5月1日から本学図書館4階展示コーナーで開催されている図書館所蔵品展、今回は「ヴィクトリア朝時代初期の絵入美術雑誌『アート・ジャーナル』」です。
ヴィクトリア朝時代に最も権威のあった総合芸術誌のひとつである『アート・ジャーナル』を本学図書館が所蔵している事に先ず感動!!月刊誌として刊行されたものですが、本学所蔵本は、数冊を一冊にまとめている「合本」のかたちで保存されています。きれいなマーブル紙で装丁されていて、とても重厚感があります。
口絵にヴィクトリア女王の肖像画が描かれていたり、また椅子や鏡、燭台などやスプーンやフォーク、プレートのデザイン画、また多色デザイン見本などの挿画が掲載されています。特にタイトルページのデザインや絵画や彫刻の複製画は、とても精密で繊細なものばかりでその美しさに魅入ってしまいます。皆さんも是非この展示の機会にご覧下さい。
その繊細な線を描いている「彫版」という技法にとても興味を惹かれました。先端を鋭く研いだ刃物で彫り、細かい線による描写を可能にしたその技法を習得した優れた彫版師が、その当時多数活躍したようです。
『アート・ジャーナル』は、近代の造形美術や装飾、美術産業を研究する史料として、とても価値ある資料ですが、印刷という観点からみても興味深い資料だと感じました。図書(雑誌)資料って奥が深いですよね。
展示期間は、5月26日までです。