2008年6月27日

卒業生・池西朝美さん

今回は期待の卒業生を紹介します。名前は池西朝美さんです。
今年3月に美術学科油画コースを卒業したばかりの方です。今回、現代美術センターでの個展が決まりました。現代美術センターでは画歴がないと個展はなかなかさせてもらえないそうなのですが、画歴が全くない池西さんの作品を現代美術センターの人が見て即展覧会を行うことが決まったのだそうです。
池西さん作品
その池西さんに少し話を伺いました。
池西さんは見た目とても明るそうな感じの方なのですが、話を聞くと「話すのが苦手なんです」と少しはずかしそうに答えてくれました。池西さんは「絵をつくるという感じで描いています。学生時代から絵を描くということに専念していて、大学はアトリエであって、大学の授業を受けているという感覚はあまりありませんでした」ということでした。
そばで話を聞いていた先生は「この子はキャンバスと会話をしていて、会話のいいところで絵を描いているんですよ」とおっしゃっていました。
池西さん作品
また、学生生活で良かったなと思うことは何ですか?の質問には「美術学科のすばらしい先生方に出会えたことが本当によかったです」と切々と答えてくれました。美術学科で指導する教員の方々と学生との信頼関係が在学中に大きく築かれていたのだなと感心しました。
お話が苦手なのにたくさんのコメント本当にありがとうございました。

池西さんの展覧会は6月30日から始まります。ぜひ現代美術センターに足を運んで見て下さい。今後の活躍を期待しております!
展覧会案内
開催期間 6月30日(月)?7月5日(土)
開催時間 午前10時?午後6時 土曜日は午前10時?午後4時
場所 大阪府立現代美術センター 展示室A全室
     大阪市中央区大手前3?1?43 大阪府新別館 南館1F
     TEL06-4790-8520 info@osaka-art.jp http://www.osaka-art.jp/

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2008年6月26日

謎の数字

現在、学内で噂になっている「謎の数字」のこと、ご存知ですか?
「謎の数字」といっても、ドラマ『LOST』に出てくる「4815162342」のような全く意味のわからないものではありません。
謎の数字 LOST 金額
各学科の校舎の入り口あたりにコルクボードで示してある数字。何かの金額を示しています。しかも次に見たときにはその額面は変わっています。ドレミの広場にも、銀河系広場の写真学科の前、建築学科の前、放送学科の前・・・学内のあちらこちらにあるこのボード。
謎の数字 LOST 金額
偶然、この金額を更新している方を見つけたので聞いてみました。そしてこれが芸術計画学科の方が現在体育館ギャラリーで開催している「TRoom」という展覧会の一部だということを教えてもらいました。(この数字の謎はこのブログの最後に・・・)

この「TRoom」、芸術計画学科の有志のグループで行われている展覧会で、芸術計画学科の様々な可能性の模索と芸術計画学科を理解してもらいたいという思いを形にしたものだそうです。
会場で配布してもらったパンフレットによると、
「私たち芸術計画学科の学生は主とする表現メディアを習得しているわけではありません。しかし、芸術や表現をすることについていろいろな考え方を持っています。そこに着目し、テーマから各自が最適と思う表現方法を考え、作品を生み出していきました。

 私たちは、日常ですらアートになりえるのではないかと考えています。表現をする必要がない私たちがなぜ表現をしようとするのか。なぜ表現をしたいと思うのか。その根源が日々の日常の中にあるのではないかと思うのです。それが作品として成り立つかを実践し、それを実際に観客に見てもらい、どの様に思い、感じるのかを私たちは知りたいのです。」
とあります。

「名は体を現す」といいますが、学科名を聞いてもその深いところまではすぐにはわからないといわれる芸術計画学科。大学の広報に携わる者としても、もどかしいところです。学科名を聞いて興味を持った人の「能動的な姿勢」があってこそ、その魅力にたどり着くことができるような学科なんだろうと思います。今回はそんな「芸術計画学科」だからこそ、生まれて来た企画なんだろうと思います。「表現とは何か」を深く考えるキッカケになる学科名だって考えれば、カッコイイです。皆さん是非会場に足を運んで、あなたが感じた芸術計画学科の意見を残してください。

さて、謎の数字。この数字の企画をした杉浦正和さんにお話を聞いてみました。
この数字は「授業料」を表しているそうです。施設設備費を除く授業料の額面を通常授業のある日数で割り、更に1日5時限あるので「5」で割り、412日の授業開始日から累計した金額を時限ごとに更新していっているのだそうです。
例えば、芸術計画学科の場合、授業料91万円。今年度通常授業が行われる日数168日。
910,000
(円) ÷ 168(日) ÷ 5(時限) = 約1,083(円)
となり、1時限ごとに1,083円の額面が累積されます。ううん、リアルです。
謎の数字 LOST 金額
いつもこんな掲示が学内にしてあったら、皆さんもっと緊張感をもって一つ一つの授業を受けることにつながるかもしれませんね。私も大学生の時にある先生の授業で「学費を卒業所要単位数で割って、更にその科目の単位数をかけて・・・」とその授業の一コマの金額を先生自ら算出して学生に示してくださったのを覚えています。学費を納めていただいている例えば保護者の方々のありがたさを感じるための良い機会かもしれません。皆さんやってみてはいかがでしょう?
TRoom 芸術計画学科 展覧会
ということで展覧会「TRoom」は628日まで、体育館ギャラリーで開催されています。
私にとってひときわインパクトがあった杉浦正和さんの展示は、展示会場の5つ目の「のれん」をくぐったお部屋です。

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2008年6月25日

水口聡先生 ミニリサイタル

本日学内で、演奏学科客員教授 水口聡先生の特別演奏会が行われました。

水口聡先生はプロフィールによると、ウィーン国立音楽大学を邦人初、全員一致の主席でご卒業になられ、その後1988年、ミラノ国際コンクール第一位をはじめ数々のコンクールに入賞。ウィーン国立歌劇場『リゴレット』にて、バリトンとしてデビュー後、世界的に貴重なテノール・リリコ・スピントに転向。ヨーロッパ各地の歌劇場や主要な音楽祭に招かれ、『アイーダ』、『トゥーランドット』など40もの主役を歌い、いずれも成功を収められています。
日本では1998年、新国立劇場杮落とし公演『アイーダ』にラダメス役で出演し一躍脚光を浴びました。その他、ソウルにおけるワールドカップサッカー前夜祭での歌唱、プロ野球公式戦開幕試合、フィギアスケート・グランプリファイナル決勝戦における「君が代」斉唱等、大きなイベントにおいても好評を博している先生です。
水口聡 テノール アイーダ ラダメス役 テノール・リリコ・スピント
(ピアノ伴奏:藤里 香世さん<演奏学科伴奏要員> )

本日は12:45分から、この春、内装の化粧直しをした3号館ホールにて「ミニ・リサイタル」として特別演奏会があり、4曲を熱唱していただきました。
RLeoncavallo  マティーナータ
GPuccini    トゥーランドットより “誰も寝てはならぬ”
SCardillo    つれない心 (カタリ・カタリ)
EDe Curtis  泣かないお前

3
曲目の直前、3号館ホール内の空調がちょうど先生が歌うために立っているポジションに向かって吹きだしているということで、歌声への影響を考え空調を止めるという場面もありました。声楽家の方の喉への気遣い。プロだな、と感じました。

3号館ホールはそれほど大きなホールではありませんので、この距離感、スゴク贅沢です。この近さで一流の声楽の演奏、相当な迫力でした。


この演奏会の後、2?71教室に会場を変えて公開レッスンも行われました。
近年、先生は自らオペラやコンサートのプロデュースを手掛けられており、若い歌手の育成にも取り組まれているそうです。
「先生、大阪芸術大学の学生の力はいかがでしたか?」

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2008年6月24日

『絵描き』二人展

西天満のGallery wks.で、62日(月)?614日(土)「安井源太×北村章」展が開催されていました。
1983
年生まれの安井源太さんは、2005年に本学・美術学科を卒業後、フラワー・アレンジメントの講師等をしながら、創作活動を続けていらっしゃいます。2歳年下の北村章さんは、2007年に本学・美術学科を卒業後、大学院 芸術研究科に入学、現在、芸術制作 絵画専攻の2年生です。お二人の出会いは、学内「SAGAシンポジウム アーツ アンド エイプス展」での壁画制作に参加した際のことで、二人で一緒にジャングルの場面を担当することになったのだそうです。
二人の作風は、一見正反対のように見えます。安井源太さんは、星座をテーマにした繊細でしなやかな、外へ外へと広がりを見せる画風。一方、北村章さんは、溢れる色彩のタッチで、迫力のある画面を枠(額)に閉じ込めた作品ですが、原始的な絵画を目指しているという点で共通しているのだと思います。
安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
Gallery wks.
のオーナー片山和彦さんもお二人の絵画に対する真摯な姿勢と情熱、そして、生活を考えた上での地に足の着いた創作活動であること等を熱く語ってくださいました。すっかり、お二人を見込んでくださっているのだなあとこちらもとても嬉しくなりました。

安井源太さんは、或る時、鳥取の夜の海で、突然雲の切れ間から現われた北斗七星に感動し、それ以来、星をモチーフに描くことが多いそうです。
「夜空、七つの星が、空に巨大な絵を描きながら、登って行くのを見た。星は私の心を分解し、闇の中に誘い込む。私の絵は、そのような場への扉です。 夜の闇の中に、大きな力がうごめいているのを感じる。永遠に繰り返して行く作業。体で描き込む私と北村の空間は、ひたすらに在り続けることを求める。」

安井源太さんは、ご自分の絵画を一つずつ丁寧に解説してくださいました。自分の絵を語れるというのは、とても必要なことだと思いますが、さすがですねと話したところ、最初から語れるわけではないけれど、展覧会で展示をしている中で、色々な方々と話をしているうちに見えてくるものもあるので、だんだん語れるようになってくるとおっしゃっていました。とてもきれいな色調ですねと話したところ、やはり、色にはかなりこだわっているとのことでした。
安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
Libra 1940X970 mm mixed media

安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
Purple River 1940X1120 mm oil on canvas

安井源太さんに学生時代に印象に残っていることなどをお聞きしました。
映像学科の方々とかかわって、アニメーションの背景をたくさん描いたことがとても勉強になりました。学生時代には、絵に関する自分の好きなことは一生懸命やったけれども、もっと好きなこと以外の勉強もたくさんやっておけば良かったと思っています。」また、「小さい頃から絵を描くのが好きだったので、芸大には小学校の時から行きたいと思っていました。」という嬉しいお話も聞くことができました。
安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks. 安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
Taurus 910X727 mm mixed media

安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks. 安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
at the sea
 2273X1455 mm oil on canvas

展示をするにあたり、二人の個性がぶつからず、同じ空間に共存できるようにとかなりの時間を掛けて展示の配置等を考えられたそうです。その苦労の甲斐があって、とても自然で心地よい空間になっていました。もし、間に椅子などあったら、くつろいで、長居してしまいそうな、癒しも感じる見飽きない絵画たちです。また行きましたというリピーターの方がいらっしゃるのもうなずけます。
安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.  安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
The Dark Sea 1940X970 mm mixed media

北村章さんの今回のテーマは「旅」です。
「旅は楽しい。いろんな感動がある。モンマルトルの静かな朝や、法隆寺でであった神木・・・。その感動を呼び起こしたい。残しておきたい。誰かに伝えたい。だから私は絵を描いている。」木屑を練って立体的に描かれた絵画は、額も作品の一部です。ちなみに非常に重たいそうです。
安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
Mont-Saint-Michel 800X1100mm mixed media
「感想をお書きください」のノートには皆さんビッシリ感想を書かれていて、人気の高さがうかがえます。
安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
Montmartre一部 800X1100 mm mixed media
安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks. 安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
a sacred tree 1800X1500 mm mixed media

北村章さんは、自分でまだまだこれからだと思っているので、ほめられるよりも率直な感想を聞きたいとおっしゃっていました。とても謙虚で前向きな方だと思いました。その素直さで、きっと色々なことを吸収して成長して行かれるだろうなあとこれからがとても楽しみです。そこで、敢えて言わせてもらえば、迫力のあるものを立体的に描いているので、迫力のある画面になっているのはある意味当然の部分もあるので、またこれから、描写力に一層磨きをかけてもらって、絵画そのもののバワーも見せて欲しいと思います。
安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks. 安井源太 北村章 二人展 絵画 gallery wks.
Komoku-ten 1800X1800 mm mixed media

北村章さんに後輩の皆さんへのメッセージをお聞きしました。
「芸大のキャンパスでも時折、ボーっと座っているような学生さんたちを見掛けることがありますが、学生時代はあっという間に過ぎるので、時間を無駄にしないで欲しいですね。学科に直接関係のない音楽でも恋愛でも何でも良いから、熱中できるものを見つけて、悔いのない4年間を過ごして欲しいと思います。」

今回、お二人との出会いはとても嬉しいものでした。頑張っている人たちの作品には、とても魅力を感じて元気をもらう気がします。また、次の機会に期待がつのるばかりです。

本学芸術計画学科講師の渡辺直人先生は、授業の一環として学生さんたちをたくさん引率して来てくださったそうです。今回の写真は、渡辺先生にご提供いただきました。

次回(728日?89日)Gallery wks.は、本学大学院生岡村基展「日常から妄想へ」とのことで、また、楽しみです。皆さんも是非、展覧会に足を運んで本物の作品に接してください。

Photo by渡辺直人/大阪芸術大学 芸術計画学科 講師
http://d.hatena.ne.jp/wnwks/20080607/p1

安井源太 ブログ http://blog.livedoor.jp/gentayasui/

安井源太×北村章 展
6
2日(月)?614日(土)11:00?19:00(展覧会は終了しています)
日曜休廊/土曜・最終日は17:00まで
Gallery wks. http://www.sky.sannet.ne.jp/works/

投稿者:図書館事務室

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2008年6月23日

スマイルデザイン研究会がんばっています!

以前このブログでもご紹介しましたが、デザインのパワーで世界を変えるために日々活動を続けるスマイルデザイン研究会。社会問題・環境問題をデザインの力で解決していることが世界に認められるかもしれないチャンスがやってきました。SIFE Japan 国内大会2008に出場するのです。
SIFE とはStudents In Free Enterpriseの略で大学生のビジネス教育プログラムを提供するNPO団体のことです。このビジネス教育とは大学生による地域密着・社会貢献事業の企画・実施を通して行われます。世界中の47カ国1926校を超える大学/キャンパスの大学生が参加しています。この団体が毎年1回プロジェクトの成果を国内大会と世界大会で競う大会を主催します。
この日本大会にスマイルデザイン研究会が出場することとなったのです。そして日本大会に勝ち抜けば世界大会で世界の人にスマイルデザイン研究会の成果を知ってもらうことができるのです。
プレゼン風景
しかしその道は簡単ではありません。何と目標は大きく世界一ですから当然英語でプレゼンテーションしないといけません。日本語でプレゼンテーションするのも慣れていないのに、
まして英語とは、 只今猛特訓中でその成果を見て欲しいということで予行演習を見せてもらいました。その予行演習は、まずは英語で次は日本語で行われました。最初の英語はやはり英語のわかる人が良いということで本学の留学生にも聞いて頂きアドバイスをもらいました。私は英語が解りませんので英語バージョンはさっぱりでした。ああ-情けない...

やはり、留学生から発音のチェックが入りました。例えば“ECO”は「エコ」と発音するのではなく「イコ」と発音するということや、英語を同じ調子で棒読みするのではなく、強弱をつけること等がアドバイスされました。
留学生による発音チェック
日本語バージョンは私にも解りました。スマイルデザイン研究会の歴史、環境を考えた様々な商品の紹介、「OKURIN」という循環型包装資材は実際すでに東急ハンズで販売されていること等々内容としてはすばらしいものだと感心しました。

でも私にはプレゼンすることにアップアップのような感じがしました。でもそこが素直というか純粋というか良い所かもしれないのですが、やはり目標は世界です。昨年の参加大学を見ると東大や一橋大といった名門大学が参加しているのですからそれに勝つためには、甘えは禁物だと思いますので私が感じたことをあえて言わせてもらいました。
プレゼン風景
しかし本当に一生懸命がんばっている姿には心打たれます。何かに向かってがんばっているという姿は美しいものですね。結果を恐れず、自分自身がやって来たことに自身を持ち堂々とプレゼンテーションして下さい。応援しています。がんばって世界をつかもう!

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