその頃はモノクロの作品で、印象としては「真っ黒」に近いほどの作品を制作されていたそうです。その後、制作を続けながら現在は京都造形芸術大学や神戸芸術工科大学などで写真を指導するお仕事もされているのだとか。この写真展で展示されている作品はここ5年ぐらいの間に制作されたものなのだそうです。 プロフィールはコチラ >>> Port Gallery T
心が清められるような「青」の秘密をギャラリーにいた黒崎さんに尋ねてみました。 1年の間で2週間ほどのわずかな期間しか撮影することができない空の色なのだそうです。それは空気が乾燥していて雲がない空、ちょうど今ぐらいの寒い季節。夕焼けも終わって日が沈み、夜が訪れる直前の数分間の青白く残る光を寒さに震えながら撮影するんだそうです。
一見、海底深くから水面に向かってシャッターを切ったのかとも思えるディープブルー。空だと思ってみれば、そこには輝き始めた星などが糸を引くように写りこんでいるのがわかり、一層幻想的な表情です。
そしてまた「なぜ空は青いのか?」「宇宙の色を薄めていけば空の青になるのかなぁ?」そんなことを考えながらも、その思考はどこか遠くの空へ行ってしまって、「空には何もないのだと思うし、自分も何も考えていなかったんだ」と、思いました。
是非、会期中に幻想的な青の美しさを見に行ってください。
●黒崎 創 写真展 「虚空」 2009年2月23日(月)→3月7日(土) 12:00→19:00 (土曜日18時まで/日曜休廊) Port Gallery T
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