2011年5月20日

宮高奈美 写真展 Wonder Drug   ニコンサロン bis大阪

宮高奈美さん(写真学科10年卒)4月28日から5月4日まで行われました。

作家コメントから

miyataka003.jpg 時代とともに過剰化していくファッションモードや身体行為。私はそれらを遊戯化することで、普段の日常感覚を変容させ、困惑の世界へと導こうと試みています。

 テーマは、現在の我々にとって衣装モードとは何か?ということへの問い掛けをきっかけに、現在という時代の特性を考えようとするものです。
 
 言うまでもないことですが、古くから衣装と人の生活は切り離せない関係にありました。はじめは肉体の保護機能ありましたが、やがて社会の制度として機能してきたと言ってよいのではないでしょうか。身分制度、職業、性別、年齢など社会的立場の違いを表すものとしての要素が大きく占めるようになってきました。

しかし、今や衣装モードは個性を外に発信する個人的な自己表現の割合が大きくなっているようです。そしてこの現象はこの過剰な消費時代にあって、ますます過激になってゆくように見受けられます。
私は特種な衣装と遊戯化したポーズのモデル撮影をすることで、現代の状況を表現したいと試みています。

miyataka001.jpg 宮高さんの写真作品は、ほぼ数枚の作品をカラフルに設えたフレームにより囲まれています。作家コメントでも特種な衣装とあったように、それはポップなデザインと色彩で構成されており、モード写真と類似しているようでもありました。しかし商品化目的のモード写真とは異なり、ポップな衣装でありながら写されたモデルの背景は日常的な場所でイメージが一致していません。背景には工事現場らしい場所、フェリー乗船場所、公園などが使われています。

miyataka002.jpg工事現場での撮影では、後ろを向いた女性が、積み上げた土の平行面に対しモデルは垂直に立つのではなく、体全体が傾いた不安定なポーズで撮影されています。同フレーム内の作品ではモデルが土管に上半身だけ入り滑稽なポーズで写されています。

 

miyataka004.jpgフェリー乗船場所を写した作品では、モデルは街路灯と同じ色彩の衣装を身につけ、出産まじかなお腹を披露しています。
 

 

miyataka000.jpg松の木の前で撮影された作品では、モデルはブリッチしその股間からは性器をイメージする松が写されています。彼女の言う遊戯化したポーズとは、その場所に無関係にある物に対しモデルの体がどのように絡むことができるか、それにより自己が支配しようとする身体のカタチから自己が規定できない身体のカタチへと、彼女はそのような身体を探求しているようです。  

 

今の彼女たちは自分以外の物たちに一生懸命自らを合わせていく作業を行っているのかも知れません。それが彼女たちの生きている感覚なのかも知れないと感じました。

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力芸術計画学科研究室
 

 


2011年5月19日

入江泰吉と水門会写真展  奈良市美術館

irie002.jpg 入江泰吉氏(1905年―1992年)は奈良の風景などの写真を撮り高い評価を受けた写真家で1960年浪速短期大学(現大阪芸術大学短期大学部)教授に就任しています。水門会は入江先生を 慕って集まった人たちにより生まれたもので、今回この展覧会が5月3日から8日まで行われました。井上博道氏、今駒清則氏、高畠節二氏、藤井宏氏、藤井博信氏など、元教授や現教授、卒業生が参加されていました。

 

irie001.jpg 入江泰吉氏は、奈良大和路の風景や風俗、仏像など数多くの作品を残されています。水門会の方々の作品にも、入江泰吉氏の教えが引継がれながらも、一人一人独自の世界観を作り出されておられるようでした。
 

  irie000.jpg入江氏は仏像の撮影時の対象を照らす灯り、その灯りの位置により多様な表情が生まれる仏像に畏怖の念を感じたということです。

irie003.jpg現在の美術館等では、一定の安定した光で作品を鑑賞するのが一般的ですが、それ以外に、自然光や揺らめく灯りによる作品の鑑賞体験も魅力的かも知れません。造形芸術の歴史では最初にラスコー壁が紹介されています。

irie004.jpg写真で記録されたその壁画は一
定の明るさで映し出されています。しかし壁画制作当時は、揺れ動く松明の灯りで壁画を体験していました。灯りが揺れ動くたび描かれた動物たちには生命が宿った様に感じたでしょう。
 

 

123000.jpg藤井博信さん(写真学科85卒)は現在奈良新聞編集部写真記者として活躍されています。
 

  学生の皆さんが奈良県内でアートイベントを行う場合是非連絡頂きたいとのことです。

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室
 


2011年5月18日

アーティストトーク  YOD Gallery

artist004.jpg美術館やギャラリー、野外アート展では,アートに関心や親しみを持って頂くため多様なイベントを関連企画として行なっています。アーティストによる講演や対談、近年ではワークショップや公開制作などがあります。今回、YOD Galleryのディレクター山中俊広さん(大学院芸術文化研究科01年修了)のアーティストトークの企画を紹介します。

artist000.jpg4月9日から5月7日までの期間行なわれている新野洋展の関連イベント、トークイベント「生態学から語る“いきもの”」が4月16日に行なわれました。今回のイベント企画の 魅力は、参加ゲストがアート関係者ではなく生物学の専門家が作品を語る事にありました。新野さんの作品を見て頂くと理解出来ると思いますが、精巧に作られた昆虫を基本にしてその上に植物イメージを合成させています。

artist001.jpg一見するとそのような昆虫もどこかで見たようなというデジャブ感覚に襲われますが、完全なオリジナル昆虫作品です。この創造された昆虫を生態学の視点から、ゲストである山中みのりさん(あくあぴあ芥川学芸員)が語るという試みです。生態学とは生物と環境の相互関係を研究する学問です。

 

artist002.jpg  トークショウでは、まず科学系の方らしく昆虫の定義から説明があり、作品がその範疇に入るところとそこから逸脱するところのお話がありました.新野さん自身は昆虫には大変詳しく、制作において本物の昆虫を丹念に観察しておられるようです。

artist003.jpg生態学からの視点では昆虫に混合された植物のデザインから、この創造された昆虫の環境生態のお話が展開されました。例えば、ひっつき虫のようなデザインがある昆虫は、人の衣服に引っかかりより遠くの場所に生存の可能性を求めている様子がみえる、というような内容です。

 私は、このトークショウにより昆虫作品に物語など背景が生まれたと感じました。とても興味あるトークショウで、参加者の中には理科系の方もおられたようです。

 

新野洋展「いきとし“いきもの”」
4月9日(土)から5月7日(土)日曜・月曜休廊 
11時から19時開廊
会場:YOD Gallery
大阪市北区西天満4-9-15
06-6364-0775
HYPERLINK   http://www.yodgallery.com/"http://www.yodgallery.com/

報告 加藤隆明 教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室

 


2011年5月12日

初夏の香り

shoka02.jpg

こんにちは、ゲイブロ君です!

先日、とても暖かかったのでキャンパス内を散歩してきました!
この日はとても空が青く、新緑とのコラボレーションが初夏!という感じでした!

空が綺麗な時は上を見上げて写真を撮るのがオススメです!

shoka01.jpg

体育館前の花壇、上から見るのもいいですが、下から見上げてみると太陽の光をいっぱいもらおうと、
空に向かって元気よく花を咲かせている様子が見れます!

shoka00.jpg

太陽の光で花びらが透けて見えてとっても綺麗な色でした。

shoka03.jpg

建物越しの写真も面白いです。8号館と9号館との間の通路から見る空。
ただ空だけでなく、まるで空に形が出来たみたいでとっても面白いです。
キャンパス内は高い建物が多いのでこういった写真を撮るのには最高です!

大阪芸術大学のキャンパス内にはもっとたくさん写真スポットがあります。
みなさんもお気に入りの写真スポットを探してみてはいかがでしょうか?
きっと素敵なアート写真が撮れると思いますよ!

今後も、おすすめ写真スポットを紹介していこうと思います!

 


2011年5月10日

一回にかける思い

spring002.jpgこんにちは!ゲイブロ君です。

先日、キャンパス内を散歩していると新文化クラブハウスで舞台公演が行われていました。
気になったので、本番前の舞台を見学してきました!

spring000.jpgクラブハウスに入ると、元気な声が響いていました。
ストレッチをしたり、シーンの練習をしたり、みんな真剣に本番に向けて準備をしていました。
 

spring001.jpgこの劇団は「S A COMPANY」と言う劇団で、舞台芸術学科の4年生、岡田匡平くん、塚本麻奈さんが主催するユニット。今回の舞台公演の為だけに結成されたとのこと。劇団員も2年生から4年生と学年に関係なく集まっているので、後輩は先輩を見て勉強でき、先輩も教えることで新しい発見ができるんだそうです。

岡田くん、塚本さんにインタビューしたところ、「お客さんよりも自分たちが楽しむことが大切。」「いろんな人にミュージカルに興味を持ってもらいたい」「見てくれる人に感動をあたえたい」といった熱い意気込みがこもったコメントをもらいました。

塚本さんは、ミュージカルの本場アメリカまで舞台を見に行き勉強したそうです。だからこそ、自分たちで公演したいと思い、今回この劇団を結成したのだとか。
アメリカまで見に行って勉強するなんてすごいですよね!

 

spring005.jpg本番の2週間前からは9号館前でゲリラパフォーマンスもしていたそうです。その成果もあって、去年の先輩たちが作った動員数197名を2日目で更新、4日間の合計動員数がなんと532名と言うもの凄い記録を作ったということです!これも、劇団員みんなが力を合わせた結果ですね。

 

 

spring003.jpgまたこの日はプロモーションビデオの撮影もするということだったので、その模様も見学してきました。
舞台のワンシーンで歌って踊ってとても楽しそうな場面、見ているこちらもつい踊りたくなりました。
みんな元気でダンスや歌にはとっても迫力がありました。こればかりは写真で伝えられないのが残念・・・。

 

今回の舞台が終わると解散してしまうのはなんか悲しいですね。
でも今回の舞台で終わりでなく、これがきっかけとなて新しい出会いや経験をしていけるのかもしれないですよね。
これからも、どんどん演劇やミュージカルの公演をしてほしいです。その時は、必ず見に行きます!
皆さんも、ぜひ舞台を見てパワーをもらいましょう!!