2008年6月8日

歌舞伎鑑賞教室

個人的にも毎年楽しみにしている「歌舞伎鑑賞教室」が今年も行われましたー!!
大阪芸術大学 歌舞伎鑑賞教室
昨年までは平日に行われていたので授業の合間にフラッと訪れる学生で満席だったのですが、今年は土曜日に行われた為か学生が少なく空席が目立ってちょっぴり残念でした。
「歌舞伎鑑賞教室」は初心者でも楽しめるように、第一部で歌舞伎の基礎知識が解説され、第二部で作品上演という流れになっています。

今回は、坂東薪車さんが効果音の紹介に重点を置いて解説してくださいました。

まずは「鳴物」という大太鼓の紹介です。風の音、水の音、雪の音が実演されたのですが、私は雪の音が一番印象に残りました。実際には雪が降る音なんてないはずなのに、「どぅん・・・どぅん・・・」と大太鼓をたたく音がすると、しんしんと降り積もる雪のイメージが広がってすばらしかったです。

つづいて、板を拍子木のようなものでたたく効果音「ツケ」が紹介されました。坂東薪車さんが実際に立役、女方の駆け出す様子を演じてくださり、力強い男性のツケとかわいらしい女性のツケの違いがとてもわかりやすかったです。

効果音の紹介が終わると、「立回(たちまわり)」の説明です。山型に刀を振りかざす動きなどを組み合わせることによって殺陣が構成されていることを、実演を交えてわかりやすく解説してくださりました。

そして学生四人が舞台にあがり、立ち回りを体験することに!!
二人一組となり、刀を持って見様見真似で挑戦しますが、やはり素人なのでどうしていいかわからないご様子。プロの凄さを実感したところで、お手本を見せてくださったお二人から手早く型や見得の切り方を教わり再挑戦

みなさん見得の切り方に悩んでおられましたが、舞台芸術学科演技演出コースの女性が「どうしていいかわからない」と言いながら立派な見得を披露してくださり、会場が沸きました!!
体験コーナーの後は短い作品も上演され、客席では「第一部は解説だけやと思ってたからお得な気分やな?!」という声がチラホラ。
作品については詳しく知りませんでしたが、動きを見ているだけでも十分楽しめました。

そしていよいよ本日のメイン!第二部の「俊寛」は流刑の地、鬼界ケ島を舞台に描かれた作品で、俊寛をはじめとする登場人物の人間性がとても魅力的に演じられていました。前半部分では千鳥と成経の結婚など、微笑ましい場面が多く見られましたが、クライマックスでは俊寛と瀬尾の壮絶な死闘が繰り広げられ、その迫力には釘づけになってしまいました。船や岩頭などのセットも立派でますます作品の世界に引き込まれました。

現代の私たちが映画やドラマを観るように、昔の人たちはこのような舞台を楽しんでいたのだと思います。ついつい西洋のオペラや映画に目を向けがちですが、これからは歌舞伎を含め、日本の伝統芸能もしっかり勉強したいと思いました。

投稿者: みか (大学院・演奏 2年)

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