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天王寺にある障害者活動センター「四天王寺さんめい苑」では、大阪芸術大学の学生・卒業生による作品展示が行なわれています。それは、介護福祉士を目指している卒業生を通じて「四天王寺さんめい苑」さんから作品の展示をして欲しいという依頼を受けたことから始まりました。
「四天王寺さんめい苑」の佐々木施設長をはじめ、スタッフの皆さんは、非常に熱心な方々で、視覚に訴える空間作りを考えて欲しいとのことでした。 まずは、大学院芸術研究科博士課程(後期)芸術制作工芸(染織)領域の前川多仁さんの染織の作品です。2009年9月10日のブログにも掲載されている前川多仁さんですが、さんめい苑での展示の作品は、赤を基調としたろう染めの中に動物やロケット・飛行機、武器などが描かれています。おもちゃ箱をひっくり返したような、子供の頃の忘れかけていた気持ちや忘れたくない心を彷彿させる作品です。
『正義の惑星 / A planet of justice』 ろう染め・シルクスクリーン 2500×4000 mm
また、大学院芸術研究科博士課程(前期)芸術制作彫刻領域の日置智也さんの作品は、木の葉がアクリルケースの中で造形美を形成しています。葉の色は時と共に変化していくことでしょう。変わっていくものと変わらないもの、そして、確かなものと不確かなもの。日置智也さんの作品からは、自然との共存を感じます。 『MJ, 0606』 葉、アクリル H400 W280 D45 mm 2006年
そして、卒業生(大学院2009年3月修了)の北村章さんの作品は、昨年12月に図書館で行なわれた「展FINAL in 図書館」でも展示された「a sacred tree」と「河南町」の他、新作も展示されています。展示場所によって違う顔を見せるこの2作品をまた、是非「さんめい苑」でもご覧ください。 『a sacred tree』 mixed media 1800X1500 mm 2008年
『face』 木屑、絵の具 550×400 mm 2009年
もう一つの「face」は、布に墨と油と絵の具で描かれた6 mの大作です。特に瞳には、力を入れて描いたとのことです。少年の瞳に映るものは何なのか!?皆さんも是非、確かめに来てください。 『face』 墨、油、絵の具 200×6000 mm 2009年
9月12日からの 大阪芸術大学が贈る最高のステージ!!
“太陽の塔”からのメッセージとは・・・
エキシビジョン”シャンボリー” 天満のギャラリー&スタンディングバー"カンガローポーシェ"で31日(日)まで開催中の大阪芸術大学、短期大学部卒業生のグループ展『EXHIBITION JAMBOREE』に行って来ました。
![]() これは、短大部デザイン美術専攻科を2002年に修了した西本紀文さんがディレクションした企画展です。 専攻科同期の仁井世子さん、副手時代の同僚山本一まさん(短大部デザイン美術専攻科2004年3月修了)と山本朱さん(短大部デザイン美術学科2002年3月卒業)、そしてその時に学生だった池田高広さんと金石千恵さんに声を掛けて、年齢や分野も異なる6人が集まりました! 『house-c-09-3』池田高広さんは2004年3月に短大部デザイン美術学科を卒業後、大阪芸術大学美術学科版画コースに編入し、2007年3月に卒業後は、中学校や高校の非常勤講師をしながら創作活動を続けておられます。今回のような短大部時代のつながりもあり、大学時代にはまた仲間も増え、両方ともそれぞれに楽しく充実した学生生活だったとのことです。 池田さんは、お菓子等の食材をテーマに作品を制作されています。版画の上にココアや食紅を使って彩色したり、爪楊枝や竹串を使って線を引いたり、金粉がかかっていたりもします。中には、紫芋やラベンダーの香りがする作品もありました。池田高広さんのコメントの中には「おいしい料理は人をしあわせにします。食材の持つ温かさ・・・そして、おいしい版画をつくりたい。」という言葉がありました。作品をよく見ると、何層にも重なった深い味わいを感じます。確かにおいしい、そして癒される作品です。 西本紀文さんの作品『ダブルソーダ』(木・アクリル絵の具)は、二人で分けて食べようと割ったらこんな風になって、気まずくなっちゃった・・・そういうことって、あるある・・・という作品です(笑)学生の時からこういったあるある・・・シリーズ(私が勝手に名付けました)を制作していた西本紀文さんがディレクションの『EXHIBITION JAMBOREE』のサブタイトルが「ささやかな バカさわぎ。」なのも、とっても頷けたりします。ジェネレーションギャップを表した『ポケベルが鳴らなくて』やサラリーマンのおじさんが傘でゴルフの素振りをしている『闘う君の唄を闘わない奴等が笑うだろう』も面白いです。 だけど今回はそれだけではありません。ミクストメディア(色鉛筆、水彩、アクリル等)のとてもきれいな風景画もありました。『The catcher in the poppy』やっぱり、タイトルはパロディでした(笑)
ビジュアルデザイン専攻だった山本一まさんは、デザイン事務所で勤務する傍ら、撮り溜めた写真の中から今回7点を出品されています。金網が象徴的な『こっち、あっち』の3連作は、金網が境界線、壁になっていて、近付きたい、求めて行きたい対象(景色や花)に触ることができないという哀しい感情を表しているとのことです。一番上のサルは、逆にあっち側から、こっち側を眺めています。果たして、どんな気持ちでしょうか!? 色々な想像が膨らみます。視線がテーマの連作も興味深い作品になっています。 2007年3月にデザイン美術専攻科(絵画専攻)を修了された金石千恵さんは、学生のときからお皿の絵を描かれています。それは、広島から出て来て、なかなか馴染めずにホームシックだった金石さんが、一番つらかったのは食事のときだったとのことで、その実体験を象徴するお皿を描いているのだそうです。 学生のときは油彩で描いておられましたが、現在は婦人靴メーカーの企画室でお勤めされていますので、今回は自宅でも描きやすいアクリル絵の具を選択されたとのことです。初めて挑戦したアクリル絵の具は慣れるまで難しかったそうですが、『BITTER』(左)、『うたかた』(右)は、細かい描写も優れていて、素敵な作品に仕上がっていました。またこれをきっかけに描き続けて欲しいなと思いました。
陶芸専攻の山本朱さんは、うさぎの作品をずっと制作されているそうです。今回は『無題』ですが、それぞれユニークな「顔」のじっと眺めていても飽きない愛嬌のあるうさぎたちです。2月には、大阪芸術大学の卒業生5人も出品されていたギャラリー白での「陶芸の提案 2009」にも参加されていました。そこにもとても雰囲気のある表情豊かなうさぎがいました。陶ですが、陶には留まらない動きや質感を感じます。 ![]() 版画専攻だった仁井世子さんですが、今回はキャンバスにアクリル絵の具での『夜の向こう側』と『HANA』の連作です。夜行バスのカーテンの隙間からこぼれる光とその景色です。 仁井さんには、お会いできなくて残念でしたが、やはり、版画のテイストを感じる作品になっていました。またいつか版画作品も楽しみにしています。 10日(日)18:00からのオープニングパーティーには、入れ替わりでたくさんの卒業生や仲間たちが顔を出し、作家の皆さんと作品との素敵な空間を楽しんでいました。 31日(日)まで開催中ですので、ブログでは、紹介しきれないバリエーション豊富な作品を皆さんも是非、ご高覧ください。
グループ展 JAMBOREE
5月7日(木)〜5月31日(日)
12:00〜14:00/17:00〜20:00 土・祝休み
カンガローポーシェ
投稿者:図書館 「食博」最終日
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『house-c-09-3』





