2008年5月5日

西岡恵子 展

今日から大阪・西天満「Oギャラリーeyes」で始まった『西岡恵子 展』に行ってきました。
西岡恵子 たまりに沿って溶け合うもの
西岡恵子さんは2006年度(20073月)の卒業生です。卒業制作で初めて見たときの西岡さんの作品は強烈なインパクトがありました。離れて見るとただグレー一色で描かれた抽象画にしか見えないその作品が、近づくにつれ更にキャンバスに吸い寄せられるような不思議な力を持った作品でした。
西岡恵子 たまりに沿って溶け合うもの
今回の展覧会に展示されている6点も、結果的に至近距離で鑑賞してしまうことになりました。「あれ!今、動いたんじゃないかな?」、細かな花の文様は気付かないうちに増えているのではないかと錯覚してしまいます。キャンバスの大きな作品ほどそんな印象を受けます。文様から文様が生まれて勝手に増殖していくような動きを感じます。
西岡恵子 たまりに沿って溶け合うもの

会場に設置されている西岡さんのコンセプトシートを紹介します。

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人が生活する中に存在してきた文様。
それは私にとって身近なものであった。

日本画に触れ、様々な文様を描き始めた。
描き進めるにつれ、何故か花だけが残った。
しかし花を画面に埋め尽くすという行為を繰り返すにつれ、描くという行為から線を引く行為へと関心が移行した。
  出発地点から最終地点まで線を引く。
  そしてその線と線とが結びついていく。
私は均一性を避け、密度やリズムを変化させ、大小様々に描く事により揺らぎのある画面を表現したい。
                                              西岡恵子
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在廊されていた西岡恵子さんに作品のことなどお話を伺うことができました。高校時代に1年間やったことのある日本画の中で着物などの文様に触れる機会があったのだとか。西岡さんの作品のスタイルはそこが起源になっているそうです。大学1年生の基礎の授業で日本画にも再び興味を持っていましたが「日本画じゃないな」って気付いて、2回生の後期から「構想クラス」で制作をするようになったそうです。西岡さん曰く「2回生の終わりから(このスタイルに)戻った」とおっしゃっていました。
西岡恵子 沁み入る隅から繋ぎ目へと
使用しているペンについて聞いてみたところ、はじめはハイテック(水性)というペンで描いていたそうですが、にじまないペンを探して今は「タチカワ」というブランドの製図ペンを主に使っているそうです。大きな作品には4本から5本のペンを使うこともあるそうです。また、卒業制作で描いたサイズ(18001800?)でも、製作中のミスタッチはほとんどないそうでその集中力にも大変驚きました。「ずっとコレを描いているので手が勝手に動くんです」って笑ってお話してくれました。(スゴイっ!)
西岡恵子 沁み入る隅から繋ぎ目へと
「遥かな光の一点を」「霧散した音の先から」「やすらう実に沈むなら」「光の微かな呼吸でさえも」「鼓動の深さに浸透するもの」「路地の果てが霞むまで」など、西岡さんの作品にはどれも詩的で素敵なタイトルがつけられています。普段の生活の中で気になった言葉を溜めておいて、コラージュするように組み合わせていくのだそうです。言葉の意味そのものより、言葉の持つイントネーションやリズムなどを大切にして作品にあうタイトルを探るのだそうです。

是非、会期中に「Oギャラりーeyes」に足をお運びください。
●西岡恵子 展
2008
55日(月)→510日(土)
11
001900/土曜日 1700まで
O
ギャラリーeyes:
大阪市北区西天満4-10-18石之ビル3FTEL/FAX 06-6316-7703
[URL]http://www2.osk.3web.ne.jp/~oeyes/

[E-mail]oeyes@osk4.3web.ne.jp

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