2017年9月26日

写真学科でドローン特別授業!

最近「ドローン」という単語を耳にしたり、ドローンで撮影した映像に触れる機会が格段に増えましたよね。
元々は軍事用で利用されていましたが、近年はモバイル技術の進歩やバッテリーの小型化によって、革新的に広がりました。
映像表現においても、ドローンによる空撮は、いま身につけておくべきスキルとして注目されています!
しかし、みなさんはこのドローンについて、どれくらい知っていますか?
「資格や免許がないと飛ばせないのか?」「無許可に飛ばしたら罪になるのか?」
上記のような質問に、なかなか明確に答えられる人は少ないのでは…?

今日のブログは、ドローンについて講義された特別授業の模様をご紹介します。


9月14日(木)、写真学科で「ドローンの利活用と今後の展望について」と題した特別授業が行われました!
担当してくださったのは、一般社団法人 ドローン撮影クリエイターズ協会 代表理事の坂口博紀さんです。
(ドローン撮影クリエイターズ協会とは、ドローンを用いた撮影や操縦技術の向上、安全運営管理者の育成などを目的に2015年に発足した協会です。)

授業では、ドローンって一体何なのか、その活用方法や、改正航空法について学生たちに伝えていただきました。


ドローンとは、無人航空機(※改正航空法で定義されているものは200g未満の重量のものを除く)のこと。
飛行機・回転翼航空機・滑走機・飛行船などで構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるものを指します。
私たちが普段ドローンと呼んでいるのは、そのうちの回転翼機で、マルチコプターと呼ばれるもの。
マルチコプターはホバリングが安定しており、その活用方法は、農薬散布や土木工事、測量、撮影、配達・輸送、防災など多岐に亘ります!
人間が入れない危険な場所での作業が可能になったり、今まで足場を組んでやっていたことをドローンで行うことでコストダウンに繋がったりと、さまざまなことを実現しているんです。


そんな未来の可能性を広げるドローンですが、その普及に伴い、安全を確保するため、航空法が見直されました。
それが、2015年12月10日に施行した改正航空法です。

世界でもトップレベルで厳しい法律だそうで、人口密集地空港周辺地上から150m以上の高さなど、国土交通省の飛行許可が必要な空域というのが定められています。
ちなみにこの条件では、大阪芸術大学のキャンパスは飛行可能な空域ではあるみたいですが…定められているのは空域だけでなく飛行方法にもたくさんのルールがあります。
例えば、日中の飛行でなければいけなかったり、第三者や建物から30mの距離を確保しなければならなかったり、またイベント会場の上空を飛ばすことも禁止されています。
でも、イベントでこそドローンを飛ばしたいだとか、夜景を撮りたいとか、そういう場面って多いですよね。
つまり、ドローンを飛ばすためには、許可申請が必要なケースが非常に多いということになります。
無許可で大丈夫だと思ってドローンを飛ばしたら罪になってしまった…なんて洒落になりませんから、ドローンを扱う場合は許可申請を行いましょう。

さらに、重要施設の周辺においては2016年4月7日に施行された小型無人機等飛行禁止法という法律で取り締まられていますし、他にも電波法や道路交通法など、ドローン飛行においてはさまざまな法令を考慮しなければいけません。


そんな話を受けて難しい顔をする学生たちに、坂口さんは、
「僕の話を聞いて、ドローン飛ばすの怖いな、面倒だなと思う人もいるかも知れない。
でも、これらの法律は知っておいてほしい。こういうルールがあるんだなと頭に置いた上で、ドローンを扱ってほしい。」と話されました。
決して気軽に飛ばすものではありませんが、法律を守れば誰でも扱うことができる機材だということを、学生たちに伝えてくださいました。
 

講義のあとは、学内のグラウンドで実演も行ってくださいました!!
今回紹介されたのは、2種類。

 

こちらは、DJIのInspire 2

そして、こちらが同じくDJIのMatrice 600

プロフェッショナル空撮や産業用途向けに開発されたドローンで、多様なカメラが搭載可能です。
今回は、フルサイズの一眼レフデジタルカメラとして人気の高い、Canonの5DMark4がセットされていました!

坂口さんたちのサポートのもと、学生たちもドローンのカメラワークに挑戦!!
先ほどの講義では難しそうな表情をしていたのに、実際に機材に触れられる場面では生き生きとした様子です!笑
写真学科の学生たちは、やっぱり撮影が好きなんですね。

 

実演中も、「ドローンにはあまりズームレンズは使わない。重さの関係もあるけれど、ドローン自体が被写体に自由に近づけるので、単焦点レンズが多いです。」
「カメラマンは自分の目線で捉えられるもので作品づくりを考えるけど、ドローンがあればその視野を広げることができる。」など、さまざまな話を聞くことができました。
かく言う私も、実はドローンに興味津々。
この日のお話を、メモ帳にびっしり書き留めさせていただきました。


授業の最後には、「カメラを担ぐのと同じ感覚で、ドローンが撮影のツールの一つになったらなと思います。」と語られた坂口さん。
静止画はもちろん、映像表現にも果敢に挑戦する写真学科の学びにおいて、ドローンでの空撮はどんな表現に繋がっていくのか?
期待膨らむ大変素敵な授業でした!
坂口さん、ドローン撮影クリエイターズ協会のみなさん、ありがとうございました!

 

投稿:島田(企画広報部事務室)