2012年8月11日

HOT展:2012 Part 1

ギャラリーH.O.T

1-DSCF2523.JPG2月20日から3月3日までグループ展が行なわれ,井上真希さん(前出)川上真緒さん(短期大学部版画科06卒)矢嶋綾子さん(美術学科02卒)が参加されておられました。

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川上さんの版画は、私たちが日ごろ経験している風景やイメージが、ユーモラスに作り出されています。
作品の中央から人の腕を思わすようなイメージが伸び、灰味がかった四つの弧を掴んでいるようにも,あるいは押しとどめるようにも見えます。
その画面上部には、ビルとそこから溢れる光、工場の煙突、月や星などよく知られたモチーフが描かれています。

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イメージの輪郭部分は白抜きされ、ゆらゆらと揺れるような、そしてたどたどしい表情で作られています。
そのため画面からは柔らかな印象を受け、観者の気持ちをあたたかくしてくれます。
画面の多くをしめるレモンイエロー色が印象的ですが、その形は人間や動物の目を連想することもできます。
一つのイメージが多様に見えることにより、観者一人一人に、それぞれの物語世界を抱かせることができます。

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矢嶋さんの作品は、アクリル絵具で重厚に描かれた絵画です。また、キャンバス側面にもイメージが描かれています。
表面は力強い筆致で塗られており、その荒々しい筆致は、背後に描かれたイメージを消すようにも塗られています。
矢島さんの作品は、アンフォルメル絵画の表情を持ちつつ、直線,円などの幾何学的イメージは理性的というより、感情的に生命的に構成されているため、触覚性の強い物質的な絵画となっています。

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報告 加藤隆明教養課程講師  協力 芸術計画学科研究室


2012年8月7日

キッズ・アートカレッジ 小学生編

080701.JPG初等芸術教育学科では8月3日(金)、夏休み真っ只中の小学校の児童たちを招いて「キッズ・アートカレッジ」を開催しました。
「キッズ・アートカレッジ」については、6月に幼稚園児を対象に実施した際にもブログでご紹介しましたが、初等芸術教育学科3回生の実習科目「こどもふれあい体験実習」の一環として行っているものです。

こどもと学生が主役となり、広大な林や池などがある自然環境に恵まれた大学キャンパス内で、造形活動やあそびなどを通じて互いにふれあい、創造する楽しさを体験します。

080702.JPG今回芸大に来てくれたのは、太子町立磯長小学校と山田小学校の児童たち。
朝から元気いっぱいで、学生たちの呼びかけにも明るく答えてくれました。

080703.jpgまず午前中は、造形活動として仮面とマント作りを行いました。
用意されたプラスチックの仮面はアクリル絵の具で装飾し、カラービニール袋に様々なデコレーションをして仮面に合ったマントを作ります。
学生たちは、お手本になるよう事前に自分たちの仮面を用意してきました。
こどもたちはそれを真似たり、全くのオリジナルに挑戦したり、とにかく自由にのびのびと、思ったように表現します。

完成した仮面とマントを身に付け大変身したこどもたちは、自慢げに見せ合い、とっても楽しそうでした!
どの作品も個性たっぷり、どこか神秘的で、まるで仮面舞踏会にいるみたいでしょう。

080704.JPGそして午後からは、芸術情報センター1階のアートホールで、パイプオルガン鑑賞をしました。
巨大なパイプオルガンは、近くで見るとそれはもう迫力があって格好いいんですよ。

演奏してくださったのは、演奏学科の住山久爾子先生。
オルガン曲のなかでも特に人気の高い作品のひとつであるJ.S.バッハの“トッカータ”から始まり、コラール、讃美歌、童謡を演奏されました。
続いて、初等芸術教育学科教授の坂本曠一先生が“メヌエット ト長調”とわらべ歌を、同学科副手の山本実依さんがアニメソングを演奏し、最後に住山先生がそれぞれの小学校歌を弾いてくださったところで、終演となりました。
こどもたちの口からは、「すごい!」「格好いい!」「触ってみたい!」という言葉が沢山聞こえてきました。

学生たちはこの日の準備をする中で様々な壁に当たり、苦労もしたようです。
でも、それらの努力は、こどもと関わる仕事に就く時、きっと役に立つと思いますよ。
学生たちにとっても、こどもたちにとっても、今年の夏の思い出になったに違いありません。

さて、初等芸術教育学科では、11月の大学祭でもこどもたちとふれあうイベントを開催予定です。
アートと教育を共に学ぶ学生たちならではのパフォーマンスが待っていると思いますので、お楽しみに!

投稿:島田瑞穂さん(初等芸術教育学科副手)


2012年7月31日

キャラクター造形学科の卒業生・在校生が続々と受賞・デビュー・連載獲得!

キャラクター造形学科05生・鳴海アミヤさんの新連載『銀の王』が月刊少年サンデー7月号から始まりました。
前作の『No.1海童』はスポーツギャグでしたが、今回は初の
ファンタジー作品。今後の展開が気になるところです。
現在発売中の別冊少年チャンピオン8月号にも05生・佐藤健太郎さんの初連載『魔法少女オブ・ジ・エンド』と08生・藤田勇利亜さんの読切『DIABOLU』が掲載されています。

佐藤さんは第76回新人まんが賞で準入選、藤田さんは第78回新人まんが賞で佳作を受賞しており、学科の卒業生が同じ雑誌で二人同時に掲載されるのは初めての快挙です。
本年度の瀬戸内市立美術館公募展では応募総数111点の中から、07生・下地明代さんが佳作、11生・田村彩さんが刀匠会賞と努力賞、同・松野真琴さんと同・明神光美さんが佳作と4人が5つの賞を受賞しました。
今回のテーマは日本刀。難しい題材でしたが、卒業生・在校生ともキャラクターを活かした発想と構図でチャレンジしてくれました。
受賞作は7月25日から9月9日まで瀬戸内市立美術館3Fギャラリーで見ることができます。

IMGP9050.JPG7月24日、午後1時20分から9号館101教室で2012年度シンボルキャラクター授賞式が開催されました。各年度の新シンボルキャラクターは学科が創設された05年から続いているイベントです。
今回の応募総数は183点。展示と人気投票は7月3日から10日まで芸術情報センターAVホールで行われ、7月15日と16日のオープンキャンパスでは21号館101教室で投票数が多かった上位20作品が展示されました。
そのあと、キャラクター造形学科教員による審査が行われ、最優秀賞には12生・濵野恵美さんの“ペンダコ”が選出されました。“ペンダコ”は12生のシンボルキャラクターとして、これから4年間さまざまなイベントで活用される予定です。

投稿:林日出夫先生(キャラクター造形学科)


2012年7月30日

りそな銀行アートプロジェクト

1207301.jpgこんにちは!学内外の様々な方々と共同で、プロジェクトの企画・運営を行うサークル「LIBRARY DESIGN LAB.」です。
先日、りそな銀行様に、現在も行われている「りそな銀行アートプロジェクト」を含め、これまで行ってきたイベント等の取り組みに対して感謝状を頂きました。
りそな銀行の大阪地域市外南ブロック担当の執行役員の方が、富田林支店、河内千代田支店の部長お二人と共に本学にお越しくださいました。そして、「お客様により親しんで頂ける銀行にしていくお手伝いを、これからもお願いしたい」とのお言葉と共に感謝状を頂きました。

img-712092238-0001.jpgりそな銀行様とのプロジェクトが始まったのは、部長も含め、今在籍しているメンバーのほとんどが入部する前の2010年です。
この度このような表彰を頂けたのも、これまで先輩方が築き上げてきたものに対してだと受けとめています。
これを一つの機として、先輩方の信頼を裏切らず、更に高い目標に向かって活動していきたいと考えています。

risona2012summer.jpgさて上記の通り、りそな銀行とLIBRARY DESIGN LAB.とのプロジェクト、「りそな銀行アートプロジェクト」は現在も、りそな銀行金剛支店で行われています。
富田林支店、河内千代田支店と巡回し、季節も変わったことから、デザインも華やかな桜から爽やかな木々の緑に変化しました。
8月一杯展示させて頂くことになりましたので、もうご覧になった方も含め、銀行とアートの新しい出会いをぜひ、感じてください。
新入部員も募集中です!
DSCN1862.JPGlibrarydesignlab@gmail.com

投稿:大阪芸術大学図書館


2012年7月28日

陶芸の提案2012   ギャラリー白、白3

2月20日から3月3日まで、陶芸作品の展覧会が行なわれました。
出品者には、元川知子さん(工芸学科06卒)、山本朱さん(短大部陶芸コース02卒)、増田敏也さん、高間智子さん、金理有さん、加地舞さん、一色智登世さんがおられました。

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「現代陶芸」の位置   大長智広(愛知県陶磁資料館学芸員)

DSCF2544.JPGかつてアドルノ(ドイツ:1903-1969)は遺稿となった『美の理論』(1970)において次のように述べた。
「アートに関することで自明なことは、もはや何一つないことが自明になった。
アートのうちにおいても、アートと全体の関係においても、もはや何一つ自明でないばかりか、アートの生存権すら自明でないことが」。
この古典的な言葉は、従来の表現媒体の形式的革新と歴史的意義の崩壊を指摘し、論理的根拠を失った美術・芸術においては、「アート」という冠によって何でもアートになるという状況を描出したものであった。
現在のジャンルの溶解は、こうした状況をより複雑化したものといえる。

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とはいえ、美術大学それ自体がある種の制度の上に存在するように、美術や芸術自体もまた制度を通じて形成されるとするならば、一見自由に見える表現行為自体が制度内に成立することになる。
つまり表現行為が、ある方面からは拡張したように見えても、角度を変えると、ある種の様式や方法論に縮小・還元される危険も伴うということである。
その意味で、やきものを表現手段とするということは、作家個々がなぜものを作るのかという自己の所在とトラディショナル・アートとしての陶芸の所在を、原点に即してその時々の時代性を伴いつつ明確にしていくことのように思われる。 展覧会テクストより一部抜粋

DSCF2541.JPG魅力的なテクスト内容でしたので、掲載させていただきました。

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報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室