2015年9月16日

図書館所蔵品展「意匠文化の展開 ー琳派yearに因んでー」

7月19日(日)から8月11日(火)まで、大阪芸術大学図書館で所蔵品展「意匠文化の展開 ー琳派yearに因んでー」が開催されました。


これまでにもさまざまなテーマで貴重な所蔵品を展示している図書館ですが、今回の「琳派(リンパ)」…みなさんご存知でしょうか?
この流派は、江戸時代中期に活躍した画家で意匠家の尾形光琳の名に由来しています。
今年は光琳没後300年にあたり、さらに光琳の約100年前に活躍した琳派芸術の祖である俵屋宗達の存在もふまえると、琳派誕生から400年ということになります。
それらを記念して、今年は全国各地の美術館では琳派400年にちなんだ展覧会が開催されている琳派yearなのだそう!

琳派芸術の特徴として、優れた意匠性というのが一番に挙げられます。
意匠とは、美術工芸品や工業製品などの形・色・模様などを工夫すること、またその結果できた装飾・デザインのことを指します。
美観を起こさせる外観を有する物品の形状や模様・色彩のデザインの創作についての権利で「意匠権」というものがありますよね?その意匠です。

意匠性を継承する役割を果たしたものの一つに、作品を版刻して出版された版本があります。
今回の所蔵品展では、その版本と実際の作品の写真が並べて展示されていました。

その中の一つ、「光琳新撰百図」を特別にケースから出して見せてもらいました!


裏表紙には「荒井工房 田中氏」の墨書が見られ、本書が工房の参考書として近年の工人たちに利用されていたことがわかります。
琳派意匠はこのように、作品の実物ではなくその意匠を記した版本を使って多くの人に伝わっていったんですね。


図書館所蔵品展の良いところは、展示されている内容が気になったら、その場でテーマに合った本を読んだり借りたりできるところ!
今回も、琳派についての書籍が並べられていました。

現在は、「十九世紀末の街角を彩ったユーゲントシュティールの華 『ユーゲント』(芸術と生のためのミュンヘン絵入週刊誌」を開催中!
『ユーゲント』は、出版社ゲオルグ・ヒルトによって1896年に創刊されている週刊誌。
どのようなテーマを扱った雑誌なのか、芸術とはどのような関わりがあるのか…?
気になった方はぜひ、図書館4階に足を運んでみてください。

投稿:島田(OUA-TV)