昨日、建築家・高橋靗一先生が大学に来られました。(先生のお名前の「てい」という漢字は、へんが「青」、つくりが「光」) 高橋先生は本学の名誉教授で、日本建築家協会の名誉会員でいらっしゃいます。
私はもう10年以上お顔を拝見していなかったのですが、以前と変わらない快活な足取りとやさしい表情がとても印象的でした。
本学の創設者・塚本英世を記念する建物として1981年に高橋先生の設計で建築された芸術情報センター。この建築は「日本建築学会賞」をはじめ数多くの賞を受賞している建築物で、高橋先生の代表的な作品です。
今回の先生の来学は第8回日本建築家協会(JIA)25年賞の審査のためで、この芸術情報センターがその候補として推薦されているそうです。「25年賞」の審査ですが実際は今、27歳の建物です。
審査員の方々はパイプオルガン演奏で迎えられる演出がありました。
芸術情報センターの見どころはなんと言っても、アートホール。コンクリート打ちっぱなしで造られている螺旋階段が彫刻作品のように頭上に現れています。天窓からの光が壁面を照らし教会を連想させる荘厳な空間を演出しています。
この芸術情報センターには柱や壁の一部分に金属が露出するようにデザインされています。その金属は銅。硬貨をイメージするとわかりますが、新しい銅は金や銀と並ぶほど美しく輝く金属です。錫という金属の添加の量にもよりますが、銅は長い時間が経つと酸化してやがては碧く変色していく特性をもっています。この銅の色の変化は、いわば芸術情報センターの年齢を示しています。50年、100年の時が経った芸術情報センターに思いを馳せてみると、輝くような「碧色」が新たな美しさを生んでいるようです(私の想像)。 いつまでも素敵な空間であってほしいと思います。
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