2008年9月6日

田村正樹 展

93日から始まっている「田村正樹 展」に行ってきました。
田村さんは本学の卒業生で、大学院修了後、本学の“藝術研究所”の助手として勤務されていた時もありました。大阪での個展は4年ぶり。しばらくお会いしていなかったので、ご本人には個展に行くことは事前に伝えず「サプライズの再会」を企てたつもりが、個展に顔を出す情報はどこからか田村さんの耳に入っていたようです。待ち構えられていた感じは、こっちの方がサプライズでした。
>>>田村正樹ホームページ
現在、長尾谷高等学校と大阪市立南高等学校で非常勤講師をされており、初日には生徒さんや関係者の方がたくさん詰めかけ賑わったそうです。今回行ったのは「楓ギャラリー」。
楓ギャラリー 谷町6丁目 ギャラリー 武家屋敷
武家屋敷の建物の門をくぐり、丁寧に手入れされたお庭を右手に数段の石の階段を下ります。作品を見る前に気持ちが清々しくなります。ホントに素敵なギャラリーです。
田村正樹 辻司 胡粉 和紙 ROOTS
今回、大小合わせ14点の作品が展示されています。その中でも「Genesis」という一番新しい作品は圧巻です。高さ194cm×幅521cm。圧倒的な存在感です。写真を撮影させてもらう際「じゃぁ、私がタバコ代わりにっ!」と田村さんが作品の傍に立ってくれました(スイマセン、やっぱりフレームに収まりきりませんでした)。
田村正樹 辻司 胡粉 和紙 Genesis
これまでは淡い色の陶芸作品を思わせるような「癒し系」の作品が多かったのですが、一転して何か強いものが伝わってくる作品です。この作品は夏の炎天下の中、熱中症にならぬよう時には頭から水をかぶりながら制作されたのだそうです。キャンバスを何度も立てたりねかせたりしながら描き重ねたのだとか。一人で大変な作業だったと思います。そこまでしてこの作品を仕上げるためには、きっと大きな衝動が田村さんの中にあったのだと思い、お話を聞いてみました。
田村正樹 辻司 胡粉 和紙
最近は「時間」とか「輪廻」などをテーマに作品を作られているそうで、廻る時間の中で再び生まれてくるときの力のようなものを表現していこうとされているそうです。「胎動」という言葉が当てはまるようで、混沌とした中にも
他からの圧力に屈せず蓄えられていくエネルギーのような思いを今回の作品にも込められたそうです。
「キレイとか、美しいとか醜いとか、明るいとか暗いとか、そんな価値観を超えたものを表現したくて」と、私がこの言葉を聞いたときの田村さんは、自分の内側にある「衝動」を言葉で表現するために少し早い口調になりました。セリフのように用意されていた言葉ではなかったことがわかり「本物感」が伝わってきました。
田村正樹 辻司 胡粉 和紙 田村正樹 辻司 胡粉 和紙
田村さんの作品は胡粉(日本画で使われる白の顔料)にアクリル絵具を混ぜて描かれます。最大の特徴はそれに加えて和紙を使った表現です。絵具として使う和紙の効果は多彩で、重層することで絵具の表情に変化が生まれます。胡粉の混ぜ方で表面の素材感が変わったり、絵具の落とし方、乾燥のスピード、和紙の透け具合などによって、小さな作品でも部分部分は様々な表情です。この方法は大学在学中に、辻司先生のアドバイスを受けながら確立してこられたものでこれまで一貫してこの方法で作品を作られてきたそうです。

私は抽象画を見るのが得意ではありません。得意とか苦手だとかそういう言うものではないのかもしれませんが、毎回なんとなく挑戦するような構えをしてしまします。「何も感じなかったらどうしよう」と、そんな思いも少しあり。一方で「自分が感じたことが全てで、それでいい」って思うことがあったり。でも完全ではなくても少し作家の思い近づけたかな、って思えるときのちょっとした安心感も自分には心地良かったり・・・。今回もその安心感がありました。
うん、それでいい、それでいい・・・。

●田村正樹 展
2008年9月3日(水)→9月14日(日) 月曜休廊
12:00→19:00 ※最終日17:00まで
楓ギャラりーにて

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2008年9月5日

写真展「脳内展開図」

現在、谷町6丁目のギャラリー風雅にて大阪芸術大学4年生たち11人の写真展が開催されています。(実は明日までなのです。)
写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅
この写真展「脳内展開図」のDMのロゴにはオドロオドロしいフォントが使われていて、「大阪芸術大学の妄想好き11人 妄想を写真に….学生生活の集大成への挑戦!!」のコピー。一体どんな写真展なのかと、おそるおそる行って見ました。
写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅
全く怖がることはありませんでした。
住宅地の少し奥まったところにあるギャラリーですが、玄関が明るく、坪庭などがある素敵なギャラリーです。

会場には写真学科の4回生を中心とした作品が展示されていますが、なんと音楽学科や舞台芸術学科の方も写真作品を発表していました。会場にいらっしゃった溝口香奈さん、新名さや子さんに「見所は?」と尋ねてみました。みんなそれぞれに違う作風であること、個性的に思い思いに制作した作品だってこと(が見所)かなぁ、とのこと。なるほど、写真学科だけれども立体造形の作品を展示している方もいて、自分の表現したいものを表現したいようにというコンセプトのようです。授業では作ることのない作品で表現してみたかったと、溝口さんはおっしゃっていました。
写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅
会場正面に展示してある新名さや子さんの組写真がインパクトがあり男子としては気になってしまうのですが、見入ってしまったのが上田真梨子さんの幻想的なCG合成の作品でした。

写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅 
おいらんのイメージは映画「さくらん」に影響をうけたのか?色彩も少し写真家蜷川実花を思い出します。ファンタジックな構成は紀利谷和明の作品のような印象も受けます。縦長、横長のキャンバスにこだわって表現された上田さんの妄想。この作品性が面白かったです。
写真展 脳内展開図 ギャラリー風雅 上田真梨子 
この写真展のコンセプト「妄想を写真に」という狙いがよく表現された作品でした。

●写真展「脳内展開図」
 BLOG:http://ameblo.jp/nounaimousou11/
 2008.9.1(mon)→9.6(sat

12:0019:00(最終日は12:0017:00

大阪市中央区上本町西 ギャラリー風雅にて

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2008年8月24日

hold + ordinary

デザイン学科3年生の2人による作品展に行ってきました。
会場は大阪・西心斎橋、ギャラリーパライソ
hold ordinary hordinary
展覧会のタイトルは、カタカナで読みすると「ホーディナリィ」。お二人が考えた造語なのだそうです。今回の作品展のコンセプトを表すための、作品を楽しむための鍵になる言葉です。
hold ordinary hordinary
hold(持つ、握る、掴む) *ordinary(普通の、普段の) 
hold ordinary hordinary 「 l 」と「 r 」が重なっている文字がポイントです。
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「私たちが日頃見たり感じたりしている何気ないモノや出来事を
形にして自分たちの中にとどめておきたい。」
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平井沙季さんの作品の中で一番印象に残ったのはやはりフラミンゴをモチーフにしたものです。会場の中央に展示されています。
hold ordinary hordinary
左が「Aone Flamingo」、右が「Real flame」という作品。フラミンゴは鳥類では珍しく4年間も子供を大切に育てるのだそうです。また「Flamingo」はラテン語で「炎」という意味を持つそうです。この「フラミンゴ」から連想される「愛情」や「暖かさ」がご自身のお母様の存在とリンクしたそうで、どちらの作品もお母様をイメージして制作されたのだそうです。

樋口朋美さんの作品の真骨頂は、細密に描かれた鳥や魚や昆虫などの小動物を作品の中に含んでいるところです。例えば「Allure」という作品では「魅惑」という言葉を樋口さんのイメージで展開し、横から見た四つん這いの女性の周りに蝶が描かれています。
hold ordinary hordinary
他にも「随波逐流」(自分に主義・主張がないこと)という言葉を表現した作品(写真右)にはリアルなアロワナが、「花鳥風月」の言葉の美しさを表現した作品(写真左)には羽ばたく鳥が描かれています。

会場には楽しい作品や、かっこいい作品、色っぽい作品など二人の合作も含め10数点が展示されています。
お話を聞いて一番驚いたのはその表現の多彩さです。染織の作品に見えるような色彩の作品もあれば、ポスターカラーを使ったように思える作品もあります。でも、どの作品もすべて色鉛筆のみで制作されているそうなのです。
hold ordinary hordinary
会場にいらっしゃったお二人はとても仲がよさそうでした。名前も近いので学生番号も並びなんだそうです。今回の展覧会のシンボルも「平井」「樋口」の「ひ」からとった「h」なのだそうです。会場にはこの「h」をつかった立体作品も展示されていました。
hold ordinary hordinary

hordinary(ホーディナリィ)
 
819日(火)?24日(日)
  12:00
?20:00(最終日は、17:00まで)
  ギャラリーパライソにて

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2008年8月12日

大阪芸術大学特別演奏会“クラシックとジャズとポップスと”

この夏、6つの都市で開催される『大阪芸術大学特別演奏会“クラシックとジャズとポップスと”』の最初の開催都市・広島での様子をお伝えします。
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
広島国際会議場フェニックスホール前では、開場17時までに沢山の方が列を作って、開場を今か今かと待ってくださっていました。
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
第一部、オーケストラによるクラシックの演奏が始まりました。聞き覚えのある親しみのある選曲でクラシックの名曲が次々と演奏され、感動がこみ上げてきました。そして日本歌曲の歌唱と演奏もまた心に沁みてきました。
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
そして、第二部は、ガラッとステージの様子も変わりO.U.A.ポップス・シンガーズ&本学チア・リーダースによる大阪芸術大学応援歌「いま君は美しい」で華やかに始まりました。
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
学生によるバンド演奏、MALTA先生率いる本学スーパージャズオーケストラの迫力ある演奏など、自然と身体がスイングしてしまう、そんな楽しい曲数々。そして、森川美穂先生、沢田知可子さんによる素晴らしい歌声。
まさに“クラシックとジャズとポップスと”を同時に堪能できる贅沢な時間を過ごす事ができました。これから開催される会場でもきっと皆様に感動を与えてくれる事と思います。

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2008年8月11日

スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ展

昨日のブログでお伝えした映画「青空ポンチ」つながりで、この映画の企画・製作・配給「月眠」のギャラリーで行われていた「月眠でもポンチ!展」に行ってきました。行ったのは第2弾「スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ展」です。青空ポンチ石田真人さんや小池里奈さんなど俳優さんたちが使用した衣装を中心にスーパーレスキュウウェアズの世界を知ることができました。
スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ 衣装
スーパーレスキュウウェアズを立ち上げた祷武文
(イノリタケフミ)さんが、この映画の衣装を担当されました。祷さんのデザインTシャツは映画で使われたものも含め、今後の「芸T」の方向性を模索するのに非常に参考になりました。
スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ 衣装
さらに会場には720日に大阪・梅田「HEP HALL」で行われた青空ポンチ」完成記念イベント「ポンチコレクション」の様子の写真展示も行われていました。
スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ 小池里奈
これまた「芸T」のファッションショーの参考になりそうです。この展覧会(第2弾)は既に終了していますが、青空ポンチが大阪で上映中は
スーパーレスキュウウェアズのお店に展示されているそうです。

●スーパーレスキュウウェアズ
大阪市西区北堀江1-15-11-2F
http://www.suparesque.com/

●月眠ギャラリー
大阪市中央区北浜東5-3植田ビル1F
http://www.getsumin.com/

◇お知らせ◇
映画「青空ポンチ」が、大阪・十三の第七藝術劇場にて公開されることになりました。
8
23日(土)→829日(金) 2055-2240

ちなみにこの劇場では今秋、石井裕也監督(以前ブログ記事)の特集が予定されています。
上映予定:
『剥き出しにっぽん』・『反逆次郎の恋』・『ばけもの模様』・『ガール・スパークス』

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