2008年9月15日

推薦入試直前対策相談会inほたるまちキャンパス

今年度、最後のキャンパス見学会が終了しました。
今日は朝から雲の多いお天気で、終了近くになって少し雨がパラついたのが残念でしたが、参加いただいた皆さんは、充実した一日を過ごされたでしょうか?

ところで、今回都合でキャンパス見学会の個別相談会等へ参加できなかった受験生の皆さんもいらっしゃたかと思うのですが、そんな皆さんに朗報です。

今年7月、大阪の新拠点“ほたるまち”にオープンしたサテライトキャンパス「大阪芸術大学ほたるまちキャンパス」については、以前ブログでも少し触れたことがありました。
ほたるまちキャンパス
7月以降、本学博物館所蔵品展や国際招待ポスタートリエンナーレ受賞作品展などの展覧会が次々と開催されています。
ほたるまちキャンパス
リバーサイドに位置するという水の都・大阪にふさわしいロケーションに加え、交通アクセスが非常に良いこの都心型キャンパス「大阪芸術大学ほたるまちキャンパス」にて『推薦入試直前対策相談会』を開催します。
ほたるまちキャンパス
当日は、各学科の教員が参加の予定ですので、これまでに制作した作品などを持参すれば、作品の講評もしてもらえます。入試に関することは、もちろんですが、学科の内容や大学4年間の学び方など、今気になっていることが少しでもあれば是非この機会に解決して、入試に挑んでください。
もちろん、受験生だけでなく、高校生や保護者の方もご参加いただけます。
推薦入試直前対策相談会
開催日時: 2008年10月5日(日) 13:00?16:00
開催場所: 大阪芸術大学 ほたるまちキャンパス
         〒533?0003 大阪市福島区福島1?1?12 
                      堂島リバーフォーラム 3F

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2008年9月7日

永田明日香 えほん展

大阪・天満橋にあるギャラリー、CENTENNIAL「センティニアル」に行ってきました。
このギャラリーは大手通沿いに3つある同じ系列のギャラリーのうちの一つで、東から「MANIFESTO GALLERY」、「The 14th. MOON」、駅から一番離れているのが「GALERIE CENTINNIAL」。「センティニアル」は通りに面した部分が足元から天井まで大きな一枚ガラスなので、とても明るいお洒落なギャラリーです。
永田明日香 絵本 nagata ながた asuka あすか ehon
このギャラリーで910日まで行われているのが「永田明日香 えほん展」。永田さんは本学・短期大学部のご出身で、大阪芸術大学に編入学されました。大学卒業後、現在はデザイン学科で非常勤副手として勤務されています。
永田明日香 絵本 nagata ながた asuka あすか ehon
今回、会場にはDMにも使われている「ノアの箱舟」のお話と「おむすびころりん」、「ウサギどん キツネどん」などの絵本用のイラストレーション14点と永田さんがご自身で製本した絵本が数点展示されています。
永田明日香 絵本 nagata ながた asuka あすか ehon
永田さんのイラストレーションは独特の渋い茶系を使った優しい優しい色彩と、描かれる動物達がどれもちゃんと擬人化されて見えることだと思います。そして西洋の文字がよく合うような画風です。ご自身も以前まで西洋の絵本を意識されていたようですが、昨年ぐらいから日本の絵本にも興味が湧いてきて「おむすびころりん」のお話で制作してみたのだそうです。
永田明日香 絵本 nagata ながた asuka あすか ehon
永田さんの大学での卒業制作「パンの本」という絵本は研究室賞を受賞されました。この永田さんの画風は短大での卒業制作の時には既に生まれていたのだそうです。カラーインクを水で薄めて描いていくそうです。「ノアの箱舟」の作品には油絵の技法も一部使ってパッチワークのような表現も取り入れて制作されています。

自分には到底真似することはできないのですが、作品を見れば見るほどうやって描かれたものなのか興味がわきます。「おむずびころりん」の作品(2つ上の写真)の中では、湯呑みからこぼれたお茶の水面に反射するネズミのシッポ、「ウサギどん キツネどん」(1つ上の写真)ではウサギが覗き込む器に映る顔など、細かいところまで本当に丁寧に描写されていて感心するばかりでした。

永田明日香 絵本 nagata ながた asuka あすか ehon
在廊されていた永田さんに今回の展覧会のこぼれ話を教えてもらいました。
もともと会場に展示する全ての作品を「くま」で制作しようと思って、「くま」の作品をたくさん描かれたそうです。
「たくさん描きすぎて、飽きてきちゃって・・・」
そうして「くま」さんでの個展は実現しなかったとさ。(昔話風)
永田明日香 絵本 nagata ながた asuka あすか ehon
でも1点だけギャラリーの入り口には永田さんの名刺にも印刷されているお気に入りの「くま」作品が展示されています。永田さん、いろいろお話ありがとうございました。

●永田明日香 作品展
2008
92日(火)→910日(水) ※97日休廊
13
001900 ※最終日1700まで
ギャラリー センティニアル にて
http://www.14thmoon.com/

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2008年9月6日

田村正樹 展

93日から始まっている「田村正樹 展」に行ってきました。
田村さんは本学の卒業生で、大学院修了後、本学の“藝術研究所”の助手として勤務されていた時もありました。大阪での個展は4年ぶり。しばらくお会いしていなかったので、ご本人には個展に行くことは事前に伝えず「サプライズの再会」を企てたつもりが、個展に顔を出す情報はどこからか田村さんの耳に入っていたようです。待ち構えられていた感じは、こっちの方がサプライズでした。
>>>田村正樹ホームページ
現在、長尾谷高等学校と大阪市立南高等学校で非常勤講師をされており、初日には生徒さんや関係者の方がたくさん詰めかけ賑わったそうです。今回行ったのは「楓ギャラリー」。
楓ギャラリー 谷町6丁目 ギャラリー 武家屋敷
武家屋敷の建物の門をくぐり、丁寧に手入れされたお庭を右手に数段の石の階段を下ります。作品を見る前に気持ちが清々しくなります。ホントに素敵なギャラリーです。
田村正樹 辻司 胡粉 和紙 ROOTS
今回、大小合わせ14点の作品が展示されています。その中でも「Genesis」という一番新しい作品は圧巻です。高さ194cm×幅521cm。圧倒的な存在感です。写真を撮影させてもらう際「じゃぁ、私がタバコ代わりにっ!」と田村さんが作品の傍に立ってくれました(スイマセン、やっぱりフレームに収まりきりませんでした)。
田村正樹 辻司 胡粉 和紙 Genesis
これまでは淡い色の陶芸作品を思わせるような「癒し系」の作品が多かったのですが、一転して何か強いものが伝わってくる作品です。この作品は夏の炎天下の中、熱中症にならぬよう時には頭から水をかぶりながら制作されたのだそうです。キャンバスを何度も立てたりねかせたりしながら描き重ねたのだとか。一人で大変な作業だったと思います。そこまでしてこの作品を仕上げるためには、きっと大きな衝動が田村さんの中にあったのだと思い、お話を聞いてみました。
田村正樹 辻司 胡粉 和紙
最近は「時間」とか「輪廻」などをテーマに作品を作られているそうで、廻る時間の中で再び生まれてくるときの力のようなものを表現していこうとされているそうです。「胎動」という言葉が当てはまるようで、混沌とした中にも
他からの圧力に屈せず蓄えられていくエネルギーのような思いを今回の作品にも込められたそうです。
「キレイとか、美しいとか醜いとか、明るいとか暗いとか、そんな価値観を超えたものを表現したくて」と、私がこの言葉を聞いたときの田村さんは、自分の内側にある「衝動」を言葉で表現するために少し早い口調になりました。セリフのように用意されていた言葉ではなかったことがわかり「本物感」が伝わってきました。
田村正樹 辻司 胡粉 和紙 田村正樹 辻司 胡粉 和紙
田村さんの作品は胡粉(日本画で使われる白の顔料)にアクリル絵具を混ぜて描かれます。最大の特徴はそれに加えて和紙を使った表現です。絵具として使う和紙の効果は多彩で、重層することで絵具の表情に変化が生まれます。胡粉の混ぜ方で表面の素材感が変わったり、絵具の落とし方、乾燥のスピード、和紙の透け具合などによって、小さな作品でも部分部分は様々な表情です。この方法は大学在学中に、辻司先生のアドバイスを受けながら確立してこられたものでこれまで一貫してこの方法で作品を作られてきたそうです。

私は抽象画を見るのが得意ではありません。得意とか苦手だとかそういう言うものではないのかもしれませんが、毎回なんとなく挑戦するような構えをしてしまします。「何も感じなかったらどうしよう」と、そんな思いも少しあり。一方で「自分が感じたことが全てで、それでいい」って思うことがあったり。でも完全ではなくても少し作家の思い近づけたかな、って思えるときのちょっとした安心感も自分には心地良かったり・・・。今回もその安心感がありました。
うん、それでいい、それでいい・・・。

●田村正樹 展
2008年9月3日(水)→9月14日(日) 月曜休廊
12:00→19:00 ※最終日17:00まで
楓ギャラりーにて

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2008年9月5日

写真展「脳内展開図」

現在、谷町6丁目のギャラリー風雅にて大阪芸術大学4年生たち11人の写真展が開催されています。(実は明日までなのです。)
写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅
この写真展「脳内展開図」のDMのロゴにはオドロオドロしいフォントが使われていて、「大阪芸術大学の妄想好き11人 妄想を写真に….学生生活の集大成への挑戦!!」のコピー。一体どんな写真展なのかと、おそるおそる行って見ました。
写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅
全く怖がることはありませんでした。
住宅地の少し奥まったところにあるギャラリーですが、玄関が明るく、坪庭などがある素敵なギャラリーです。

会場には写真学科の4回生を中心とした作品が展示されていますが、なんと音楽学科や舞台芸術学科の方も写真作品を発表していました。会場にいらっしゃった溝口香奈さん、新名さや子さんに「見所は?」と尋ねてみました。みんなそれぞれに違う作風であること、個性的に思い思いに制作した作品だってこと(が見所)かなぁ、とのこと。なるほど、写真学科だけれども立体造形の作品を展示している方もいて、自分の表現したいものを表現したいようにというコンセプトのようです。授業では作ることのない作品で表現してみたかったと、溝口さんはおっしゃっていました。
写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅
会場正面に展示してある新名さや子さんの組写真がインパクトがあり男子としては気になってしまうのですが、見入ってしまったのが上田真梨子さんの幻想的なCG合成の作品でした。

写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅 
おいらんのイメージは映画「さくらん」に影響をうけたのか?色彩も少し写真家蜷川実花を思い出します。ファンタジックな構成は紀利谷和明の作品のような印象も受けます。縦長、横長のキャンバスにこだわって表現された上田さんの妄想。この作品性が面白かったです。
写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅 上田真梨子 
この写真展のコンセプト「妄想を写真に」という狙いがよく表現された作品でした。

●写真展「脳内展開図」
 BLOG:http://ameblo.jp/nounaimousou11/
 2008.9.1(mon)→9.6(sat

12:0019:00(最終日は12:0017:00

大阪市中央区上本町西 ギャラリー風雅にて

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2008年8月24日

hold + ordinary

デザイン学科3年生の2人による作品展に行ってきました。
会場は大阪・西心斎橋、ギャラリーパライソ
hold ordinary hordinary
展覧会のタイトルは、カタカナで読みすると「ホーディナリィ」。お二人が考えた造語なのだそうです。今回の作品展のコンセプトを表すための、作品を楽しむための鍵になる言葉です。
hold ordinary hordinary
hold(持つ、握る、掴む) *ordinary(普通の、普段の) 
hold ordinary hordinary 「 l 」と「 r 」が重なっている文字がポイントです。
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「私たちが日頃見たり感じたりしている何気ないモノや出来事を
形にして自分たちの中にとどめておきたい。」
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平井沙季さんの作品の中で一番印象に残ったのはやはりフラミンゴをモチーフにしたものです。会場の中央に展示されています。
hold ordinary hordinary
左が「Aone Flamingo」、右が「Real flame」という作品。フラミンゴは鳥類では珍しく4年間も子供を大切に育てるのだそうです。また「Flamingo」はラテン語で「炎」という意味を持つそうです。この「フラミンゴ」から連想される「愛情」や「暖かさ」がご自身のお母様の存在とリンクしたそうで、どちらの作品もお母様をイメージして制作されたのだそうです。

樋口朋美さんの作品の真骨頂は、細密に描かれた鳥や魚や昆虫などの小動物を作品の中に含んでいるところです。例えば「Allure」という作品では「魅惑」という言葉を樋口さんのイメージで展開し、横から見た四つん這いの女性の周りに蝶が描かれています。
hold ordinary hordinary
他にも「随波逐流」(自分に主義・主張がないこと)という言葉を表現した作品(写真右)にはリアルなアロワナが、「花鳥風月」の言葉の美しさを表現した作品(写真左)には羽ばたく鳥が描かれています。

会場には楽しい作品や、かっこいい作品、色っぽい作品など二人の合作も含め10数点が展示されています。
お話を聞いて一番驚いたのはその表現の多彩さです。染織の作品に見えるような色彩の作品もあれば、ポスターカラーを使ったように思える作品もあります。でも、どの作品もすべて色鉛筆のみで制作されているそうなのです。
hold ordinary hordinary
会場にいらっしゃったお二人はとても仲がよさそうでした。名前も近いので学生番号も並びなんだそうです。今回の展覧会のシンボルも「平井」「樋口」の「ひ」からとった「h」なのだそうです。会場にはこの「h」をつかった立体作品も展示されていました。
hold ordinary hordinary

hordinary(ホーディナリィ)
 
819日(火)?24日(日)
  12:00
?20:00(最終日は、17:00まで)
  ギャラリーパライソにて

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