2008年4月4日

最初で最後の入学式

今日は入学式でした。朝、830にはもう正面入り口の前でお待ちになっている方もいらっしゃいました。今年も式典の会場は大阪中之島フェスティバルホールです。私は舞台に上がることはありませんが、客席側にいて「大阪が世界に誇れるホール」として出色している臨場感を毎回感じることができます。フェスティバルホールを象徴する深紅のシート、2700席が新入生、保護者の方々と教員で埋まりました。

入学式 フェスティバルホール
恒例の雅楽の舞でスタートした式典。放送学科教授の平野啓子先生の司会での進行です。
入学式 フェスティバルホール
学長の式辞では、大学生活での心構えのお話と
ギリシャ神話に出てくるピグマリオン王の話、カモメのジョナサンの話がありました。「夢を描くことの大切さ」と「向上心を維持すること」のお話は、新入学生だけでなくどんな人にも刺激になる自己啓発だなぁとあらためて感じました。
平成20年度大阪芸術大学入学式
式典の後半、オケピットが上昇し少し会場がどよめきました。校歌の演奏です。

この後、閉式となり15分の休憩を挟んで記念演奏会となりました。
記念演奏会の始まりは大阪芸術大学のチアリーダーズによるパフォーマンスでした。
平成20年度大阪芸術大学入学式 らん・ら・らん
フェスティバルホールの顔である”金色に輝く竹のトンネル”を表した緞帳「らん・ら・らん」の前で大阪芸術大学の応援歌に合わせてのチアの踊りが披露されました。
平成20年度大阪芸術大学入学式
記念演奏会の3階席からの様子
平成20年度大阪芸術大学入学式
卒業生による声楽独唱

1958年(昭和33年)に誕生したフェスティバルホールも今年(2008年)秋には閉館される予定となっています。新・フェスティバルホール2013年に完成の予定です。ちょうど一年前の4月にこの再開発構想が発表されたので、今の状態のフェスティバルホールが今年最後であることは多くの方がご存知です。来場された新入生の皆さん、保護者の方々はどのような思いでお席につかれていたのだろう、そんなことを考えながら会場を後にされる方を見送りました。
平成20年度大阪芸術大学入学式
音響の良さは世界的にも評価が高く、世界に名だたる芸術家たちを招き、歴史に残る舞台となったフェスティバルホール
平成20年度大阪芸術大学入学式
大学の入学式を二度経験される方はそう多くはありません。今年度入学された方がたとえ二度目の入学式を経験されることになっても、フェスティバルホールで行われた今日の入学式は2つの意味で「最初で最後の入学式」となります。心に残る入学式になったことを祈っております。

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2008年4月3日

新入生ガイダンス、2日目。

本日は新入生ガイダンス2日目です。
一日中、座って話を聞いているだけというのは疲れますね。おまけにこの陽気ではついウトウトということもあるかもしれませんが、しっかりきいて大事な話はメモしましょう。

図書館の利用案内、学生部のガイダンスに続いて、就職部企画の講演会が行われました。本日はその講演会の様子をお伝えします。入学したばかりなのに、もう就職ガイダンス?と困惑された新入生もいたのではないでしょうか?講師の先生は、日ごろ企業の採用活動も行われていたり、ハローワークで就職活動の支援などをされている「キャリアカウンセラー」の方でした。
新入生ガイダンス2日目
講演スタート直後、「さぁ、皆さん私とジャンケンしましょう。では、後出しでいいので私に勝ってください。では・・・」とジャンケン大会が始まりました。その後「次は、後出しでいいので私に負けてください。では・・・」と再びジャンケン大会。
就職部 講演会
「どうですか皆さん、後出しで勝つのと、後出しで負けるのはどちらか簡単でしたか?」と会場の新入生に問いかけます。「『後出しで負ける』というにはいわば『非日常』。ジャンケンを負けるためにやることは少ないので難しく感じてしまうのです。今からお話する内容が少し難しく感じるのも、この『負けるジャンケン』と同じです。基本的なルールは簡単だけど普段とは違うので少し難しく感じるだけです。」と、そんな講演の始まりでした。ガイダンスの主な内容は次のようなものでした。

●コミュニケーション力は鍛えられる
人の話を聞くときに「話す人の顔を見る」「メモをとる」「うなずく」これらは「コミュニケーション」です。コミュニケーションを難しいと感じる人は多い。でも特別なことではなく、例えば授業を受けるときなど、日常生活の中でのコミュニケーションを大切にすることでその力は伸びます。是非、4年間やってみよう。そうすれば社会から求められる人物像のひとつの条件をクリアすることができます。
●クセになっちゃった
授業中、「寝ている人」「遅刻してくる人」「おしゃべりする人」っていますよね。「就職活動だからいつもとは違いますよ。絶対遅刻も居眠りもしませんよ。」っていう学生は多いですが、実際は違います。就職活動で参加した説明会でも居眠りする人、遅刻してくる人は必ずいます。これはこの人たちがクセになっちゃたんです。急にはやっぱり変われない。ですから皆さん日常の授業ででよいクセをつけるようにしていきましょう。よく就職活動中学生がよく「憧れの会社に入る特別な方法はありませんか?」と質問してきますが「ありません」と答えています。日常生活を大切にすることで、夢に一歩近づけるんだと思います。
就職部 講演会
●将来の選択肢を増やそう
今、社会で問題になっているのが「7・5・3」。これは中学卒業、高校卒業、大学卒業で就職した方が離職するまでの年数を示しているそうです。大学を卒業し就職した人が3年経つ前に辞めてしまうことが多いといとうことです。それはなぜか?人生の中の狭い範囲の選択肢からしか職業を選ばなかったのがその大きな原因のひとつになっていると考えられています。これから自分の夢を実現するプランニングするために社会の様々な情報を集めて身に付けていきましょう。
●就活する先輩の悩み
就職活動をする60%以上の人が「就職活動って結構お金かかるんだなぁ」という悩みを持っているそうです。50%の方が「エントリーシートがうまく書けない」という悩みを持っているそうです。エントリーシートには「自己アピール」「学生時代に頑張ったこと」を書かせる場合がほとんどです。「学生時代はバイトばっかりしてた」「クラブも入ってなかったので何もしていなかった」というのはちょっとさびしいですよね。採用試験の中で「アルバイトの話」「高校時代の話」ばかりをする人がいたらどうなるか?正社員としての採用はせず、採用するにしてもアルバイトとしてだったり、高校時代の話ばかりをする人を採用するぐらいなら、高校卒業者を採用します、と講師先生の見解ではそうなのだそうです。

まとめると『目標をもって、意識して日常生活を大切に過ごしてほしい。学生生活を自分の手で充実させてほしい。』そんなお話でした。
芸坂の桜
というわけで、お花見日和のよいお天気のなか本日もクラブ・サークルの新入生の勧誘は続いています。
天の川通りの様子
そんな中、明日の入学式にご出席いただく、ケンブリッジ大学ゴンビル&キーズカレッジ学長クリストファー・ハム卿ご夫妻が御来校されました。クラブ勧誘が続く天の川通りで、学生の熱気にすこし驚かれているようすでしたが、学生と触れ合う様子はとても微笑ましい光景でした。

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2008年4月2日

新入生ガイダンスの1日目です。

今日は新入生ガイダンスの1日目です。
これから始まる学生生活に必要な情報がたくさんありますので、聞き忘れのないようひとつずつチェックしていってください。わからないことがあったらそのままにしておかずに、自分で確認するようにしておきましょう。大学生活は「手とり足とり」誰かが何とかしてくれるというわけではありません。「聞いてなかった」「知らなかった」と後になって損しないように、また大学生ですから自分に必要な情報は自分でチェックするようにしましょう。
新入生ガイダンス1日目
新入生のガイダンス終わりを待ち構えているのが在校生たち。クラブやサークルなどの団体が新入部員の獲得に躍起になっています。ジャグリングしている人がいるかと思えば、着ぐるみや、ミリタリのコスチューム姿、生バンドの演奏をする団体も。あの手この手で新入生を勧誘しています。
新入生ガイダンス1日目
是非クラブやサークルには入っておきましょう!大阪芸術大学の醍醐味はズバリ「人脈」だと思いますので。クラブ・サークルを通じて学科間の交流が生まれ、自分の専門以外の芸術の分野を知って視野をどんどん広げることができます。
新入生ガイダンス1日目
就職活動のときなどもよく聞かれるんですよね、「学生時代はどんなサークルに入ってたの?」って。

新入生ガイダンス1日目
皆さんが日常で「楽しいっ!」とか「面白いっ!」って感じるとき、いろいろな芸術の要素がコラボレーションされていることって多いですよね。これからは皆さんはそんな「楽しんでもらうもの」を提供する側になっていくんだと思います。その「送り手」として、「送り手」自身はコラボレーションすることで大きく成長できると思います。良いものをつくるために、皆が「自分で自分を磨こう!」って感じになるはずです。クラブ・サークルを通じてそんな成長を期待するのもとても大きな意味があると思います。
新入生ガイダンス1日目
先輩・後輩の関係も生まれ、「芸大の歩き方」的な話も聞きやすくなりますしね。
持論ですが「教育=出会い」なのかなって思っています。友人や先生、本や映像、音楽、チャンスも含めて自分が成長するための「出会い」そのものが学びのきっかけになって、大きな価値を生むんだと思います。

さぁ、大阪芸大生のはじまりぃー、はじまりぃー・・・。

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2008年4月1日

さぁ新年度スタート!渋滞が予想されます。

いよいよ4月スタート。キャンパスに学生さん姿が戻ってきました。
久しぶりに会う仲間との会話が、皆、声が少し高めのように感じます。
キレイに咲いた桜のせいなのか、ただ「春」だからか。何故だか皆さんウキウキしてますね。
芸坂から芸術情報センターを見上げる
今日とてもうれしかったことがありました。宮崎から来られた新入学生の保護者の方が、「ブログをいつも拝見しています。ただお礼が言いたくて・・・」と入試課を訪ねていただきました。本当にありがとうございます。ほんとうなら「読んでいただいてありがとうございます」とこちらがお礼を言わなければいけないところなのに、わざわざお立ち寄りいただいてとても励まされました。今年度も頑張って大学の様子をお伝えしていきたいと思います。

ニュースというほどではありませんが、本日から大学の前の道に信号機がひとつ増えました。(↓GoogleMap利用) *ちょうど矢印のあたりです。
Google Map 利用
うぅん、困った。渋滞が予想されます。というのも「芸大前」という交差点からほとんど離れていないところに設置されたもんですから。
 迂回路が開通
これは大学の前の道の南側にある橋の工事のため、一時的に田畑をつぶして迂回路が作られたためです。
 迂回路が開通
この迂回路の案内と交通整理のために何人もの工事関係の方が、信号の稼動と共に対応されていました。
迂回路が開通
(↑クリックすると案内図が拡大されます。案内図は下が「北」です。)

キャンパス内はといえば、たくさんの在校生の姿で様子は一変しました。
朝から証明書の自動発行機の前には人がごった返しています。
迂回路が開通
今の時期、在学証明書や就職活動に必要な証明書などを取得するためにこの発行機が活躍しています。11号館に2台、9号館の教務課に1台設置されています。明日からはガイダンスが予定されていますので、こちらも渋滞が予想されます。どの発行機も9:30から使用できますので、すいているところを探してみてくださいね。

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2008年3月30日

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展

昨日、「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展」に行ってきました。
開催は本日30日で終了です。終了一日前というギリギリになりましたがやっと行くことができました。
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展
桜も咲いて暖かくなったはずなのに「花冷え」ともいえる寒さのなか、はじめて滋賀県立近代美術館に行きました。木々に囲まれた美しい風景の中に溶け込むようなデザインの建築物でした。今回のこの企画展のポスターをデザインされた先生が評価されていたとおり素敵な美術館です。
滋賀県立近代美術館
ヴォーリズ展は本学の博物館主催でも行われたことがありましたので見たことはありましたが、ヴォーリズ本人が愛した近江八幡の土地で開催されることと、ヴォーリズが建築設計事務所を開業してからちょうど100年にあたる2008年に開催された意味を考えると、「ちょっと遠いけど行ってみよう」って気になるのに時間はかかりませんでした。(招待券ももらってましたし・・・。)


手描きのスケッチや図面、模型などでヴォーリズの理想とする建築空間が説明され、絵画、書画、写真、印刷物などで辿るヴォーリズの思想、活動など見所満載の展覧会でした。
きっとインスピレーションのままにササッと描いたであろうスケッチが建築のファサードとして立面図に記される過程が見えてくるようでした。
よく知っている大丸大阪心斎橋店の建築意匠がデザインされた当時の手描きの資料をみることができたとき、ピンときたことがあります。ポスターやチラシに使われている「1」「2」「3」「4」「5」の数字は、大丸のエレベーターの扉の上に設置されているパネルの「階」を示す数の意匠だったこと。(気付くの遅いって。)
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展
あの豊郷小学校の階段の手摺にある「ウサギと亀」の写真があったり、神戸女学院の図書館のデザインなど、どこか可愛らしさや、やさしさを多く感じることができる学校建築はヴォーリズの持っていた理想を垣間見ることができる作品だと思います。

ヴォーリズが「住宅」をテーマにした講演の記録として出版された『吾家の設計』も展覧会で紹介されており、そのなかで印象に残ったのが、
「台所と寝室があれば家です。けれども、家とホームは違います。居間ができて初めてホームの資格があるのです。」
少し語尾などは違うかもしれませんが、こんな意味の言葉が私にはなんだか考えさせさせられました。自分の家のことを考えてみて、台所・・・ある。寝室・・・ある。居間・・・ある。ということは資格はあるんだなぁ・・・。でも・・・。そう、単に資格があるだけでそれは「ホーム」として良いものにはなっていかないんだなぁ。(これまた気付くの遅っ!)。ヴォーリズはこのほかにこの講演の中で「食卓には花を絶やさないようにしたい」とか、建築と生活が調和していくためのお話をたくさんしたようです。住宅建築をやりたい人は必ず読んでおきましょう!
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展
そうそう、この展覧会に展示されているものの他、ヴォーリス建築の図面やスケッチのほぼすべてが大阪芸術大学で保管されていることはとても誇らしいことです。本学では山形政昭教授がヴォーリズの研究をされていて『ヴォーリズ建築の100年』や『ヴォーリスの西洋館』などの著書などがあります。本の中では大正から昭和初期にかけて優れた建築を残したヴォーリズの手書きのスケッチや図面を紹介しながらその建築の魅力を伝えています。

現在、大阪芸術大学博物館事務室では「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展」を計画中(2008年・秋)です。皆さん楽しみにしててくださいね。

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