2010年12月16日

アンリ・カルティエ=ブレッソンのフランス パリ編

       

 皆さんこんにちは、ゲイブルちゃんです!!急に真冬並みの寒さになりましたね。今日久しぶりに朝の占いコーナーを見たら、私ゲイブルの星座は最下位・・・どうしてたまに目にするときに限ってこんなとんでもない結果になるのでしょうか・・・。思わずラッキーカラーであるカーキ色の服を来て出勤して来てしまいました。

写真学科だけでなく他学科の学生もたくさん来場してくれています!
 その甲斐あってか、今日はとっても素敵な展覧会に取材に行くことになったんです!!先日もこのブログでお伝えした「アンリ・カルティエ=ブレッソンのフランス―アンリ・カルティエ=ブレッソン自選コレクションより―」。現在、後期の展示が行われているんです。
後期は、フランスのパリで撮影された作品を中心に展示しています。前期はパリ以外のフランスでの作品でしたが、同じフランスでも前期と後期では、全く異なる雰囲気を味わうことが出来ます

カルティエ=ブレッソンが生活していた、パリでの作品を展示しています。  前期の展示にはなかった物々しい雰囲気の写真がたくさん・・・。それもそのはず。カルティエブレッソンが写真の仕事を始めた頃、ヨーロッパはまさに激動の時代だったのです。第2次世界大戦、パリもその大きな戦争のあおりを受けます。フランス軍兵士たちの様子を取材していたカルティエ=ブレッソンも、実はドイツ軍の捕虜となり、3年間も拘束されていたのです。何度も脱走を企て、3回目でやっと成功!捕まる前、身の危険を感じたカルティエ=ブレッソンは、なんと農家に自分のカメラを埋めて隠したんだとか!!脱走後、彼は一番にそのカメラを掘りおこしに向かったそうです。
脱走後に、革命の様子や不安定なパリの情勢を撮影した写真は、もしかしたら、そのカメラで撮ったものなのかも・・・!?

ライカも展示してあります!!
 こういったニュース性のある写真はもちろんですが、今回の展示では、若者や恋人たちを被写体とし、思わず胸がキュンとしてしまうような作品や、自らの家族や自宅で撮影された晩年の作品なども多く展示されています。
前期の作品は、地方に赴いたカルティエ=ブレッソンが、現地の人々の中に溶けこんで撮影したものでしたが、今回は、カルティエ=ブレッソン自身が生活していたパリでの作品です。溶け込もうとしてのものではなく、まさにカルティエ=ブレッソン自身の日常そのもといえるのではないでしょうか?

写真集「逃げ去るイメージ」 さらにこの後期の展示では、カルティエ=ブレッソンが初めて手にしたライカと同年代のライカモデルや、初めて出版した写真集なども展示されています。
この写真集の名前は、「逃げ去るイメージ。英訳版では「決定的瞬間」と訳されています。しかし、決して衝撃的な写真や奇跡の瞬間をとらえたような写真が収められているわけではありません。
彼は、うつろう時の中の一瞬を切り取ることで、流れて行く時間そのものの変化を表現したかったのではないでしょうか。
そういう意味で、彼の写真は、この写真集に収められているものだけではなく、全てが逃げ去るイメージであるのだと言えるかもしれません。

 前期の写真展をご覧になった方も、後期の展示ではまた違った作品の見方が出来ますよ。この展示は本日午後5時まで。大阪芸術大学が所蔵する貴重なコレクションを、この機会にぜひご覧ください!

 また、大阪芸術大学博物館では、アンリ・カルティエ=ブレッソン自選コレクション作品集を販売しています!!本学に所蔵されている全411点が収録されています。この作品集に載せる順番も、カルティエ=ブレッソン自身が監修したというこだわりよう!!世界に4つしかないコレクションをぜひあなたのご自宅にも!!

大阪芸術大学でしか手に入りません!!是非お買い求めください!
アンリ・カルティエ=ブレッソン自選コレクション 作品集(2006年発行)
ソフトカバー:2,000円(1冊)
ハードカバー:10,000円(1冊)

郵送も可能です
詳しくはコチラ
http://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/museum/catalog.html


2010年12月14日

その目はとらえる 図書館所蔵品展「画家の眼差し ~写生帖」より

 

 写生と聞くと、子供の頃、真っ白なスケッチブックに校庭の木々や草花を無心になって描いた日のことを思い出しませんか。

狩野晴皐(? ~1867)筆  異国渡り禽鳥写生図 江戸時代後期
狩野晴皐(? ~1867)筆  異国渡り禽鳥写生図 江戸時代後期
 今回ご紹介する図書館所蔵品展「画家の眼差し ~写生帖」は、江戸時代中期から明治にかけて、狩野派の画家が中心となり人や動物、昆虫、植物など日常的に目に映るものを写生して描いた作品が綴られています。写生帖、それ自体を一堂に並べて鑑賞していただくのは初めてのこと。本展示を企画された本学教養課程の田中敏雄教授は、絵画制作の基となる「写生」に注目し、写生が近代美術史における絵画法として確立されたこと、そして、その後の広がりを紹介されています。

                                         
                                         奥村耕仙(生没不詳)筆 写生帖 明治27年(1894)
奥村耕仙(生没不詳)筆 写生帖 明治27年(1894)

 教授によると「写生は描く対象を熟視して迅速に、且つまた正確・精密に描写することを意味する。写生したものをもとにして本画を描く。我が国では絵画制作は写生をせずに粉本(手本)を臨模することによることが多かった。(略)」すなわち、手本を模倣した写生から、対象物を的確に捉え、生命のある写実を始め広めたのが圓山応挙であると解説されています。現代風に言い換えれば、応挙によってリアルをスケッチする写生法が日本絵画の世界に一大ムーブメントを引き起こしたと言うべきでしょうか。

                                              
                                                                                 
菊池契月(1879~1955)筆 武具図粉本帳交
菊池契月(1879~1955)筆 武具図粉本帳交

写生帖を見ていると、細かいディテールも妥協しない厳しい目と、いきものへの深い愛情をたたえた目が作品の向こうに見えてきます。
形式にとらわれず、ありのままの姿を描く写生。画家の目はその内奥にある本質に注がれていたように思われます。絵を観に来た人は、画家の眼差しが写しとった「美のかたち」に思わず惹きこまれていました。

たくさんの方にご覧頂くことが出来ました!

 教授がテーマに掲げた画家の眼差し、その先にあるものを思い描くことで、皆さんも日常のリアルを美のかたちに表現する糸口を探ってみて下さい。
同時に、子どもの頃のスケッチの時間を追体験しながら、写生帖を楽しんでもらえれば幸いです。

 

貴重な作品を見ることが出来る機会でした!

 本展示は終了しましたが、大阪芸術大学図書館では貴重資料の展示をはじめ、本学で学ぶ未来のアーティストの作品展を開催して、学生が制作し発表する場をつくっています。
コンセプトは”アートライブラリー”。学生たちに身近にアートを吸収して、新しい可能性や創造力をつけてもらうことをねらいとしています。
 今後も新しい大学図書館を展開していきますので、普段、図書館を利用するすべての利用者、更には芸術に興味のある高校生の皆さんも、本学図書館の情報発信にご注目ください。


「画家の眼差し ~ 写生帖」
 平成22年9月8日(水)~10月9日(土) *展示は終了しています。
図書館4階展示コーナー       

http://www.osaka-geidai.ac.jp/library/exhibition/100908_exhibition.html

 


2010年12月13日

芝生でグラビア!?

 皆さんこんにちは、ゲイブルちゃんです!寒い寒いと言いつつも、昼間太陽が顔をのぞかせている間はぽかぽかあったか。
芸大の芝生はお昼寝にピッタリ!芸ちゃん大ちゃんを連れてお散歩にでかけようかしら・・・なんて考えていたところ、何やらOUA-TV前の芝生で怪しげな行動をとっている学生を発見!!さっそくカメラ片手に取材取材・・・!!

バランスを取るのが大変…
 デザイン学科の学生たが実習の真っ最中でした!!デザイン学科なのにカメラ??と思ったのですが、デザイン学科にも写真を使った授業があるそう。今は、アートディレクターフォトグラファーモデルデザイナー、4つの役割に分かれてローテーションしながら学習しているそうです。撮影した写真で、最終的にポスターを作るという課題
たくさんのぬいぐるみを抱えて笑顔でにっこり!!なんのポスターかな?洋服?おかし?何かのイベント??

 

何十枚、何百枚と撮った中から最高の一枚を厳選します!!

 実は、なんのポスターにするかは決まっていないんだそう。商品や宣伝したいものからイメージを膨らませるのではなく、出来上がった写真やデザインを見て、何を宣伝するのか決めるんだそうです。さすがデザイン学科、デザインを中心に考えられている授業ですね!!
私ゲイブルは放送学科卒なんですが、放送学科の広告コースでは全く逆の授業でした!!同じ広告をつくる授業といっても、学科によってとらえ方や学習の仕方が全く異なるんですね!!おもしろい!!

 大阪芸術大学は、教室で座って講義を受けるだけではなく、このように外へ飛び出し、キャンパス全体を使って行う実習授業が多いのが特徴です!頭で考えるだけでなく、自ら動いて身体にたたき込む社会に通用する芸術人を目指して、芸大生たちは今日も奮闘中です!

 今回はデザイン学科の学生にいろいろと教えてもらったわけですが、私の学科にはこんな面白い授業がある!!という方、是非ぜひ、OUA-TVのゲイブルまで情報をお寄せ下さいね!!


2010年12月10日

芝生の手入れ

     

熊手でごりごりごりごり・・・・ 
 皆さんこんにちは、ゲイブルちゃんです。
芸大の木々もすっかり色付き、冷たい木枯らしに吹かれてその葉っぱもどんどん枝から落ちつつある今日この頃。特に芸バス乗り場のイチョウの木。鮮やかな黄色がとってもきれいだったんですが・・・ほとんど散ってしまいました。もう少し長く楽しめるとうれしいんですが・・・。
さて、芸大を彩る様々な木々や花々、いつもキレイに手入れされていますが、いったい誰がお世話をしてくれているのでしょうか??

こんなにたくさん集まりました・・・ 実は、田中造園のみなさん!!草花だけじゃなくて、芝生の手入も、さらには溝掃除まで行ってくれているんです!
今日は、OUA?TV前の芝生を手入れされていたので、さっそく取材に行ってきました!

 なにやら熊手のようなもので、かき集めています。芝生の上をごりごりごりごり・・・。
実は、枯れた芝をかき集めているんです!!とっても重労働・・・。一応機械もあるようなんですが、やっぱり人の手でやるのが一番確実なんだそう。機械と人の手と、並行して作業を進めています!!
そもそもなぜこんな作業を??
機械も使いますが、人の手にはかなわないのかな??
 ここの芝生は、学生たちがよく歩くので、本当は立っていなければならないはずの芝が、踏みしめられることによって寝てしまうんだそうです。それを起こしてあげるとともに、芝と芝との間に入り込んでしまった枯れた芝を取り除いてあげるんです。そうしないと、雑草やキノコが生える原因になってしまうそうです。って、ええぇ!?キノコって、芝生にとってはよくないものだったんですか!?・・・薄々は感づいていたけれど、あまりにも愛らしく可愛らしいので、見つけるとついつい愛でてしまって・・・。芸大キノコなんて勝手に命名し、ブログにまでアップし・・・。田中造園のみなさん、芝生の天敵、きのこにはしゃいですみません。次見つけたらこっそりと取り除いておきますね

 寒い中、ずっと外での作業本当にお疲れ様です。芸大の緑が美しく保たれているのは、田中造園さんのお仕事のおかげです、いつもありがとうございます!

 みなさんも芝生に雑草を見つけたら、こっそり抜いておいてあげて下さいね!

 


2010年12月9日

「Sampling Your Memory」ヤマガミユキヒロ展

  

静と動を異なった技法で表現しているんですね! 私が勤めるGallery PARCでは、様々なジャンルから注目のクリエーターを取り上げ紹介するプロジェクト【PARC_ Creator Support Project】をスタートしました。
 第1回目となる今回は、独特の視点と技法により「都会の風景」をモチーフにした作品などで注目を集める、京都在住の美術家・ヤマガミユキヒロを紹介します。
ヤマガミは、同一視点からの風景を絵画と映像により、ひとつのキャンバス上に再構成する独自の技法「キャンバスプロジェクション」による作品で、2008年には「岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞するなどの高い評価を得ています。今回は、「キャンバスプロジェクション」の新作であり、関西では未発表の作品《Sleep Walking》(2010)や、街灯の光や空をモチーフにした作品により構成しています。

とっても落ち着いた雰囲気です。
 ヤマガミの「キャンバスプロジェクション」作品は、都市の風景の中で動かないもの ― 例えば、道路、ビル、看板、街路樹、街灯 ―を油絵でパネルに描き、そこに動くもの ― 例えば、人、車、電飾、光 ―の映像を投影しています。絵画の中に時間軸を取り込んだ作品だと言われています。ですので、作品もそれなりの時間をかけて見てみてくださいね。

私は、彼の作品を見るまでは「この手法ははたして?」と思っていたのですが、聞くと見るとでは大違い。実際に作品を目の当たりにすると、立ち去り難いのです
26日まで開催していますので、是非遊びに来てください。

PARC_ Creator Support Project
「Sampling Your Memory」ヤマガミユキヒロ展
12月1日[水]~12月26日[日]
11:00~19:00(月曜休)

【お問合せ先】〒604-8082
京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48 三条ありもとビル
ル・グランマーブル カフェ クラッセ 2F
Tel・Fax:075-231-0706
http://www.grandmarble.com/parc/

投稿者:半羽優子
(芸術計画学科94卒(ギャラリー・パルク  アシスタントディレクター)