2015年6月3日

西村彩展(F09・MS13) キュービックギャラリー  3/9-21

うねる様な無数の三角形が画面を覆い形態と色彩の配置に鑑賞者はめまいを起こしそうになる。オプ・アート(op art)作品である。錯覚や視覚効果を利用したこれらの作品は美術史でも重要な位置を占める。


うねる様な全体の構成を見る。青色系と赤色系が目につく。その間にいくつもの中間色が配置されている。青色系や赤色系の色面も微細に異なる4色以上が見られる。また色彩表面の光沢の加減もコントロールしている。その結果展示用のスポットライトを暖色系スポットライトから寒色系蛍光灯に変えた途端、作品はダイナミックに動き出し鑑賞は不可能になった。

西村氏の制作ノートには場所と身体の総合的感触感に触れてあり、場所と私の体験の作品化は万華鏡体験を通し語られていた。無限に繋がる三角形と色彩は、目に見える世界と見えない身体的体験の融合されたイメージであり、あたかも風呂敷のように場所と私を包み込む機能を持つのがゆがんだ三角形であると思われる。

制作ノートから作品を読み解くことで、西村氏の作品はオプ・アートのみでは留まらないように思えた。

報告 教養課程講師 加藤隆明 協力 芸術計画学科合同研究室


2015年5月21日

ART&DESIGN FORUM EXIHIBITION 最終日

5月9日より開催してきました大阪芸術大学スカイキャンパスでのART&DESIGN FORUM EXIHIBITION
最終日は、写真家の織作峰子先生をお迎えしてのセミナー「視えない像を求めて」が開かれました。

ミスユニバースを経て写真家になられた先生。なぜ、撮られる側から撮る側へ転身したのか。
そんな先生の生い立ちから始まったセミナーには、多くの熱心なファンの方にお集まりいただきました。


写真と詩は近い、とおっしゃる先生。
「歌を歌うつもりで写真を撮る、詩を書くつもりで写真を撮る」これを心がけると良い写真が撮れるそうです。

また、世界的なミュージシャンであるポールマッカートニーのライブでは、日本人で唯一織作先生だけにワンシャッターのみの撮影が許されたことがあったそうです。
そのエピソードは、聞いてるこちらも手に汗を握るほど緊張感が伝わってきました。

最近は桜の写真を撮り続けているそうです。
桜といえば、ただ美しいだけでなく怖さも含んでいるとか・・・撮影中に何度も心霊現象に遭遇されたお話は、少し早いですが夏休みに聞く怪談のようでした。

さて、多くの方に足を運んでいただいたART&DESIGN FORUM EXIHIBITIONですが、皆様のおかげで大盛況のうちに最終日を迎えられることができました。
連日のブログも最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。

藝術研究所では、今後もさまざまなイベントを行います。
またこのブログでも案内させて頂きますので、ぜひチェックをお願いします!

投稿:藝術研究所


2015年5月20日

ART&DESIGN FORUM EXIHIBITION やきものについて

大阪芸術大学スカイキャンパスで開催中のART&DESIGN FORUM EXIHIBITION
昨日は、陶芸家の市野年成先生をお迎えしてのセミナー「やきものについて」が開かれました。

陶芸家を目指すようになったきっかけや、これまで創作してきた数々の技法など詳しく解説していただけました。
丁寧で美しい模様が施されている作品たちからは、先生のやきものへの愛が強く伝わってきました。
中でも市野先生がご自身で創作された菊の花びらが散らばるような「象嵌(ぞうがん)」という技法が使われた作品は、美しくて惹きつけられました。
今回のセミナーをきっかけにやきものに興味や関心を持たれた方は多いのではないでしょうか。


写真スクリーンが「象嵌(ぞうがん)」

5月9日より開催してきたこのイベントも、ついに本日が最終日となってしまいました。
本日5月20日(水)18時より、写真家の織作峰子先生によるセミナー「視えない像を求めて」がございます。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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投稿:藝術研究所


2015年5月18日

ART&DESIGN FORUM EXIHIBITION 表現に境界はない

大阪芸術大学スカイキャンパスで開催中のART&DESIGN FORUM EXIHIBITION
昨日は、ついに特別ゲスト・ファッションデザイナーのコシノヒロコ先生をお迎えしてのセミナー「表現に境界はない」が開かれました。
会場は先生のファンや、これからファッションを学ぶ若い方たちで満員に。

TVドラマ化されたことでも有名なコシノ家。
暖かくも他とは違った教育方針があったおかげで現在があるというお話から始ったセミナーでは、「モードと絵画に境界はない」「常識が新しい発想の足を引っ張る」「毎日一歩ずつ進むことを発表するのがファッションデザイナー」など先生から飛び出すお言葉一つ一つが素晴らしい格言のように感じました。

また近年は絵画制作にも熱心な先生。
完成した作品を写真に撮り、生地にプリントして洋服を作られることもあるそうです。
見せていただいたコレクションの数々はどれも色鮮やかで思わずため息が漏れました。

最後にはフォーラムテーマでもある「少し未来のはなし」として「これから育つ若い世代が表面的ではなく、自分の感性で独特の表現をすることを心から願っている」とのメッセージをいただきました。

次回は5月19日(火)14時より、陶芸家の市野年成先生によるセミナー「やきものについて」がございます。
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

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投稿:島田(OUA-TV)


2015年5月16日

ART&DESIGN FORUM EXIHIBITION マンガ表現について

大阪芸術大学スカイキャンパスで開催中のART&DESIGN FORUM EXIHIBITION
7日目は、マンガ家の里中満智子先生をお迎えしてのセミナー「マンガ表現について」が開かれました。


先生自らがホワイトボードに絵を描きながらお話をしてくださり、しかも先生のバックはちょうどガラス張りになっていて、地上約150mから大阪の街を一望できる大パノラマになっていました!
なんとも贅沢な条件でのセミナーでした。

マンガにおける少し未来の話は、近年発達する電子書籍に着目し、そこから改めて紙の歴史を振り返るところから始まりました。
本は、めくることに素晴らしい発想があり、マンガの構図には、めくる楽しさや充実感があるとおっしゃられており、手にとって読むときの心躍る感覚を思い出しました。
震災が起こったときの電源が使えない環境下で、紙書籍の大切さがわかったというエピソードや、様々な形でマンガを見てもらうことも大切だとおっしゃっておりました。

お客様の中には、里中先生の単行本を持参されている方もいて、わきあいあいとした様子で時間はあっという間に過ぎて行きました。
最後に先生は「好きだというだけで才能。諦めずにマンガ家を目指してほしい。」といった心強いメッセージをくださりました。

5月17日(日)は14時より、特別ゲストとしてファッションデザイナーのコシノヒロコ先生によるセミナー「表現に境界はない」がございます。
ハルカス5階にはコシノ先生のショップもございます。

この機会にぜひ、24階スカイキャンパスにもお立ち寄りください。
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

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投稿:藝術研究所