2016年11月10日

ブレッソン「自選コレクション」展示替えしました!

とるにたりない些細なものが、写真では重要な主題になる。
ふとした人間味あるディテールがライトモチーフになり得る。
私たちは、私たちをとりまく世界を見つめ、それをある種の証として見せる。
フォルムが互いに織りなす有機的なリズムは、出来事の事件性をきっかけに生まれる。
アンリ・カルティエ=ブレッソン(『決定的瞬間』序文より)

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所蔵品展「時代をみつめる眼―アンリ・カルティエ=ブレッソン」―大阪芸術大学所蔵の「自選コレクション」全411点から、その魅力を読み解く― <後期>の展示がスタートしました!

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アンリ・カルティエ=ブレッソンについては、<前期>のブログ記事をご覧くださいね。

前期はブレッソンの出身地であるフランスから始まり、イタリア、スペイン、ポルトガルなどのヨーロッパ各国で撮影した作品が展示されましたが、後期の展示では、アジアやアメリカなどで撮影された写真と、ポートレート写真189点を紹介しています。

まずは、トルコ・イスラエル・エジプト・イラン・モロッコ

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インド・パキスタン・セイロン

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インドネシア

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中国・モンゴル

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日本

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アメリカ・カナダ

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メキシコ・キューバ

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そしてポートレート作品です。

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今回の展示でも、ブレッソンらしい表現がたくさん見受けられました。
人物の上に偶然重なった影がまるで模様のように効果的に撮影されていたり、建物の形と人影が絶妙なバランスで写真の中におさまっていたり…
絵画のような美しい構図の写真ばかり!!

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また、ポートレートのコーナーには、20世紀を代表する芸術家や文化人たちの姿が一同に集められており、ブレッソンが生きた20世紀という時代の豊かさと激しさが伝わってきます。

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顔の表現ほどはかなく、うつろいやすいものはないだろう。
そんな顔があたえる第一印象は往々にして正しい。
その後、互いに顔をあわせる機会が増えると、その人物のいくつものべつの表情を知ることになるが、
親密になればなるほど、内面の奥深くを表す表情を捉えることは難しくなる。
ポートレートにはどんなカメラ位置よりも、決定的瞬間と心理学が必要だ。
アンリ・カルティエ=ブレッソン(『決定的瞬間』序文より)

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みなさんもぜひ、ブレッソンがとらえた時代の表情をご覧ください!

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所蔵品展 「時代をみつめる眼―アンリ・カルティエ=ブレッソン」
―大阪芸術大学所蔵の「自選コレクション」全411点から、その魅力を読み解く―

後期:2016年11月9日(水)~11月19日(土)
開館時間 11:00 ~ 18:30
休館日 日曜日、祝日
会場 大阪芸術大学 展示ホール(芸術情報センター1階)

★ギャラリートーク 追加開催!
11月17日(木) 12:40~
講師:飯沢耕太郎(大阪芸術大学写真学科教授)
参加費無料。当日会場にお集まりください。

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年10月25日

こども芸大 キッズアートカレッジ開催!!

先週の土曜日、大阪芸術大学に大勢のこどもたちの姿が!
朝からキャンパスが大変賑やかになっていました!!

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この日開催されたのは、初等芸術教育学科主催のイベント「キッズアートカレッジ」。
2012年にスタートして今年で5年目を迎える、”初等芸の恒例行事”です。
幼稚園や小学校のこどもたちをキャンパスに招き、芸術活動や遊びなどを通じて互いにふれあい、創造する楽しさを体験するというもの。
これまでは、芸大附属幼稚園をはじめ、近隣の幼稚園・小学校からクラス単位で大学に招待していたのですが、今年は初の試みとして、富田林市河内長野市太子町河南町千早赤阪村にお住まいの小学生とその保護者を対象に、広く参加者を募集!
結果、定員を超える多数のご応募をいただき、この日は250名以上の小学生とその保護者の方々が大阪芸大にお越しになりました。

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学生たちは、こどもたち一人ひとりに丁寧に対応して会場を案内。

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芸術情報センターアートホールではオープニングが行われ、パイプオルガンが演奏されました。

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その後は、各講座に分かれてさまざまなアートを体験!!

こちらの教室では、お面づくりが行われました。

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絵の具で色を付けたり、ビーズやモールで装飾したり…こどもたちの豊かな発想でオリジナルお面が完成しました!

楽しそうにトランポリンを跳んでいる教室も!

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初等芸術教育学科では、野田燎先生による「音楽運動療法」という分野の勉強も行われており、これは音楽と運動を組み合わせることで、脳に障がいのある方の脳機能を回復させるという療法なんです。
また、みんなで一緒にダンスを踊ったりもしました♪

そして、「からだでアート」と題したプログラムでは、教室いっぱいに広げられた模造紙にお絵かき!

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筆やローラーだけでなく、自分の手のひらなども使って、自由にのびのびと教室を彩りました★

さらに、落語体験も!!

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初等芸術教育学科教授の三村昌義先生が前に座り、落語のお手本を見せながらポイントを伝えた後は、こどもたちも落語に挑戦!
可愛らしい落語家が誕生しました。

打楽器演奏会も行われました♪

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鑑賞後は楽器に触れる時間も設けられ、学生がこどもたちに楽器の扱い方を優しく教えていましたよ。

帰りには、大阪芸大のヒーロー「ゲイダイガー」によるお見送りのサプライズまで!!
すぐにこどもたちが集まり、ゲーダイガーと写真撮影をしたり握手したりして楽しんでいました。

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11号館エントランスに設置された「お絵かきピープル」も大人気。
自分の描いた絵がスクリーン内で動くことに興味津々の様子で、夕方までたくさんの人で賑わっていました。

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こうして実際にこどもとふれあう時間を大切にしているのが、初等芸術教育学科の特長のひとつです。
学生たちは、この日の経験を通して、こどもとの向き合い方をたくさん学べたのではないでしょうか。
また、こどもたちは大阪芸大で過ごした時間をきっかけに、将来アーティストをめざす人も出てくるかも知れませんね!
どちらの成長も楽しみです!!

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年10月7日

ブレッソン「自選コレクション」の全貌がわかる!

現在、大阪芸術大学芸術情報センター1階展示ホールでは、所蔵品展 「時代をみつめる眼―アンリ・カルティエ=ブレッソン」―大阪芸術大学所蔵の「自選コレクション」全411点から、その魅力を読み解く― を開催しています。

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アンリ・カルティエ=ブレッソンは、1908年にフランスで生まれ、愛用のカメラ”ライカ”を手に世界中を回ったカメラマンです。
1973年頃からは、写真ではなく絵画に専心するようになるのですが、その頃に自身の写真作品の集大成とも言える「自選コレクション」を作成しています。
大阪芸術大学には、1977年に教育資料として所蔵されました。
そして1978年、当時大阪・阿倍野にあった大阪芸術センターにおいて「カルティエ=ブレッソン展」を開催しコレクション全作品を展示。
テープカットには、ブレッソン本人も出席されたそうです!
当初は385点の作品で構成されていましたが、ブレッソン自身による若干の作品追加・差し替えがあり、1991年に現在の411点の構成になりました。
1991年に東京と大阪(本学内)で全411点による展覧会が開催されており、その後は2004年に3期に分けて全点を、2006年にサントリーミュージアム天保山で全点一挙紹介の展覧会を行ってきました。

2008年以降は、毎年テーマを変え、約80点ずつを展示して展覧会を行っています。
私も、ブログを担当してから毎年ブレッソン展を取材していますが、全作品を見たことはまだありませんでした。

今回は、10年ぶりに全411点の作品を見ることができる展覧会です!!
前期はヨーロッパの国を撮影した作品を中心に222点、後期はアジアやアメリカなどの写真とポートレート作品189点を展示します。

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さっそく会期初日に展示の様子を見てきました♪

まずは、ブレッソンの出身地であるフランスから始まり、

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イタリア

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スペイン・ポルトガル

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ドイツ

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スイス・オランダ

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ルーマニア・ユーゴスラヴィア・ハンガリー・ギリシア

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イギリス

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アイルランド

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ソ連と、

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各国を巡るように展示されています。
(※撮影当時の国名で記載しています。)

ブレッソンは元々画家を志していたこともあり、構図を重視して撮影された作品が特徴的です。
歩行者の人影を効果的にとらえた作品は、意図せず生まれた一瞬のイメージであるにも関わらず、まるで計算して人を配置したかのよう!

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また、フランス人らしいユーモアも作品に表れています。
背景の絵と手前の人物が、偶然同じような表情をしているのを面白おかしく撮影した作品などは、見ると思わずクスッとしてしまいます。

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みなさんもぜひ、前期・後期両方お越しいただき、ブレッソンのコレクションの全貌をご覧ください♪

所蔵品展 「時代をみつめる眼―アンリ・カルティエ=ブレッソン」
―大阪芸術大学所蔵の「自選コレクション」全411点から、その魅力を読み解く―

前期:2016年10月3日(月)~10月25日(火)
後期:2016年11月9日(水)~11月19日(土)
開館時間 11:00 ~ 18:30
休館日 日曜日、祝日、および10月15日(土)
会場 大阪芸術大学 展示ホール(芸術情報センター1階)

★ギャラリートーク
10月20日(木) 12:40~(30分程度)
講師:飯沢耕太郎(大阪芸術大学写真学科教授)
参加費無料。当日会場にお集まりください。

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年9月21日

図書館所蔵品展「横浜写真とその後」

台風16号の影響で、昨日は全日休講となりました。
大学の最寄駅まで来てから休講を知って引き返す学生も見かけましたが、台風接近中はむやみに外出すると危険ですので、「台風による休講処置」をしっかりチェックして対応してくださいね。
>>台風による休講処置はコチラ

さて、季節もすっかり秋らしくなってきましたね。
秋と言えばみなさんは何を思い浮かべますか?「食欲の秋」?「スポーツの秋」?
大阪芸術大学の学生なら、もちろん「芸術の秋」と回答しますよね!
ですが、「読書の秋」も忘れてはいけません。
大阪芸術大学図書館には、25万点以上の図書が所蔵されており、古今東西の多彩な芸術分野に関する専門書がそろっているんです。
また、書籍だけでなく、映像・録音・楽譜資料が約9万点あり、所蔵品を用いた企画展やイベントもたくさん開催されています。

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今日は、図書館4階展示コーナーで開催中の大阪芸術大学図書館所蔵品展「横浜写真とその後の模様をご紹介します!

「横浜写真」とは、幕末から明治にかけて日本最大の開港地となった横浜を中心に発達した商業写真のことです。
世界旅行が可能となった19世紀後半、欧米人にとって、日本も旅行先の対象となりました。
日本の名所、衣服、日常の生活などを撮影して一冊のアルバムにまとめた写真帖は、日本を訪れた外国旅客向けの土産物として人気を博したそうです。

今回の所蔵品展は、そんな横浜写真にスポットを当てた展示内容となっています。

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横浜写真の特長のひとつとして印象的だったのは、浮世絵師の彩色技術を取り込んだ独特の色彩美。

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「幕末なのに、カラー写真?この頃はまだカラー写真なんて実用化されていなかったと思うのだけど…?」なんて思って見ていたら、これは「手色彩写真(手色彩古写真)」と言って、1枚ずつ手作業で着色したものらしいです。
浮世絵師や日本画家たちによって、手作業だとは思えないほど丁寧に彩色されています。

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また、図書館2階閲覧室では、「マンガのチカラ 芸大発!人生のバイブルはこれだ!!展」も開催しています。
こちらの詳しい展示模様は、改めてこのブログで紹介する予定です。

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みなさんもぜひ、図書館にお立ち寄りいただき、本を取って「読書の秋」を、そして所蔵品展をご覧になって「芸術の秋」を楽しんでくださいね♪

大阪芸術大学図書館所蔵品展
「横浜写真とその後」
2016年9月11日(日)~10月8日(土)

「マンガのチカラ 芸大発!人生のバイブルはこれだ!!展」
2016年9月11日(日)~9月30日(金)

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年9月13日

「工芸学科 作品展」開催中!!

9月11日(日)から16日(金)まで、芸術情報センター展示ホールで「工芸学科 作品展」を開催中。
なんと、工芸学科4コース(金属工芸、陶芸、ガラス工芸、テキスタイル・染織)が初めて合同で行う作品展だそうです!

11日(日)のオープンキャンパスでも開催していましたので、すでにご覧になった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
私もさっそく見てきました♪

 

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会場には、工芸学科の教員、卒業生、大学院生たちの作品がずらりと並んでいます!!

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壁一面に飾られた色彩豊かな染織作品や、繊細でありながらも力強いガラス作品など、うっとり見とれてしまうものばかり。

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ここで、工芸学科各コースの学びを簡単にご紹介します。

IMG_0473金属工芸コースは、「鋳金」「鍛金」「彫金」の3つの技法を学び、さまざまな金属の特性についての知識を習得。
古くは弥生時代から始まったと言われている金属工芸の歴史を紐解きながら、まだ誰も見たことのないオリジナル作品を生み出す力を身につけていきます!

 

IMG_0483陶芸コースでは、自然のマテリアルを相手にゆっくり時間をかけながら、陶芸の技術と醍醐味を学びます。
自らの手で土に触れながら、自分らしい表現を身に付けていくコースです。

 

IMG_0476ガラス工芸コースは、ガラスという素材を用いた作品制作を通して、学生たちの人間性をも磨いていきます。
学内には電気炉やガラス溶解炉、コールドワーク室などといった設備が充実しており、自由な発想で作品を生み出す力を養います。

 

IMG_0481テキスタイル・染織コースでは、日本の伝統的な染織技術から、世界各国の技法まで幅広く学ぶことができます。
その中で自己表現を見出して、産業としてのテキスタイルだけでなく、布でできるアート表現を追求していくコースです!

 

工芸学科の魅力が詰まった展覧会に、みなさんもぜひお越しください♪

「工芸学科 作品展」
2016年9月11日(日)~16日(金)
11:00~17:00 ※11日のみ10:00~16:00
芸術情報センター展示ホール

投稿:島田(企画広報部事務室)