2012年8月13日

HOT展2012 part3 Gallery H.O.T

3月19日から31日までのグループ展に浅野綾花さん(美術学科08卒)と豊島舞さん(美術学科06卒)が参加されていました。

1-0813.jpg

浅野さんの版画作品を見てみます。作品は銅版画で制作され、作品表面には印刷の時プレスすることで生まれる凹みが現れます。
この凹みを今回は一つのイメージとし、ダブルイメージを作り出しています。

 2-0813.jpg
浅野さんの作品は、以前にも紹介しましたが、作者のプライベートな世界観を多様なイメージや記号を用い表現しています。私の見方では、マンガ「ちびまる子ちゃん」に見られる幼女のキラキラ感的模様が散りばめられた作品に思えます。
その印象とともに唇イメージに見られる性的フェティシズムが混在し、曖昧な成熟の女性観を見ることができます。

3-0813.jpg

この作品は輪郭線によりカップのイメージが伝わりますが、輪郭線の曖昧さは地と図の関係を緩くし、トリッキーな構造も内包しているように感じられます。

5-0813.jpg

「かがやき」、「ずぼん」、「はる」、「ユー」の作品はどれもダブルイメージを利用しています。
銅版自体をイメージとして切り取り、その中にイメージや記号を描き出しています。

長方形や正方形が描く為の支持形態としてあったものが、イメージを優先し支持形態を、そのイメージに合わせるシェイプド・キャンバスの延長としても見えます。

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室