2008年2月23日

虚実皮膜の間 ?その弐-

錦影絵

錦影絵

錦影絵

錦影絵

錦影絵

錦影絵

現在、大阪府立青少年会館プラネットステーションでは、現在「プラネットフェスティバル2008」として、錦影絵とループフィルムの上映を見ることができます。

アニメーションの原点ともいえる「錦影絵」の復元と新作の上演に関西で初めて取り組んできた芸術計画学科、錦影絵池田組。今回のイベントでは、「モノが動いて見える仕組み」を確認しながら日本の映像史の出発点を追体験することができます。

まず松本夏樹先生から幻灯機の解説がありました。現代でいうスライドプロジェクターのようなもの「マジックランタン」が日本に入ってきてそれを使っての映像表現が芸能として成立するまでの解説がありました。

いわゆる「活動写真」といわれる日本で始めての動画上映で使われたアニメーションをご紹介いただきました。わずか72コマで制作され、ループ上にしてエンドレスで映し出されるアニメーション。今の時代、何の驚きもない短いアニメーションですが、江戸時代の人々にとっては、モノが動いて見えるだけのことがただただ不思議で面白かったのだろうなと、現代人の感想をもってしました。
また授業で制作された72コマのエンドレスフィルムの学生作品が数本上映されました。

その後、池田光恵先生から錦影絵の解説がありました。『風呂』と呼ばれる木製の幻灯機に『種板』と呼ばれるいわゆる「スライド」を仕掛け、和紙のスクリーンに映し出す物語の世界、錦影絵
木製の『風呂』や『種板』には桐がもっとも適しているそうなのですが、桐は高価な木材なのでもう使わなくなった桐のタンス友人から譲り受けそれを解体し使える部分を使っての手作りなのだそうです。(そうめんの木箱なども使っているそうです。)

錦影絵は映像というよりお芝居に近い。台詞や効果音がライブで挿入され、キャラクターや背景がヴィジュアルとして写しだされ「活動」する。カットイン、カットアウト、フェードーン、フェードアウト、基本的な映像表現は『風呂』の操作と工夫によってすべて可能。驚くほど複雑なヴィジュアル表現が展開します。
「アナログでココまで表現できるものか。」和紙のスクリーンの裏では一体どんなことになっているのか?
錦影絵をはじめてみた感想です。江戸時代の人々も同じしくみでこの映像を作り楽しんできたのかと、「追体験」そのものを楽しんでしましました。

現代人の私が見てもスゴイっ!と思ってしまうエンターテインメントです。CGがどれだけ発達しても、このアナログな幻灯見世物が面白く感じることができることには何か理由があるはずです。きっと。映画、映像を学ぶ若い方々には、アナログのいいところ、デジタルのいいところを両方きちんと研究して学んでほしいなと思いました。アナログ万歳

虚実皮膜の間 –その弐
(にしきかげえ ふぃるむ の あわい)

2008
223日・24日 1700から
プラネットステーション(JR環状線森之宮駅下車)
4階プラネットホールにて ※入場無料

大阪芸術大学ブログトップへ


2008年2月22日

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

17日に終了した学内での卒業制作展。沢山の方にご来場いただき、ありがとうございました。
そんな感謝の気持ちもまださめない18日には、引き続き開催される学外展へ向けての搬出作業に追われる学部の先生や学生の姿が見受けられました。

今年度もサントリーミュージアム[天保山]で、「2007年度大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展」が開催されています。2月10日→17日までは、大学院芸術研究科(修了作品展)が開催され、2月21日→27日までは、本学芸術学部、短期大学部、大阪美術専門学校のグループ3校による卒業作品選抜展が開催されています。

…ということで行ってきました。地下鉄中央線「大阪港」駅下車、1番出口より歩くこと約5分。サントリーミュージアムの外壁には、賑々しく本学卒業・修了作品展の垂れ幕が下がっていました。ロビーには大きめの作品数点が、観に来てくださった方を誘導するかのように展示されています。そこからエレベータを使って5階へ。
5階には、短期大学部と大阪美術専門学校の作品がおもに展示されています。そして、順路に従って4階へ降りて行くと本学芸術学部の作品が展示されています。

短期大学部や大阪美術専門学校の作品は新鮮な気持ちで、本学芸術学部の作品も改めてじっくり鑑賞しました。会場が変わり展示の仕方やレイアウトが違うからでしょうか?学内で観た時とはまた違った印象を受けたり、新たな発見もあって楽しかったです。なんといってもこの会場での魅力は3校の作品を同時に鑑賞できることです。

もうそれぞれ3校の学内展を観た方も、残念ながら学内展をみ逃した方も、是非この機会にサントリーミュージアム[天保山]で開催中の大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展をご覧ください。

大阪芸術大学ブログトップへ

 


2008年2月21日

芸大OBのギャラリーが西天満にオープン! -YOD Gallery-

YOD Gallery

YOD Gallery 

YOD Gallery

YOD Gallery

YOD Gallery

今回は卒業生の活動をひとつご紹介いたします。

関西では数少ない現代美術のプライマリーギャラリーとして、YOD Galleryが大阪西天満にオープンしました。
代表は、2001年に大学院芸術文化研究科を修了し、本学博物館の設立時に学芸員をされていた山中俊広さんです。

現在は開廊記念展として日本を代表するグラフィックデザイナー北川一成さんを現代美術の作家としてプロデュースした展覧会
「北川一成展 ?DEEPER IMAGINATION?」を、今月23日まで開催中です。

YOD Galleryのロゴも、なかなかおしゃれです。そのシャープな切れ味、暖かみのある曲線と膨らみの取り合わせは、世界に羽ばたこうという決意の強さと作家を育てて行こうという懐の広さを感じます。

山中さん曰く、「卒業生として、母校大阪芸大にかかわりのある優秀なアーティストの卵はぜひ育てて行きたいと思っています。学生にはもっと街に出て、今のアートを体感してかつ分析した上で、自らの表現と対峙してもらいたいです。」

次回展の作家、町田夏生さん(2005年大学院芸術制作研究科修了)は、山中さんが最も期待しておられる作家のお一人です。DMの絵にも町田さんの感性が溢れていますが、3月にふさわしい展覧会になりそうで、とても楽しみです。

町田夏生展 ?《乙女》の衝動?
3月4日(火)→3月22日(土)
11:00→19:00 日・月曜日 閉廊

今年の本学関係の企画では大学院OG一人、美専OB一人の個展が開催されることになっています。

今後も関西の作家の展覧会を中心に、現代美術を関西から世界に向けて発信していくべく独特の活動をしていきたいとのことです。YOD Galleryのこれからの活動に期待が膨らむばかりです。

YOD Gallery
http://www.yodgallery.com/

大阪芸術大学ブログトップへ

 


2008年2月20日

OKURIN(オクリン)が「おおさかCBアワード奨励賞」受賞

おおさかCBアワード2007

OKURIN

OKURIN

画像は「東急ハンズ」のチラシより転載。
ちなみに東急ハンズ心斎橋店では、
地下1階バラエティグッズコーナーでお買い求めいただけます。

以前ブログで紹介させていただいたOKURIN(オクリン)が、「おおさかCBアワード2007」で奨励賞を受賞しました。

このアワードは大阪府、大阪市、大阪商工会議所、大阪ボランティア協会、大阪NPOセンターなどが実施しているもので、優れたコミュニティビジネス(CB)に対して表彰を行うものです。
 >>>おおさかCBネット

このOKURINは「特定非営利活動法人Deep People」が作っている商品で循環型包装資材として、現在、東急ハンズでも販売されています。(ちなみに店頭の販売促進用のVTROUA-TVの協力で制作されています。)

OKURIN 
↑絵本「サンタクロースの忘れ物」より

もともとOKURINのアイデアはデザイン学科の卒業生の卒業制作の提案が元となっていて、そのオリジナリティそのものも評判になっていましたが、今回の受賞は「人と人がつながって形成されていくコミュニティを生む仕組み」だったり、「大学や学生と連携したECO活動をビジネス化していこうという志」に期待が集まったのだそうです。

今後もこのような形で在校生や卒業生のアイデアが世の中でもっともっと評価されてゆくのを楽しみにしております。

大阪芸術大学ブログトップへ

 


2008年2月19日

「ブチッ!モグモグ」―銅版画の世界へようこそ―

村上美智子展

村上美智子展

村上美智子展

村上美智子展

村上美智子展

村上美智子展

大学院芸術研究科版画専攻の村上美智子さんが3月の修了を目前にし、西天満のギャラリーで、『村上美智子展』(2月4日?9日)を開催しました。
会期中にご案内できなくて残念でしたが、展覧会の様子をお伝えします。

短期大学部デザイン美術学科から本学・美術学科の版画コースに編入した後、大学院に進んだ村上さん。この時期に個展を開催した理由は、短大時代から大学院修了目前の今日に至るまでの代表作品を網羅的に並べることによって、学生時代の作品群に一つの区切りを付けたかったとのことです。

「ブチッ!モグモグ」「今ココニアル真実」等、銅版画(エッチング、アクアチント)による21点の作品からは、それぞれ一枚の絵の中に色々な物語を読み取ることができます。暖かさと優しさの中にリアルな視点があって、奥の深さを感じました。ユーモアと風刺が共存する作品群は、どこか村上さんのキャラクターに通じるかもしれません。村上ワールドに出会えた、とても楽しい展覧会でした。

村上さん曰く、「学外で個展を開催することによって、授業でかかわった美術学科の1年生たちや先生方が足を運んでくださったのも嬉しいことでしたが、一般の方々にも数多く見ていただき、色々な感想や批評をいただけたことも大変勉強になりました。」

展示作品の中には海外の公募展に応募している作品もあり、また、会場で販売していた銅版画によるエコバッグにもオファーがあるなど、今後の活動にも注目して行きたいと思っています。

ギャラリー白
http://www.ne.jp/asahi/gallery/haku/

大阪芸術大学ブログトップへ