2012年9月4日

夢の実現に向かって!  第60回 朝日広告賞 一般公募の部 入選報告!!

ロンドンオリンピックでは、皆さん、寝不足が続いたでしょうか?多くの競技、多くの選手の活躍に感激し、勇気をたくさん
もらうことができました。次は、大阪芸大の学生や卒業生の活躍から、感動や元気をお届けしたいと思います!

まずは、本学デザイン学科を2007年に卒業された北本浩之さんから、「第60回 朝日広告賞 一般公募の部 入選」の嬉しいニュースが届きました!朝日広告賞は、朝日広告賞は若手クリエーターの登竜門です。朝日新聞社が1952年に創設した「朝日広告賞」は、新聞広告の新たな可能性を探り、次世代を担う広告制作者の発掘・育成を目的としています。
http://adv.asahi.com/modules/feature/index.php/content0557.html

kitamoto1.jpg入賞作品に関しての北本浩之さんのコメントです。
旭化成の課題は「食品用包装ラップと言えば「サランラップ」
とお客さまに選んでいただけるようなアイデアを募集」とありました。
昔から親しまれ使われているサランラップ。
誰もが知っている昔話にサランラップを登場させて商品の王道感を表現しました。
拘ったところは、登場人物の表情。紙芝居のように一枚の絵からストーリーが膨らむよう工夫しました。
 

kitamoto2.jpg審査委員である原研哉氏のコメントです。(朝日新聞社広告局HPより)
―ほかに印象に残った作品はありますか。―
個人的に好きだったのは旭化成の「サランラップ」です。
桃太郎が生まれた瞬間におばあさんが桃にサランラップをかけようとしているとか、浦島太郎が玉手箱を開けたのにサランラップが張ってあって煙が出てこないといったシーンには、つい笑ってしまいます。イラストのトーンとサランラップのつやつやした描き方がいいコントラストになっていますね。

北本浩之さんに朝日広告賞一般公募の部に入選してのご感想や今の想いをお聞きしました。
「朝日広告賞は若手クリエーターにとっての登竜門で、学生時代から朝日広告賞の受賞作を見て刺激を受けていました。今回、自分の作品が評価いただいたことが大きな自信に繋がりました。この経験を生かして、今後も精力的に制作に取り組んでいきたいと思っています。」
 
左: 授賞式会場での写真(中央が北本浩之さん)

 

kitamoto.jpg北本浩之さんの学生時代は、どんな様子だったでしょうか?学生時代の一番の思い出を聞いてみました。
「他学科の友人と組んでグループ展をした事です。学科が違うと価値観も多様で、意見が合わずに喧嘩になる事も多々ありました。それほど制作に対して誠実な仲間と一緒に作れた事も良い思い出ですし、多様な意見の中で議論を重ねた経験が今に生きています。」

最後に学生たちに向けて、学生の間にやっておけば良いと思うことを教えてください。
「僕がもっとやっておけば良かったと思う事は海外旅行です。僕はこれまでニューヨークとローマ、フィレンツェに行きましたが、沢山のものを見る事で感性も磨かれますし、文化の違いを感じることで視野も広がります。大学にいると学生同士で競い合えますがどうしても仲間内で完結してしまいがちです。別の世界に飛び込むことで、自分の置かれた立場を客観視できるようになると思います。それに働きだすと長期間の休みを取るのがなかなか大変で、海外旅行に行く機会も減りますので、今のうちに沢山の経験をされた方が良いかと思います。」

北本浩之さんは、現在、日本デザインセンターに勤務されています。「人を大切にするとても働きやすい会社ですよ。3月に名古屋で開催された会社の新卒採用の説明会では、僕も壇上でお話しをさせていただいたので、もしかすると大芸の学生さんともお会いしているかもしれません。」とのことでした。
日本デザインセンターと言えば、まさにデザイン界の大御所である原研哉氏が代表取締役で永井一正氏が最高顧問です。原研哉氏の著書は、デザインのバイブル的「ポスターを盗んでください。」1995年(資料ID: 1110000868)から「日本のデザイン : 美意識がつくる未来」2011年(資料ID: 21100313)まで15冊、図書館に所蔵しています。永井一正氏の著書も13冊所蔵しています。
ぜひ図書館に来て、ご利用ください!

北本浩之さんのますますのご活躍を期待しています!
そして、学生の皆さんも北本浩之さんに刺激を受けて、朝日広告賞を目指して頑張ってください!!

(株)日本デザインセンター
HP: http://www.ndc.co.jp/
facebook:  http://www.facebook.com/NDCcojp

投稿:大阪芸術大学図書館


2012年8月22日

キャラクター造形学科2回生が優秀賞を受賞しました!

高齢者保健福祉月間啓発ポスターコンクールにおいてキャラクター造形学科2回生が優秀賞を受賞しました!

IMGP9373.JPG8月21日(火)午前10時から大阪市中央区にある大阪府庁
5階“正庁の間”において、平成24年度高齢者保健福祉
月間啓発ポスターコンクールの表彰式が開催されました。
 応募総数135作品の中からキャラクター造形学科二回生の
石倉春菜さんと松村美緒さんが優秀賞を受賞しました。

IMGP9374.JPG大正15年に竣工された大阪府庁本館の“正庁の間”は
5階中央にあり、かつては年末年始の行事や人事発令・式典
などに使用されていた特別な部屋。
 美術学科の初代学科長・鍋井克之先生の作品『陽春の中之島』も展示されています。

修復されたステンドグラスやシャンデリアの下で、表彰状を授与された二人。
夏休み一番の思い出になったことでしょう。

 7月29日と8月5日の二日間にわたり、泉佐野市生涯学習センターで『いずみさの漫画道場』が開催されました。

IMGP9212.JPG
 講師を務めたのはキャラクター造形学科卒業生の池本衣里さん(06生)と内田奈那さん(07生)。
 キャラクター創りに興味のある小学4年生から高校2年生に対し、池本さんは『キャラクターの表情』(7月29日)『キャラクターの頭身』(8月5日)、内田さんは『ちびキャラを創ろう!』(7月29日)『ちびキャラを動かそう!』(8月5日)を担当。

IMGP9218.JPG
 キャラクター造形学科で培ったキャラクター創りの極意を伝えました。

IMGP9357.JPG

投稿:林日出夫先生(キャラクター造形学科)


2012年8月19日

門田修充展 番画廊

1-DSCF2699.JPG

門田修充さん(美術学科68卒)の個展が4月2日から7日まで行われました。

画廊に入ると、壁一面に硬質な金属で作られた飛行機イメージが展示され、床にはユーモラスな形態の彫刻二体が置かれていました。

 

2-DSCF2707.JPG前回の個展では、飛行機のイメージはユーモラスな形態の内にありましたが、今回はその彫刻の外へと飛び立ち、作品は空間へと拡張されていました。
彫刻の歴史に鑑みるとこの作品は「広義の彫刻」にあります。そして床に置かれた作品と壁に展示された作品は、個別のものではなく全体で体験するものとして制作されているようです。

 

3-DSCF2701.JPG床に置かれた作品は、ステンレス、自然木、紐、色彩など複数の要素から構成されており、二体の彫刻は紐で繋がれています。
日常的な素材を複数使用し制作することも「広義の彫刻」の特徴といえます。

 

4-DSCF2704.JPG床に置かれた彫刻作品の一体は、ドーム的形態の表面が切り取られ内が見えるように制作されています。
もう一つの作品のドーム的形態の表面は閉ざされており内が見えません。この二つの作品が複数の紐により緩やかに繋がっています。
私たちはこの様子から何を連想できるでしょうか。

 

 

5-DSCF2710.JPGドーム内より飛び出した飛行機のイメージは、壁に張り付くように床に置かれた作品より高く飛行しています。
ギャラリー空間を囲むように飛行機は連続しています。紙飛行機的な幼さの残るこの形から、私たちは幼少の頃を思い出します。
しかし、金属質の鈍い色と同形の飛行機が同じ方向に展示してあることで、ある種の恐怖感も感じます。

ユーモラスと幼い世界観のある作品の中にも、少しの恐怖を感じとることができる作品であったと思います。

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室


2012年8月16日

HOT展2012 part2 Gallery H.O.T

1-DSCF2627.JPG3月5日から17日までのグループ展に山崎由美子さん(美術学科卒)が参加されていました。
作品はモニターを使用した映像作品と写真集の2種類の作品で、両方とも「水」がテーマとなっています。

2-DSCF2617.JPG映像作品は画面からわき出すように水滴が現れ、徐々に水滴同士が重なり大きくなり画面下へと流れ落ちます。
じわじわと無数の水滴が現れる様子や少しずつ水滴が重なるときの円から歪んだ形への変化、互いに引き合う様子などには小さな命を感じることができ、可愛らしくもあり神秘的でもありました。

3-DSCF2625.JPG画面上の水滴の輪郭は暗く、その水滴の内と外が明るく映し出されています。私たちが通常経験する水滴とは異なり,輪郭部分が強い抽象的なイメージに構成されています。
また、映像ならではの画面構成、時間構成が施され観者が楽しめる表現にもなっていました。

 

4-DSCF2629.JPG水は生命を支える重要な物質であり、また、私たちの日常生活でも自然に個体、液体、気体と姿を変え循環していく興味深い物質でもあります。
このような特性の水という物質に、いままでも多くの芸術家が魅了されてきました。
 

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室

 


2012年8月13日

HOT展2012 part3 Gallery H.O.T

3月19日から31日までのグループ展に浅野綾花さん(美術学科08卒)と豊島舞さん(美術学科06卒)が参加されていました。

1-0813.jpg

浅野さんの版画作品を見てみます。作品は銅版画で制作され、作品表面には印刷の時プレスすることで生まれる凹みが現れます。
この凹みを今回は一つのイメージとし、ダブルイメージを作り出しています。

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浅野さんの作品は、以前にも紹介しましたが、作者のプライベートな世界観を多様なイメージや記号を用い表現しています。私の見方では、マンガ「ちびまる子ちゃん」に見られる幼女のキラキラ感的模様が散りばめられた作品に思えます。
その印象とともに唇イメージに見られる性的フェティシズムが混在し、曖昧な成熟の女性観を見ることができます。

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この作品は輪郭線によりカップのイメージが伝わりますが、輪郭線の曖昧さは地と図の関係を緩くし、トリッキーな構造も内包しているように感じられます。

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「かがやき」、「ずぼん」、「はる」、「ユー」の作品はどれもダブルイメージを利用しています。
銅版自体をイメージとして切り取り、その中にイメージや記号を描き出しています。

長方形や正方形が描く為の支持形態としてあったものが、イメージを優先し支持形態を、そのイメージに合わせるシェイプド・キャンバスの延長としても見えます。

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室