2011年4月11日

大阪芸術大学 入学式!

nyugakushiki02.jpg新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!!
大阪芸大での4年間、おもいっきり楽しんでくださいね!
大学生活は長いようであっという間に終わってしまうので、キャンパスライフを思う存分満喫して下さい!!

nyugakushiki01.jpg入学式は、学生たちによる雅楽の演奏から始まりました。
塚本学長の式辞では「自分を強く信じ続ければその夢は実現する。胸を張ってがんばってほしい」とエールが送られました。新入生の皆さん夢に向かってがんばってください!

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式の最後には大阪芸術大学応援歌「いま君は美しい」が披露されました。新入生は始めて聞いたと
思います。覚えやすい歌詞なのでぜひ覚えてみてください!!

nyugakushiki04.jpgその後の記念演奏会では、バイオリニストで音楽学科教授の川井郁子先生とバリトン歌手で演奏学科教授で学科長の三原剛先生も出演。川井先生はあの「音楽の殿堂」とも呼ばれているカーネギーホールでも演奏し、最近ではテレビやラジオにも多く出演されています。また、三原先生は、大阪芸術大学の卒業生でもあり、現在では国内外においてリサイタル活動やオペラ、オーケストラとの共演をされています。演奏会はそれはもうすばらしいの一言!!この演奏会で音楽に興味がなかった人も興味を持ってくれたはずです!雅楽や演奏会が入学式で行われるというのは芸大ならではじゃないでしょうか。

大阪芸術大学ではほかにもいろいろなイベントや舞台があるのでお楽しみに!!


2011年4月9日

持田総章 尼信博物館

mochida5.jpg 持田総章先生(元美術学科学科長)の絵画版画の展覧会が3月26日から4月24日まで尼信博物館で行なわれています。

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 展示作品は1960年代の銅版画から2011年の新作まで時間軸で展示してあり、初期の作品から現在まで人間の存在をテーマとされていることが感じられます。

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 銅版画からシルクスクリーン版画と移行しますが、その時代から平面を逸脱するようになります。一見色彩の重なりと思われるところには複数の作品が重ねられ、表面の重層化の意識が窺えます。現代アートにみられるマンガをモチーフとした絵画では、薄っぺらな表面に現代のリアリティーを感じている反面、この当時の時代的感覚として、表層の重複化に世界の本質を感じていたのではないでしょうか。

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 近年の作品LOCATIONシリーズでは、版画制作で使用していたフェルトを基底面とし、飛行機や人のイメージを焼付ける方法で制作されています。作品表面には「空気」と印されており、生存のため必要でありながらほぼ意識されない存在としてその空気があり、それは作家の理念と制作行為の双方と同調しています。

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 ここで考えたいのは過去の作品と現在の作品の関係です。持田先生の近年の作品は過去の作品の積み重ねにより生まれてきている事は理解できます。では観者がそれを見る視点とはそれだけの関係でしょうか。作品は無数のテクストを内包しており、私には、私とその作品とが結びあう独自なテクストが生まれてきているはずです。観者一人一人が異なる結び方をしているかもしれません。そしてそこには常に新しく生まれ変わる作品の姿があるように思えます。

 過去から連続する現在の作品群だけでなく、過去の作品も観者との固有の関係で、作品の表情や内容が現在に生まれ変わるはずです。学生の皆様の創作の触発になると思いますので是非御覧下さい。

尼崎信用金庫博物館 http://www.amashin.co.jp/kaikan/index_fr.html

 

報告 加藤隆明 教養課程講師
 


2011年4月8日

3人の版画展 大阪府立現代美術センター

 

 大阪府20世紀美術コレクション、 池田満寿夫、横尾忠則、李 禹煥(リ・ウーファン)の3人の版画展が4月4日から14日まで行なわれます。

blog01.jpg 今回のこの展覧会企画は非常勤学芸員高橋真理子(芸術計画学科06卒)さんです。展示準備の最中お邪魔させて頂きました。今回のこの企画にあたり、高橋さんは大阪府立現代美術センター所蔵の作品を使用し、今までとは異なる視点から展覧会コンセプトを組み上げてきたという事です。数ある収蔵作品の中から版画に注目し、作家に関してはほぼ同じ年代に活躍しながらも異なるアートワールドを作り上げた3人を選び、作品を一堂に集め鑑賞してみようと云う事でした。

<展示中の高橋さん>

blog04.jpg 池田満寿夫氏は、版画家や芥川賞作家、映画監督、陶芸家等一つの領域にとどまらない多彩な才能の作家でした。横尾忠則氏は、グラフィックデザイナーであり後に画家宣言をした作家です。李 禹煥氏は、日本の現代アート「もの派」の理論的指導者でありました。直島に個人美術館が出来る事でも話題になっています。

                           

                          <展示作業中>

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 この3人の異色の組み合わせで何を語らせるのか、これが企画の中心に置かれる要点だと思います。作品同士が新たなテクストを織りなせば、企画は成功だと思います。
 

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 版画でも、リトグラフ、シルクスクリーン、ドライポイントと技法が異なっており、作家の思想とそれを伝達する技法に関して注視する必要があると思います。是非学生の皆さんも足を運んで頂けたらと思います。
 
報告 加藤隆明 教養課程 講師
 
大阪府立現代美術センター http://www.osaka-art.jp/

 


2011年4月2日

児童画国際交流展

        

みなさんこんにちは、ゲイブルです!今日は投稿ブログを紹介します! 

パワフルな作品が並んでいます!
 「児童画の国際交流を進める画塾協会」の展覧会が3月19日から21日まで京都市美術館で行なわれました。子供たちの造形や絵画作品が総数1000点出品されており、かなり大規模の展覧会でした。
 作品は国内だけでなく、イギリスミャンマーなど海外の児童画も展示してあり、描き方や制作方法の違いなど興味深い企画構成になっていました。
 出品作品は児童画とはいえ、私が経験していた子供っぽさや素朴なものではなく、大人やアートを専門としている人でも見応えのある作品となっていました。

 イギリスの児童のブックアート作品では、ポップアートの発祥地らしくイギリス、アメリカのポップアーティストの肖像や作品が引用し制作されていたり、ミャンマーの児童画では銃を持つ兵士と住民が描かれていたりとそれぞれの国の独自性や悲しい状況などが表現されていました。日本の児童画や造形などもかなりの力量で制作されており、作品の完成度(児童画は適さないかもしれない言葉ですが)は非常に高かったと思います。その理由は、個々の制作を丁寧に仕上げている。その作品の展示方法が優れていることにあります。
多分、児童とされる年齢ではこれだけの作品や展示クオリティーを保つ事は出来ないと思います。やはり子供たちを指導する人たちの指導力によると思われました。

国によって作風が違うのも面白いですね!  子どもたちのパワーってすごい!!  将来が楽しみです!
    
 子供の絵と云っても幅が広く、描いているようで実は子供の破壊行動からの絵から、手首、腕などの身体的運動から生まれる絵、見えたものを再構成する絵、知っているものを描くなど、子供の成長の間に変化してきます。
芸術では絵画や造形を子供の様に制作するわけにはいきません。作り手はメディアの性質を自覚しないと作品として成立しません。この展覧会は児童画ではなくむしろアーティスト意識に近いと感じました

子供たちを見守る大人たちの存在も重要です!

 この展覧会の企画運営者の内二人の卒表生がおられました。アーティストの藤原卓也さん(85卒美術学科)こどもアート指導の小原(旧姓馬場)緑さん(96卒芸術計画学科)です。
 アーティストの藤原卓也さんは、今後、たけはら国際美術展に参加されます。小原緑さんは学生時代「マックス・エルンストからシュールレアリスムを解釈する」という研究論文とともに絵画制作を行なってきました。

報告 加藤隆明芸術計画学科講師
 


2011年4月1日

上須元徳展 RE:Assemble YOD Gallery

     

 みなさんこんにちは、ゲイブルです!今日は投稿ブログを紹介します!!

 上須さん(99年卒美術学科)の作品はモノクローム(単一の色彩)絵画です。描かれているイメージは、普段見慣れているだろう風景や建築構造物です。制作方法として明度の異なる灰色をドットのように集積し、イメージと背景を構成しています。

何を描いているのでしょう??本当にすべてドットなんでしょうか?!

 1970年後半日本の現代美術ではモノクローム絵画が流行しました。1つは抽象的に、もう1つは具象的に、です。この具象的にとはイメージがほぼ 記号で作られており、数字、矢印、国旗など概念的に厚みがないもの3次元ではないものが描かれていました。その時期のモノクローム絵画と大きく異なる要素 が上須さんの作品にはあります。前述しましたが、筆致がドット的様相を見せている事です。モノクローム絵画は同色で明度も彩度も一定のまま描かれていたか、同色を明度のグラデーションにより立体的に見せる方法でしたが、明度の異なるドットで層を成す方法はコンピュータグラフィックス、特に初期のコン ピュータの画面に現れていたものだと思います。そのような事からも、上須さんのモノクローム絵画は今までの作品と大きく異なることだと思います。またその 視点から捉えると、コンピュータグラフィックス制作にみられるレイヤー技法でのイメージを画面正面から見ると、層の集積として画面が構築して いますが、実は その層の一部だけ取り出し作り直しが可能な事により、層となっているものの結びつきは無関係である事が分かります。これは無関係の層の集合体でありその感覚が絵画作品に無数の透明な空間膜を感じさせてしまうのではないでしょうか。色彩の明るさの違いで手前に見えたり奥に見えたりと、同一平面上でも、立体 感を感ずる事が出来る事があります。その事が作品鑑賞に大きく関わっているように思えます。

まるで写真のようですね! 美しいグラデーションです! 単一色なので、イメージが膨らみます! 
 
 画面構成としては写真のフレームを彷彿させるようなイメージであり、客観的科学的視座によってイメージを捉えている事もこの奇妙な絵画空間を育んでいる要素であると思います。

報告 加藤隆明 芸術計画学科講師