先日、大阪芸術大学所蔵品展「15」の模様をご紹介しましたが、”所蔵品展”と言えばもう一つ!
今日は、大阪芸術大学図書館で行われている所蔵品展に行ってきました。
芸術情報センター2階から4階にある、大阪芸術大学図書館。
所蔵点数は35万点以上にのぼり、その中には映像・録音・楽譜資料がおよそ9万点あります。
4階のスペースを使って年に5~6回開かれる所蔵品展では、普段は貴重資料として書庫に保管されている資料を、その時々のテーマによって選抜し公開しています。
現在は、「第一回 ロンドン万国博覧会と産業美術」と題した展示を行っています!
私たちが「万博」と呼んでいる万国博覧会(国際博覧会)は、新しい文化の創造や科学、産業技術の発展などを目的に、複数の国が参加して開催される博覧会です。
その歴史は古く、紀元前のエジプトやペルシャで国王即位祝典行事として芸術品や衣類が民衆に披露されたことや、古代ローマで辺境征服の後に戦利品などが誇示されたことなどが原始的な博覧会の起源だという説があります。
また、近代博覧会の原型としては、1475年にフランスのルイ11世がロンドンで開催した「フランス物産展」だと言われています。
そして、1851年にロンドンのハイドパークにて、初の国際博覧会となる「ロンドン万国博覧会」が開催されました。
今回の所蔵品展では、その第1回ロンドン万博の要覧・カタログ類が紹介されています。
当代の文明国が自慢の文物を競い合った第1回ロンドン万博では、あらゆる種類の主要な産業と生産方法をふくみ、広く人々の関心を引き付けました。
簡便な半公式要覧として、「1851年万国博覧会:アートジャーナル図録」
一連の展覧会場の光景や、芸術性をあわせもつ産業美術品の挿絵が多数収録されています。
公認の図解要覧としては、「1851年万国博覧会:図解付公式要覧」があります。
3巻組で、図版が豊富で出品者の特定には適していましたが、記載事項の構成がとても複雑なつくりになっています。
一方、万博に出品された産業美術品の一品を華やかな多色石版画付きで収録しているのが、「19世紀の産業美術-1851年万国博覧会の時に各国によって製作された極上見本品の挿絵集成」です。
今回の所蔵品展を担当された本学名誉教授の藪亭先生は、
「今回展示されている第1回ロンドン万国博覧会のカタログ類は、展示館『水晶宮』での国際色豊かな賑わいと共に、自然模倣や歴史的で連想的な要素に依拠する当代の産業美術のデザインを、今によく伝えている」
とおっしゃっています。
みなさんも、図書館にお越しの際は、4階展示コーナーにも足を運んでみてください!
大阪芸術大学図書館所蔵品展
「第一回 ロンドン万国博覧会と産業美術」
2017年8月28日(月)~9月22日(金)
大阪芸術大学図書館4階展示コーナー
投稿:島田(企画広報部事務室)