2015年10月7日

演奏学科声楽コース4年生による「お昼のコンサート」

10月2日(金)、3号館ホールで演奏学科声楽コース4年生による「お昼のコンサートが開催されました。
声楽コースでは、オペラ・ミュージカルなどで必要とされる歌唱演技をはじめ、国内外の様々な楽曲を研究し、自分自身の身体を楽器にして表現豊かな声楽家を目指します。

コンサートでは、オペラ「フィガロの結婚」より 伯爵のアリア「もう勝ちと決まっただと!ため息をついている間に」、オペラ「リナルド」より あるミレーナのアリア「私を泣かせてください」などのオペラの名曲の他、北原白秋や金子みすゞ作詞の日本童謡などが披露されました。
声楽のすごいところは、声だけでストレートに音楽を表現できるところ!
自らの身体を楽器として磨き上げ、一人ひとり異なった、その人にしか出せない”世界にたった一つの声”で演奏ができるのは、とても魅力的です。

また、マイクを使わずに肉声で歌い上げるにも関わらず、その歌声の響くことと言ったら…!!
急に出そうと思っても出る声量と音域ではありません。
日々の練習の積み重ねが伺えます。

この「お昼のコンサート」は、今週9日(金)と来週16日(金)にも開催されます。
オペラや声楽コンサートは、何かと敷居が高いと感じる方が多いかも知れません。
特別演奏会やオペラ公演に行くには、ちょっと構えてしまう…そんな学生さんは、ぜひお昼休みに声楽の世界を覗いてみてください!
聴かなきゃ損ですよ!!

投稿:島田(OUA-TV)


2015年10月6日

図書館所蔵品展「十九世紀末の街角を彩ったユーゲントシュティールの花『ユーゲント』」

9月13日(日)から、大阪芸術大学図書館で所蔵品展「十九世紀末の街角を彩ったユーゲントシュティールの花『ユーゲント』(芸術と生のためのミュンヘン絵入週刊誌)」が開かれました。

ミュンヘンの絵入週刊誌『ユーゲント』は、進取の気象に富む出版人ゲオルグ・ヒルトによって1896年に創刊されたもの。
その創刊号の巻頭に掲載された告知文では、ゲオルグたちの目指すものを次のように述べられています。

「この言葉(ユーゲント)の俗物的な意味合いでの綱領をわれわれは持ちあわせてはいない。
われわれが論評し挿絵を付けようとするのは、興味を引くもの、人々の心をとらえるもの、これらすべてである。
美しいもの、善良なもの、一種独特なもの、魅力的なもの、そして真に芸術的なもの、これらすべてをわれわれは掲載したい。
どのような公的な生活も、閉めだされないであろうし注目の的にされることもない。
場面と話題に応じて、高級な、より高級な、最高に高級な芸術、模様、装飾、流行、スポーツ、政治、音楽、文芸を、ときにはまじめに、またあるときにはユーモをまじえて、あるいは辛らつに伝えたい。
さらにすべてのグラフィック芸術が、<趣のある運筆>、厳格なスケッチ、戯画、写真が、動員されることになっている。」

このように『ユーゲント』誌は、扱うテーマがきわめて多様な雑誌です。
幅広い美術から流行の風習、スポーツ、政治、音楽や文芸など広く取り上げ、戯画を交えて大衆向けに編集されています。

週ごとに変化する表紙デザインには、当時の新進気鋭の芸術家・デザイナーたちが競うように協力しており、色鮮やかな装飾デザインは、街角の雑誌売場に彩りを添え、たちまち一大センセーションを引き起こしたそうです。

10月3日(土)までとしていた『ユーゲント』の展示ですが、好評につき、10月17日(土)までに会期が延長されました!
みなさんぜひご覧になってみてください。

そして次回展示は…
「Book of days」と題し、美術学科講師中川佳宣先生の版画作品集『Farmer’s pot : Oryza sativa L.』と中川佳宣先生の美術作品も併せて展示されます。

大阪芸術大学図書館所蔵品展
「Book of days」
10月23日(金)~11月13日(金)

◎10月24日(土)13:00~中川佳宣先生ご自身による作品解説・図書館ツアーを開催しますので、ぜひご参加ください。
集合場所は、図書館4階展示コーナーです。

投稿:島田(OUA-TV)


2015年9月16日

図書館所蔵品展「意匠文化の展開 ー琳派yearに因んでー」

7月19日(日)から8月11日(火)まで、大阪芸術大学図書館で所蔵品展「意匠文化の展開 ー琳派yearに因んでー」が開催されました。


これまでにもさまざまなテーマで貴重な所蔵品を展示している図書館ですが、今回の「琳派(リンパ)」…みなさんご存知でしょうか?
この流派は、江戸時代中期に活躍した画家で意匠家の尾形光琳の名に由来しています。
今年は光琳没後300年にあたり、さらに光琳の約100年前に活躍した琳派芸術の祖である俵屋宗達の存在もふまえると、琳派誕生から400年ということになります。
それらを記念して、今年は全国各地の美術館では琳派400年にちなんだ展覧会が開催されている琳派yearなのだそう!

琳派芸術の特徴として、優れた意匠性というのが一番に挙げられます。
意匠とは、美術工芸品や工業製品などの形・色・模様などを工夫すること、またその結果できた装飾・デザインのことを指します。
美観を起こさせる外観を有する物品の形状や模様・色彩のデザインの創作についての権利で「意匠権」というものがありますよね?その意匠です。

意匠性を継承する役割を果たしたものの一つに、作品を版刻して出版された版本があります。
今回の所蔵品展では、その版本と実際の作品の写真が並べて展示されていました。

その中の一つ、「光琳新撰百図」を特別にケースから出して見せてもらいました!


裏表紙には「荒井工房 田中氏」の墨書が見られ、本書が工房の参考書として近年の工人たちに利用されていたことがわかります。
琳派意匠はこのように、作品の実物ではなくその意匠を記した版本を使って多くの人に伝わっていったんですね。


図書館所蔵品展の良いところは、展示されている内容が気になったら、その場でテーマに合った本を読んだり借りたりできるところ!
今回も、琳派についての書籍が並べられていました。

現在は、「十九世紀末の街角を彩ったユーゲントシュティールの華 『ユーゲント』(芸術と生のためのミュンヘン絵入週刊誌」を開催中!
『ユーゲント』は、出版社ゲオルグ・ヒルトによって1896年に創刊されている週刊誌。
どのようなテーマを扱った雑誌なのか、芸術とはどのような関わりがあるのか…?
気になった方はぜひ、図書館4階に足を運んでみてください。

投稿:島田(OUA-TV)


2015年7月7日

図書館所蔵品展「草創期の探偵小説雑誌『宝石』とカストリ雑誌」

今日は7月7日…七夕ですね★
もともとは中国の行事であったものが奈良時代に伝わったとされているイベント。
天の川で隔たれている彦星と織姫が、七夕の夜だけは会うことを許されているという伝説です。
日本では、雨が降ると天の川の水位が増して織姫は彦星に会うことができない、という話をよく聞きますが、韓国では、彦星と織姫が1年ぶりの再会に涙するため、絶対に雨が降ると信じられているそうです。
同じイベントでも、国によって伝わり方や楽しみ方が違うんですね。

さて、大阪芸術大学図書館では、所蔵品展「草創期の探偵小説雑誌『宝石』とカストリ雑誌を開催中!


宝石』という雑誌…あまり聞き馴染みがないかも知れません。
これが、その創刊号。

1946年創刊の日本の推理小説雑誌で、1964年まで発行されました。
当時の推理小説界を代表する雑誌だったと言われています。

日本探偵小説の先達である小説家・推理作家の江戸川乱歩はその創刊に全面的に協力しており、創刊号の表紙内面には乱歩の写真が掲げられています!

また、みなさんが推理小説で思い浮かべる一番メジャーなキャラクターと言えば…シャーロック・ホームズですよね!
アーサー・コナン・ドイル作の推理小説の主人公・探偵のシャーロックも、この『宝石』の表紙を飾っていました。


その他、この雑誌では横溝正史海野十三などの有名な推理作家たちの作品が並んでいました。

「カストリ雑誌」とは、太平洋戦争集結直後の日本で、出版自由化を機に発行された大衆向けの娯楽雑誌をさします。
粗悪な用紙に印刷された安価な雑誌で、内容は安直で興味本位なものが多く、直接的に性風俗を取り扱っているのが特徴です。

『宝石』も、カストリ時代の大衆雑誌のひとつとして、無関係ではなかったそうです。
中には、扇情的な女性が横たわる挿絵や、裸体の女性が表紙になっているものも。


なお、終戦直後に輩出する探偵雑誌の出版活動は、『宝石』を除いていずれも短命だったそうです。
教養課程客員教授の藪亨先生は、「カストリ雑誌時代を乗り越えて総計251冊が発行された『宝石』は、カストリ雑誌の範疇を逸脱していると言える」と述べられています。

展示は、今月11日(土)まで。
雑誌の中身も図書館で読むことができるそうなので、気になる方は図書館を訪ねてみてくださいね。

投稿:島田(OUA-TV)


2015年7月2日

所蔵品展「戦後のグラフィック・ポスター」開催中!

現在、芸術情報センター展示ホールでは、大阪芸術大学所蔵品展 「戦後のグラフィック・ポスター」を開催中!!

「社会の鏡」とも呼ばれているポスター。
ポスターは、造形的に綺麗だとか面白いというだけでなく、制作された当時の社会情勢をうかがい知ることのできる資料でもあります。
今回の展示では、本学が所蔵している「欧米のポスター100・1945-1990」の中から、制作目的別にポスターを紹介しています。

入り口すぐのスペースには、『商業ポスター』が集められています。


商業ポスターは、企業や団体のメージを確立するために制作したものです。
多くの資金を使い、一流なアーティストにデザインを依頼しているケースが多いため、スタイリッシュで洗練されたものが多く見受けられました。

その奥には、『公共ポスター』が並んでいました。


こちらは、反戦、平和、人権問題などへの関心を高めるために制作されています。
その時代にどのような社会問題があったのかが、ひと目で分かりますね。
全体的に、ショッキングで強いイメージのものが多く、メッセージを明確に表現していることがうかがえます。

続いて、『文化ポスター』です。


演劇や映画、展覧会などの告知のためのポスターです。
こちらのポスターは、演劇や映画の作品内容を知っている方が、より楽しめるかも知れません。
実にバラエティに富んだ表現を見ることができます!

そして、『ポーランドポスター』。


冷戦時代に鉄のカーテンで仕切られた東欧の社会主義諸国では、芸術家たちは厳しい制約の中での活動を余儀なくされてきました。
そんな中、比較的自由な表現をすることができたのが、ポスターという分野だったそうです。
「欧米のポスター100・1945-1990」からの5点に加えて、本学所蔵のポーランドポスター15点、合わせて20枚のポスターが展示されています。

最後に…番外編で『大阪芸術大学のポスター』も展示しています!!


今年で創立70周年を迎える大阪芸術大学グループでは、その長い歴史の中で数えきれないほどのポスターを制作してきました。
なんと、第1回の卒業制作展のポスターを発見!!

10回、20回と重ねるごとに、学科が増え、大学が大きく成長していることもうかがい知れます。

所蔵品展のポスターは、毎回学生が制作しています。
今回は、デザイン学科3年生の太田美波さんが制作しました!
これまでにも、大学外でもポスターを制作する機会があったという太田さん。
今回は、展示されているポスター作品の中から、4枚の作品を配置して、グレーでトーンをそろえています。
上からグレーを重ねるという手法は今までの所蔵品展のポスターにあまり見ない形です。
これは、異なる4枚の作品の色味を統一するためと、上に表記する文字が目立つように工夫したそうです。
今回の所蔵品展を見て、ポスターの作り方については大変勉強になったと言います。
これからも、ポスターをはじめ公告デザインや、印刷についても学んでいきたいと話していました。

みなさんもぜひ、ポスターを通じていろんなことを感じ取ってみてください!!

所蔵品展 「戦後のグラフィック・ポスター」
会期 2015年6月29日(月)~ 7月11日(土)
開館時間 11:00 ~ 18:30
休館日 日曜日
会場 大阪芸術大学 展示ホール(芸術情報センター1階)

投稿:島田(OUA-TV)