2012年8月19日

門田修充展 番画廊

1-DSCF2699.JPG

門田修充さん(美術学科68卒)の個展が4月2日から7日まで行われました。

画廊に入ると、壁一面に硬質な金属で作られた飛行機イメージが展示され、床にはユーモラスな形態の彫刻二体が置かれていました。

 

2-DSCF2707.JPG前回の個展では、飛行機のイメージはユーモラスな形態の内にありましたが、今回はその彫刻の外へと飛び立ち、作品は空間へと拡張されていました。
彫刻の歴史に鑑みるとこの作品は「広義の彫刻」にあります。そして床に置かれた作品と壁に展示された作品は、個別のものではなく全体で体験するものとして制作されているようです。

 

3-DSCF2701.JPG床に置かれた作品は、ステンレス、自然木、紐、色彩など複数の要素から構成されており、二体の彫刻は紐で繋がれています。
日常的な素材を複数使用し制作することも「広義の彫刻」の特徴といえます。

 

4-DSCF2704.JPG床に置かれた彫刻作品の一体は、ドーム的形態の表面が切り取られ内が見えるように制作されています。
もう一つの作品のドーム的形態の表面は閉ざされており内が見えません。この二つの作品が複数の紐により緩やかに繋がっています。
私たちはこの様子から何を連想できるでしょうか。

 

 

5-DSCF2710.JPGドーム内より飛び出した飛行機のイメージは、壁に張り付くように床に置かれた作品より高く飛行しています。
ギャラリー空間を囲むように飛行機は連続しています。紙飛行機的な幼さの残るこの形から、私たちは幼少の頃を思い出します。
しかし、金属質の鈍い色と同形の飛行機が同じ方向に展示してあることで、ある種の恐怖感も感じます。

ユーモラスと幼い世界観のある作品の中にも、少しの恐怖を感じとることができる作品であったと思います。

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室