2016年6月29日

高円宮妃久子殿下ご講義「掌中の日本文化-根付に学び、次世代に繋ぐ」

6月14日(火)、本学の客員教授でもあられる高円宮妃久子殿下がご来学され、「掌中の日本文化-根付に学び、次世代に繋ぐ」と題してご講義を賜りました。

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妃殿下は中学卒業後に渡英され、イギリスのケンブリッジ大学ガートン・コレッジで人類学・考古学を学ばれています。
また、日本サッカー協会、バードライフ インターナショナル、国際弓道連盟などの名誉総裁を務められ、カナダやドイツ、アルゼンチン、ブラジルなどさまざまな国を訪れ、精力的に活動をされています。

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高円宮憲仁親王殿下とともに、世界有数の根付コレクターとして、また現代根付作家を育まれてこられたことでも有名な妃殿下。
「在学中の学生たちに、もっと根付に興味を持ってほしい」という思いから、ご講義では根付について紹介されました。

根付とは、江戸時代に、印籠や巾着袋などを腰の帯にさげて携帯するため、紐の先に結わえて使用する滑り止めとして使われていたものです。
当時はお洒落の対象としても、広く愛用されていました。
象牙や漆、七宝、ガラス、金属など材料に制限はなく、ある程度の大きさと重みがあり、紐を通す穴があれば根付として成立します。
妃殿下は根付のことを、「手の平におさまる日本文化」だと表現されました。

日本では明治時代以降、根付は日常生活において不要になりましたが、海外で伝統工芸品として高く評価され、ヨーロッパの美術館に次々と展示されるようになりました。
現代では、多種多様な素材を使った”現代根付”として再び活発になっています。

ご講義の中で、妃殿下のコレクションからさまざまな根付作品が紹介されました。
浮世絵や漫画からインスピレーションを受けて作品を作る根付作家もいるそうです。

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また、妃殿下は「漢字を残すことがとても大事」だとおっしゃっておられました。
海外で根付作家の名前を記録する際に、読み方を誤ったままローマ字表記にしてしまうと、元の名前がわからなくなってしまうことがあるのだそうです。
例えば、写真にある「音満」という作家の名前、海外ではよく「Onman(オンマン)」や「Neman(ネマン)」と読み間違えられて、記録されることがあるそうです。
でも実は、「Otomitsu(オトミツ)」と読む名前なんです!漢字の大切さを感じますね。

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ご講義のあとは、妃殿下と副学長の塚本英邦先生、そして学生たちで懇談会も開催されました。

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妃殿下は、学生たちの熱心な質問一つひとつに熱心に耳を傾けられ、丁寧にお応えになっていらっしゃいました。
学生たちにとって、大変貴重な時間になったことと思います。

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今年も、「第8回 高円宮殿下記念 根付コンペティション」を開催します!
応募期間は9月5日(月)~30日(金)まで、大阪芸術大学グループ在籍学生を対象に作品を募集いたします。
各グループ校(大阪芸術大学 博物館、学生課/短期大学部 学務課/大阪美術専門学校 事務局/大阪芸術大学スカイキャンパス)で応募要項を配布していますので、興味のある学生はぜひ挑戦してみてくださいね。

投稿:島田(企画広報部事務室)