2008年2月24日

ステージに舞い降りた星々?第23回卒業舞踊公演から

 卒業舞踊公演 
  卒業舞踊公演 
平成19年度 卒業制作作品

〈Pandora℃〉

指導:堀内充・加藤きよ子

振付:高田麻衣

美術:飯島慎一

〈a real instinct〉

振付:澤田由利香

美術:飯島慎一

 

〈Twinkle divertimento〉

振付:跡田結子・藤田麻衣

 

〈カルメン〉
音楽;ジョルジュ・ビゼー

再台本・振付・指導:堀内充

指導:下森瑞

美術:舞台美術コース3回生

 

〈一つ摘んでは、花いちもんめ〉
振付指導:加藤きよ子

 

〈ライモンダ〉『第3幕より祝典の場』
音楽:アレクサンドル・グラズノフ

原振付:マリウス・プティパ

改訂振付:堀内充

指導:金繁妙子・芦塚康子

 

〈パキータよりディベルティスマン〉
音楽:レオン・ミンクス

原振付:マリウス・プティパ

指導:金繁妙子・小西達子

あなたは古典(クラシック)派ですか?それとも「今」を表現する現代芸術(モダン)がお好きですか?

バレエと聞けば、「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」を思い浮かべる人は多いと思います。バレエの作品の中で、とりわけ人気の高いこれらの作品は、クラシックバレエの代表作ですが、バレエの領域を超えたコンテンポラリーダンスを皆さんはご存知でしょうか?

2月23日(土)大阪市天王寺区にある大阪国際交流センターにて、本学の舞台芸術学科舞踊コースをこの春卒業する学生達の舞踊公演が催されました。

舞台監督を務める本学舞台芸術学科准教授の堀内充先生のご挨拶にある通り、この公演は、バレエとコンテンポラリーダンスを生み出したモダンダンスの研究と脱領域表現の集大成です。

舞台芸術学科における新しい芸術表現を観ようと会場には大勢の観客がつめかけ、午後5時に開場されると、またたく間に満席となりました。

客席はバレエダンサーを夢みる子供達や若者達、中にはプロのダンサーらしき颯爽とした女性やおしゃれな紳士の姿も見られ、華やいだ雰囲気に包まれていました。やがて、ステージの幕が上がり、ダンサーたちの華麗な舞が披露されると、会場は一気に熱い感動に呑み込まれました。王子役のダンサーの切れのあるピルエット(旋回)で、大きな拍手が起こり、アラベスクの美しさに感動のため息が・・・・・。これぞ様式美の醍醐味!

一方、コンテンポラリーダンスは、現代に生きる人間の複雑に絡み合った感情や心の動きを変幻自在に表現し、新しい感動を呼び起こしていました。

そのひとつ、「Pandora℃」は音楽がピタっと止んだ瞬間の間のとり方や感情表現は、深遠で、ダンサーが時間を支配した一瞬とも言える、素晴らしい作品でした。

また、「一つ摘んでは、花いちもんめ」では、日本の死生観のようなものを感じ取った人は多かったのではないでしょうか。

写真でお伝えできないのが非常に残念ですが、そもそも舞台芸術、とりわけバレエをはじめとする舞踊は、一瞬の美の積み重ねであり、写真で切り取る事の出来ない芸術です。リアルに体感していただくのが一番だと思います。

人間の体がつくりだす動きやポーズを造形的に一番美しく見えるように追求していく舞踊の世界。そこに飛び込んで、日々、努力を積み重ねている舞台芸術学科の学生達は、夢に向かって今日もレッスンに励んでいます。公演を観てくれた子供達や若者達もまた、夢を継ぐ者として、次回の公演を楽しみにしてくれていることでしょう。

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2008年2月23日

虚実皮膜の間 ?その弐-

錦影絵

錦影絵

錦影絵

錦影絵

錦影絵

錦影絵

現在、大阪府立青少年会館プラネットステーションでは、現在「プラネットフェスティバル2008」として、錦影絵とループフィルムの上映を見ることができます。

アニメーションの原点ともいえる「錦影絵」の復元と新作の上演に関西で初めて取り組んできた芸術計画学科、錦影絵池田組。今回のイベントでは、「モノが動いて見える仕組み」を確認しながら日本の映像史の出発点を追体験することができます。

まず松本夏樹先生から幻灯機の解説がありました。現代でいうスライドプロジェクターのようなもの「マジックランタン」が日本に入ってきてそれを使っての映像表現が芸能として成立するまでの解説がありました。

いわゆる「活動写真」といわれる日本で始めての動画上映で使われたアニメーションをご紹介いただきました。わずか72コマで制作され、ループ上にしてエンドレスで映し出されるアニメーション。今の時代、何の驚きもない短いアニメーションですが、江戸時代の人々にとっては、モノが動いて見えるだけのことがただただ不思議で面白かったのだろうなと、現代人の感想をもってしました。
また授業で制作された72コマのエンドレスフィルムの学生作品が数本上映されました。

その後、池田光恵先生から錦影絵の解説がありました。『風呂』と呼ばれる木製の幻灯機に『種板』と呼ばれるいわゆる「スライド」を仕掛け、和紙のスクリーンに映し出す物語の世界、錦影絵
木製の『風呂』や『種板』には桐がもっとも適しているそうなのですが、桐は高価な木材なのでもう使わなくなった桐のタンス友人から譲り受けそれを解体し使える部分を使っての手作りなのだそうです。(そうめんの木箱なども使っているそうです。)

錦影絵は映像というよりお芝居に近い。台詞や効果音がライブで挿入され、キャラクターや背景がヴィジュアルとして写しだされ「活動」する。カットイン、カットアウト、フェードーン、フェードアウト、基本的な映像表現は『風呂』の操作と工夫によってすべて可能。驚くほど複雑なヴィジュアル表現が展開します。
「アナログでココまで表現できるものか。」和紙のスクリーンの裏では一体どんなことになっているのか?
錦影絵をはじめてみた感想です。江戸時代の人々も同じしくみでこの映像を作り楽しんできたのかと、「追体験」そのものを楽しんでしましました。

現代人の私が見てもスゴイっ!と思ってしまうエンターテインメントです。CGがどれだけ発達しても、このアナログな幻灯見世物が面白く感じることができることには何か理由があるはずです。きっと。映画、映像を学ぶ若い方々には、アナログのいいところ、デジタルのいいところを両方きちんと研究して学んでほしいなと思いました。アナログ万歳

虚実皮膜の間 –その弐
(にしきかげえ ふぃるむ の あわい)

2008
223日・24日 1700から
プラネットステーション(JR環状線森之宮駅下車)
4階プラネットホールにて ※入場無料

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2008年2月22日

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展

17日に終了した学内での卒業制作展。沢山の方にご来場いただき、ありがとうございました。
そんな感謝の気持ちもまださめない18日には、引き続き開催される学外展へ向けての搬出作業に追われる学部の先生や学生の姿が見受けられました。

今年度もサントリーミュージアム[天保山]で、「2007年度大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展」が開催されています。2月10日→17日までは、大学院芸術研究科(修了作品展)が開催され、2月21日→27日までは、本学芸術学部、短期大学部、大阪美術専門学校のグループ3校による卒業作品選抜展が開催されています。

…ということで行ってきました。地下鉄中央線「大阪港」駅下車、1番出口より歩くこと約5分。サントリーミュージアムの外壁には、賑々しく本学卒業・修了作品展の垂れ幕が下がっていました。ロビーには大きめの作品数点が、観に来てくださった方を誘導するかのように展示されています。そこからエレベータを使って5階へ。
5階には、短期大学部と大阪美術専門学校の作品がおもに展示されています。そして、順路に従って4階へ降りて行くと本学芸術学部の作品が展示されています。

短期大学部や大阪美術専門学校の作品は新鮮な気持ちで、本学芸術学部の作品も改めてじっくり鑑賞しました。会場が変わり展示の仕方やレイアウトが違うからでしょうか?学内で観た時とはまた違った印象を受けたり、新たな発見もあって楽しかったです。なんといってもこの会場での魅力は3校の作品を同時に鑑賞できることです。

もうそれぞれ3校の学内展を観た方も、残念ながら学内展をみ逃した方も、是非この機会にサントリーミュージアム[天保山]で開催中の大阪芸術大学グループ卒業・修了作品展をご覧ください。

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2008年2月17日

「人類滅亡まであと200年」展

人類滅亡まであと200年展人類滅亡まであと200年展
人類滅亡まであと200年展
人類滅亡まであと200年展
人類滅亡まであと200年展
人類滅亡まであと200年展

2007年11月13日のブログで紹介したスマイルデザイン研究会が現在大阪市中央区の平和紙業株式会社ペーパーボイスで「人類滅亡まであと200年展 知ってください 地球のこと」という展覧会を行っています。

人類滅亡という恐ろしいテーマなのですが、これは「皆さん現状を知って下さい。」という訴えのような気がしました。会場で頂いた説明文には「thinksacts」という表示があり、
thinks
の部分は会場内にディスプレイされたバナーに、
・2048年 石油枯渇
・2050年 水不足
・2100年 海面50cm上昇
・2108年 森林消滅
・2208年 人類滅亡
と書いてあり、その詳細についても表記されていました。
「200年後なのでどうせ自分は生きていないからいいやっ!」とか思っている人いませんか?
本当に考えさせられる内容でした。
200年後は今生きている私たちが作っていっているということをお忘れなく。

actsの部分は

スマイルデザイン研究会が制作した作品が展示されていました。以前ご紹介した「ちぎるくん」をはじめ様々な作品が並んでいました。
私が興味を持ったのは、eco caseです。エコバックを忘れずに毎日持ち歩くためのケースで小さくエコバックを収納するかわいい作品だなと感じました。これを持って買い物に行くのが何か楽しくなりそうな気がしました。

受付をしていた学生さんにお話しをお伺いすると「いろいろな現状を調べるのに大変であり、テーマがテーマなので暗くならないディスプレイにするのにも気を使った。」と話していました。また特に感心したことは、「この展覧会も環境に配慮しており、後にゴミがなるべく出ないように考えています」と言っていたことです。これは言ってもらわないと気付かないことですが、そこまで徹底して展覧会を行っているところにすごく熱意を感じました。

展覧会は2月21日(水) 9:00?17:00 (土日祝休み最終日は9:00?12:00)まで行われています。ぜひとも展覧会に行き、知ってください 地球のこと。

ひとつ目の画像は今回の展覧会のダイレクトメールです。迷路の答えはsmile design研究会のホームページで確認できます。
http://www.smilesmile.jp/

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2008年2月13日

芸術計画学科 学外選抜展

芸術計画学科 学外選抜展

芸術計画学科 学外選抜展

芸術計画学科 学外選抜展

芸術計画学科 学外選抜展

現在、学内で卒業制作が行われていますが、芸術計画学科では学内展と、それとは別に、学外選抜展が大阪市中央区の大阪府立現代美術センターにて216日(土)まで行われています。

さすが芸術計画学科だけあり作品も多種多様。
学長賞の「見る涙―パラフィンによる造形」をはじめとして、造形物・映像作品・インスタレーション・論文、びっくりしたのは、バイクの制作やスピーカーを制作している作品もありました。そして昨年度の「アートプロデュース・コンペティション」で芸術計画学科賞を受賞した「暗展」も縮小規模で行われていました。

リンク ⇒芸術計画学科学外展ホームページ

芸術計画学科は、言語・造形・音響・映像・情報の分野の学びがあり、芸術・文化の「仕掛け人」を養成することを目指していますが、まさにそれにふさわしくいろいろな芸術の仕掛けがしてあるなぁと感心しました。

この芸術の「仕掛け人」たちが社会に出た時に、どんな「仕掛け」を社会の中でしてくれるのかなと思うと楽しくなってきました。世間を驚かせる仕掛けを社会に投げかけてくれることを期待しています。

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