現在、堂島ホテルで開催中の「ART OSAKA 2008」に行ってきました。 通常、ゲストルームとなっている8階から11階の客室を現代アートのギャラリーとして転換して催されるこのイベント。なんだこのイイ感じは! 会場では在校生や卒業生、先生方など大阪芸術大学の関係者の姿をたくさん見かけました。もちろんギャラリーの代表者、作家としても卒業生たちが活躍しています。 1002号室「ギャラリーアルテ」にて田岡和也さん(美術学科卒業)。田岡さんは今回、ホテルの一室がギャラリーになるということでベッドカバーを新たに制作されました。とても鮮やかな色彩は客室の雰囲気をパッと楽しく明るくしています。 「ギャラリー風」が出展している1110号室では、大野勇介さん(美術学科卒業)とお会いできました。この1110号室には大阪美術専門学校卒業の秦孝仁さんの作品を見ることもできました。 大阪美術専門学校卒業つながりで、1106号室「ギャラリーアウトオブプレイス」の森村誠さんの作品もコンセプチュアルで面白い作品でした。辞書の全ページからすべての『Z』の文字をカッターで切りとり小瓶の中に封印した作品<the Oxford Sleeping Pill>。オクッスフォード睡眠薬ってことですね。また誤配されたトーマスさん宛の手紙を受け取ったのをキッカケに制作された「トーマスを探せ」というシリーズもありました。観光用の市街地図の中の「t」「h」「o」「m」「a」「s」の文字だけを残してそれ以外の文字を白い修正液を使って消していく作品です。バスタブの中には、映像作品があり実際にヨーロッパの町で「トーマスさん知りませんか?」と人々に聞いて回る様子を収めたものです。 大阪美術専門学校を卒業し本学・大学院芸術制作研究科も修了した田中朝子さんは、817号室「ノマル・プロジェクトスペース」で作品を出品されています。 他にもたくさんの卒業生が出品されていましたが、私が一番印象に残ったのは908号室「Yoshiaki Inoue Gallery」の岡本啓さんの作品でした。岡本さんの作品を実物で見たのは初めてでした。この908号室ではバスルームはすべて岡本さんの作品です。ただただ美しい・・・。 ガラスのような透明感に感じる「綺麗だ」と、「リキッド感」と言えばいいのでしょうか流線の造形に感じる「綺麗だ」、そして色鮮やかな華を眺めるときの「綺麗だ」が同時に押し寄せてくる感じ。まんまと岡本さんの「綺麗ワールド」に引き込まれていきました。バスルームだけに、「美しさに浸る」という感じ、でしょうか。 この「アート大阪2008」、本当にいいアートイベントです。大阪のアートがこんなにお洒落でカッコイイものだと感じさせてくれる環境。はじめて見させていただきましたが、もっともっとたくさんの人にこのイベントを知って欲しいと強く思いました。特に今の在校生。この空間では「作品が売れていくこと」がどんなシーンなのかをリアルに見ることができます。自分が作家として生きていくために(「食っていくために」というと生々しいですが)、作家になった未来の自分をイメージして一部屋一部屋をじっくり見て欲しいですね。 ●「アート大阪2008」 |