2012年8月22日

キャラクター造形学科2回生が優秀賞を受賞しました!

高齢者保健福祉月間啓発ポスターコンクールにおいてキャラクター造形学科2回生が優秀賞を受賞しました!

IMGP9373.JPG8月21日(火)午前10時から大阪市中央区にある大阪府庁
5階“正庁の間”において、平成24年度高齢者保健福祉
月間啓発ポスターコンクールの表彰式が開催されました。
 応募総数135作品の中からキャラクター造形学科二回生の
石倉春菜さんと松村美緒さんが優秀賞を受賞しました。

IMGP9374.JPG大正15年に竣工された大阪府庁本館の“正庁の間”は
5階中央にあり、かつては年末年始の行事や人事発令・式典
などに使用されていた特別な部屋。
 美術学科の初代学科長・鍋井克之先生の作品『陽春の中之島』も展示されています。

修復されたステンドグラスやシャンデリアの下で、表彰状を授与された二人。
夏休み一番の思い出になったことでしょう。

 7月29日と8月5日の二日間にわたり、泉佐野市生涯学習センターで『いずみさの漫画道場』が開催されました。

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 講師を務めたのはキャラクター造形学科卒業生の池本衣里さん(06生)と内田奈那さん(07生)。
 キャラクター創りに興味のある小学4年生から高校2年生に対し、池本さんは『キャラクターの表情』(7月29日)『キャラクターの頭身』(8月5日)、内田さんは『ちびキャラを創ろう!』(7月29日)『ちびキャラを動かそう!』(8月5日)を担当。

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 キャラクター造形学科で培ったキャラクター創りの極意を伝えました。

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投稿:林日出夫先生(キャラクター造形学科)


2012年8月19日

門田修充展 番画廊

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門田修充さん(美術学科68卒)の個展が4月2日から7日まで行われました。

画廊に入ると、壁一面に硬質な金属で作られた飛行機イメージが展示され、床にはユーモラスな形態の彫刻二体が置かれていました。

 

2-DSCF2707.JPG前回の個展では、飛行機のイメージはユーモラスな形態の内にありましたが、今回はその彫刻の外へと飛び立ち、作品は空間へと拡張されていました。
彫刻の歴史に鑑みるとこの作品は「広義の彫刻」にあります。そして床に置かれた作品と壁に展示された作品は、個別のものではなく全体で体験するものとして制作されているようです。

 

3-DSCF2701.JPG床に置かれた作品は、ステンレス、自然木、紐、色彩など複数の要素から構成されており、二体の彫刻は紐で繋がれています。
日常的な素材を複数使用し制作することも「広義の彫刻」の特徴といえます。

 

4-DSCF2704.JPG床に置かれた彫刻作品の一体は、ドーム的形態の表面が切り取られ内が見えるように制作されています。
もう一つの作品のドーム的形態の表面は閉ざされており内が見えません。この二つの作品が複数の紐により緩やかに繋がっています。
私たちはこの様子から何を連想できるでしょうか。

 

 

5-DSCF2710.JPGドーム内より飛び出した飛行機のイメージは、壁に張り付くように床に置かれた作品より高く飛行しています。
ギャラリー空間を囲むように飛行機は連続しています。紙飛行機的な幼さの残るこの形から、私たちは幼少の頃を思い出します。
しかし、金属質の鈍い色と同形の飛行機が同じ方向に展示してあることで、ある種の恐怖感も感じます。

ユーモラスと幼い世界観のある作品の中にも、少しの恐怖を感じとることができる作品であったと思います。

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室


2012年8月16日

HOT展2012 part2 Gallery H.O.T

1-DSCF2627.JPG3月5日から17日までのグループ展に山崎由美子さん(美術学科卒)が参加されていました。
作品はモニターを使用した映像作品と写真集の2種類の作品で、両方とも「水」がテーマとなっています。

2-DSCF2617.JPG映像作品は画面からわき出すように水滴が現れ、徐々に水滴同士が重なり大きくなり画面下へと流れ落ちます。
じわじわと無数の水滴が現れる様子や少しずつ水滴が重なるときの円から歪んだ形への変化、互いに引き合う様子などには小さな命を感じることができ、可愛らしくもあり神秘的でもありました。

3-DSCF2625.JPG画面上の水滴の輪郭は暗く、その水滴の内と外が明るく映し出されています。私たちが通常経験する水滴とは異なり,輪郭部分が強い抽象的なイメージに構成されています。
また、映像ならではの画面構成、時間構成が施され観者が楽しめる表現にもなっていました。

 

4-DSCF2629.JPG水は生命を支える重要な物質であり、また、私たちの日常生活でも自然に個体、液体、気体と姿を変え循環していく興味深い物質でもあります。
このような特性の水という物質に、いままでも多くの芸術家が魅了されてきました。
 

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室

 


2012年8月13日

HOT展2012 part3 Gallery H.O.T

3月19日から31日までのグループ展に浅野綾花さん(美術学科08卒)と豊島舞さん(美術学科06卒)が参加されていました。

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浅野さんの版画作品を見てみます。作品は銅版画で制作され、作品表面には印刷の時プレスすることで生まれる凹みが現れます。
この凹みを今回は一つのイメージとし、ダブルイメージを作り出しています。

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浅野さんの作品は、以前にも紹介しましたが、作者のプライベートな世界観を多様なイメージや記号を用い表現しています。私の見方では、マンガ「ちびまる子ちゃん」に見られる幼女のキラキラ感的模様が散りばめられた作品に思えます。
その印象とともに唇イメージに見られる性的フェティシズムが混在し、曖昧な成熟の女性観を見ることができます。

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この作品は輪郭線によりカップのイメージが伝わりますが、輪郭線の曖昧さは地と図の関係を緩くし、トリッキーな構造も内包しているように感じられます。

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「かがやき」、「ずぼん」、「はる」、「ユー」の作品はどれもダブルイメージを利用しています。
銅版自体をイメージとして切り取り、その中にイメージや記号を描き出しています。

長方形や正方形が描く為の支持形態としてあったものが、イメージを優先し支持形態を、そのイメージに合わせるシェイプド・キャンバスの延長としても見えます。

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室


2012年8月11日

HOT展:2012 Part 1

ギャラリーH.O.T

1-DSCF2523.JPG2月20日から3月3日までグループ展が行なわれ,井上真希さん(前出)川上真緒さん(短期大学部版画科06卒)矢嶋綾子さん(美術学科02卒)が参加されておられました。

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川上さんの版画は、私たちが日ごろ経験している風景やイメージが、ユーモラスに作り出されています。
作品の中央から人の腕を思わすようなイメージが伸び、灰味がかった四つの弧を掴んでいるようにも,あるいは押しとどめるようにも見えます。
その画面上部には、ビルとそこから溢れる光、工場の煙突、月や星などよく知られたモチーフが描かれています。

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イメージの輪郭部分は白抜きされ、ゆらゆらと揺れるような、そしてたどたどしい表情で作られています。
そのため画面からは柔らかな印象を受け、観者の気持ちをあたたかくしてくれます。
画面の多くをしめるレモンイエロー色が印象的ですが、その形は人間や動物の目を連想することもできます。
一つのイメージが多様に見えることにより、観者一人一人に、それぞれの物語世界を抱かせることができます。

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矢嶋さんの作品は、アクリル絵具で重厚に描かれた絵画です。また、キャンバス側面にもイメージが描かれています。
表面は力強い筆致で塗られており、その荒々しい筆致は、背後に描かれたイメージを消すようにも塗られています。
矢島さんの作品は、アンフォルメル絵画の表情を持ちつつ、直線,円などの幾何学的イメージは理性的というより、感情的に生命的に構成されているため、触覚性の強い物質的な絵画となっています。

 5-DSCF2530.JPG

報告 加藤隆明教養課程講師  協力 芸術計画学科研究室