2008年8月14日

日本建築家協会(JIA)25年賞の審査

昨日、建築家・高橋靗一先生が大学に来られました。(先生のお名前の「てい」という漢字は、へんが「青」、つくりが「光」)
高橋先生は本学の名誉教授で、日本建築家協会の名誉会員でいらっしゃいます。
高橋てい一先生 第一工房
私はもう10年以上お顔を拝見していなかったのですが、以前と変わらない快活な足取りとやさしい表情がとても印象的でした。

本学の創設者・塚本英世を記念する建物として1981年に高橋先生の設計で建築された芸術情報センター。この建築は「日本建築学会賞」をはじめ数多くの賞を受賞している建築物で、高橋先生の代表的な作品です。
高橋靗一先生 第一工房 芸術情報センター
今回の先生の来学は
8日本建築家協会(JIA)25年賞の審査のためで、この芸術情報センターがその候補として推薦されているそうです。「25年賞」の審査ですが実際は今、27歳の建物です。
高橋靗一 横河健 
審査員の方々はパイプオルガン演奏で迎えられる演出がありました。
芸術情報センター アートホール JIA25年賞 審査
芸術情報センターの見どころはなんと言っても、アートホール。コンクリート打ちっぱなしで造られている螺旋階段が彫刻作品のように頭上に現れています。天窓からの光が壁面を照らし教会を連想させる荘厳な空間を演出しています。
芸術情報センター アートホール JIA25年賞
この芸術情報センターには柱や壁の一部分に金属が露出するようにデザインされています。その金属は銅。硬貨をイメージするとわかりますが、新しい銅は金や銀と並ぶほど美しく輝く金属です。錫という金属の添加の量にもよりますが、銅は長い時間が経つと酸化してやがては碧く変色していく特性をもっています。この銅の色の変化は、いわば芸術情報センターの年齢を示しています。50年、100年の時が経った芸術情報センターに思いを馳せてみると、輝くような「碧色」が新たな美しさを生んでいるようです(私の想像)。
いつまでも素敵な空間であってほしいと思います。

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2008年8月13日

博物館実習を見学しました。

今日は芸術情報センター展示ホールで行われていた「博物館実習」を見学させていただきました。今回の実習は第二期の実習生達。再来週は第三期、9月には通信教育部生の実習と、この夏だけで80名以上の学芸員課程履修者の博物館実習が予定されているそうです。
実習は88日のスタートから今日で第5日目、最終日です。これまで作品の保存、取り扱いについての講義や収蔵庫の見学、額装の実習などのプログラムを消化し本日はいよいよ展示実習です。(ちなみに学部生と通信教育生では実習のプログラムが少し違うそうです。)
博物館実習
歴史資料や工芸品などの立体物を展示するグループと額装された作品を展示する2グループに分かれ、それぞれの展示について実践的な技術指導が行われました。
博物館実習 芸術情報センター 展示ホール
博物館実習 芸術情報センター 展示ホール
立体物は座面形状や安定性、表面加工の状態、保存状態、どう見せたいかなどによって展示方法が異なります。一つ一つのものに対して作品を慎重かつ丁寧に扱いながら展示台に固定していきます。キャプションなどの作成ももちろん実習内容に含まれていて、作品解説のプレートは200字という制限の中でわかりやすく作品の魅力を伝える文章を作成する難しさを感じた実習生もいたようです。
博物館実習 芸術情報センター 展示ホール
また額装された作品の展示では、縦長、横長の作品をどう組み合わせるのか、展示する高さはどうするか、どんな順番で見せるのか、どうグルーピングするのかなど、グループで十分に話し合ってから大まかなレイアウトが決められ、その後、展示フック(ワイヤー)で吊って固定していく作業が進められました。
博物館実習 芸術情報センター 展示ホール
博物館実習 芸術情報センター 展示ホール
展示が終わると一旦、全員が会場の外に出て次は「観覧者」の視点をあらためて体験します。
博物館実習 芸術情報センター 展示ホール
村上先生が館長さんになった想定で「本日はご来館いただきましてありがとうございます」その挨拶で実習生の表情が少し和み、順に自分達がつくった展示空間に入場します。
博物館実習 芸術情報センター 展示ホール
会場をひと回りしたあと実習生達は自分達が展示した空間を思い思いに写真に撮っていました。
博物館実習 芸術情報センター展示ホールにて
実習を終えた学生さんたちからは、
・「いつも何気なく見に行っている展覧会なども自分が経験してみると、展示空間を作るには計画性や企画力や多大な技術力などを必要としているということが良くわかった」
・「小さな展示空間を作るときであっても、他の人の意見を聞き、自分とは違う考え方を理解して計画を練っていくなど一人で作るものではないんだということを体験でき、結構大変だと感じた」
・「学芸員のお仕事で必要な知識の幅の広さに驚いた」
・「体力勝負だと思った」
・「いままでは観る視点、作品を作る視点は経験があったけれど、今回『見せる側の視点』を経験してその難しさを感じた」
・「何をどう展示するか以前にコミュニケーション能力がいかに大切かを痛感した」
など、実習生の皆さんにとって有意義だったことを感じられる感想ばかりでした。
博物館実習 芸術情報センター 展示ホール
田中先生からは「学芸員のお仕事は何年も先のことを考えたり、色々な角度から物事を見て考えなければならない。でもそこが学芸員の苦しみでもあり楽しみでもあるんです」とおっしゃっていました。博物館事務室のスタッフの方からは「作品をとにかく丁寧に扱うこと」と「展示作業中の事故を防ぐためにも声を出し合ってコミュニケーションしていくこと」が強調されるなど、基本的だけれどとても大切なアドバイスがありました。
博物館実習 芸術情報センター展示ホールにて
その後、博物館事務室のスタッフの方によって照明の色温度や照度など少し難しいお話も含め、展示用の照明器具の特性を紹介するデモンストレーションが行われました。照明で展示そのものが変わります。照明の作業はいわゆる「仕上げ」だと思っていましたが、照明器具の落下などを想定して先に大まかに照明配置してから展示作業を行う場合もあるとのこと。短い時間でしたが内容充実のデモでした。

「整列させればそれでよし」、なんてそんな考えを持っている人は甘い。甘すぎます。「どう見せるか」の技術や考え方は表現を学ぶ「芸術大学生」にとって必須です。この博物館実習で学ぶ内容は芸術大学出身者としての今後の人生に絶対役に立はずだ!って感じました。
私の大好きな作家さんから最近いただいたメールにあった一言です。
『見てくれる人あっての作品ですから。』

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2008年8月12日

大阪芸術大学特別演奏会“クラシックとジャズとポップスと”

この夏、6つの都市で開催される『大阪芸術大学特別演奏会“クラシックとジャズとポップスと”』の最初の開催都市・広島での様子をお伝えします。
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
広島国際会議場フェニックスホール前では、開場17時までに沢山の方が列を作って、開場を今か今かと待ってくださっていました。
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
第一部、オーケストラによるクラシックの演奏が始まりました。聞き覚えのある親しみのある選曲でクラシックの名曲が次々と演奏され、感動がこみ上げてきました。そして日本歌曲の歌唱と演奏もまた心に沁みてきました。
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
そして、第二部は、ガラッとステージの様子も変わりO.U.A.ポップス・シンガーズ&本学チア・リーダースによる大阪芸術大学応援歌「いま君は美しい」で華やかに始まりました。
特別演奏会 ジャズ ポップス クラシック
学生によるバンド演奏、MALTA先生率いる本学スーパージャズオーケストラの迫力ある演奏など、自然と身体がスイングしてしまう、そんな楽しい曲数々。そして、森川美穂先生、沢田知可子さんによる素晴らしい歌声。
まさに“クラシックとジャズとポップスと”を同時に堪能できる贅沢な時間を過ごす事ができました。これから開催される会場でもきっと皆様に感動を与えてくれる事と思います。

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2008年8月11日

スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ展

昨日のブログでお伝えした映画「青空ポンチ」つながりで、この映画の企画・製作・配給「月眠」のギャラリーで行われていた「月眠でもポンチ!展」に行ってきました。行ったのは第2弾「スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ展」です。青空ポンチ石田真人さんや小池里奈さんなど俳優さんたちが使用した衣装を中心にスーパーレスキュウウェアズの世界を知ることができました。
スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ 衣装
スーパーレスキュウウェアズを立ち上げた祷武文
(イノリタケフミ)さんが、この映画の衣装を担当されました。祷さんのデザインTシャツは映画で使われたものも含め、今後の「芸T」の方向性を模索するのに非常に参考になりました。
スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ 衣装
さらに会場には720日に大阪・梅田「HEP HALL」で行われた青空ポンチ」完成記念イベント「ポンチコレクション」の様子の写真展示も行われていました。
スーパーレスキュウウェアズ 青空ポンチ 小池里奈
これまた「芸T」のファッションショーの参考になりそうです。この展覧会(第2弾)は既に終了していますが、青空ポンチが大阪で上映中は
スーパーレスキュウウェアズのお店に展示されているそうです。

●スーパーレスキュウウェアズ
大阪市西区北堀江1-15-11-2F
http://www.suparesque.com/

●月眠ギャラリー
大阪市中央区北浜東5-3植田ビル1F
http://www.getsumin.com/

◇お知らせ◇
映画「青空ポンチ」が、大阪・十三の第七藝術劇場にて公開されることになりました。
8
23日(土)→829日(金) 2055-2240

ちなみにこの劇場では今秋、石井裕也監督(以前ブログ記事)の特集が予定されています。
上映予定:
『剥き出しにっぽん』・『反逆次郎の恋』・『ばけもの模様』・『ガール・スパークス』

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2008年8月10日

映画『青空ポンチ』公開中。

青空ポンチ」を見てきました。全国を順次公開していく予定ですが、現在公開されている映画館は全国で1箇所、大阪です。大阪・心斎橋、アメリカ村ビッグステップの「シネマート心斎橋」に行ってきました。(ロケ地となった香川県の「ソレイユ・2」では先週上映が終了しました。)
大阪の「アメリカ村」をご存知ない方のために写真を1枚。この変わった街灯が印象的です。
アメリカ村 心斎橋 街灯
この街は御堂筋沿いにある心斎橋OPAの西側にあり、大阪の中でも「若者文化」の中心(?)といわれています。衣料品のお店や飲食店が立ち並び、少し「猥雑」とも思える雰囲気を持っています。ガチャガチャしてます。あのウルフルズが『大阪ストラット』という曲の中で「♪ 外国同然!」と歌っているのも納得できます。そこにある商業施設「ビッグステップ」は建物の中心の吹き抜け部分にその名の通り「大階段」があります。
ビッグステップ 心斎橋 アメリカ村

8月2日から上映されている「青空ポンチ」。初日にはCLUB CLAPPER(大阪・心斎橋)にて公開記念イベントも催され、ものすごい盛り上がり方だったようです。(ある機会に映画とは別にその時の映像を見せてもらいました。)
青空ポンチ 小池里奈 aopon
映画の内容はネタバレのないようにあまり触れないことにします。もともと私自身、先入観が大き過ぎて普通に見れなくなっていました。というのも、大阪芸術大学に関係する方がたくさんこの映画に関わっています。監督の柴田剛さんをはじめ、プロデューサー、エグゼクティブ・プロデューサー、出演者、カメラマン、編集などなどスタッフロールには知った名前が多く登場します。もちろん本編も楽しく観させていただきましたが、スタッフロールに最後の最後まで集中するあたり、もう既に一般的ではありません。なので、感想を書いても一般的になるはずありませんので。悪しからず。

映画の中で今、あらたにブームになってるジッタリンジンの音楽が使われていて、いい感じで締まります。ハリのある歌声と歯切れの良い演奏。主題歌「恋のルアー」が映画の雰囲気をよく表していて、かなりイイです。名曲「夏祭り」も挿入歌として使われています。今、ダウンロード急増中らしいです。(「夏祭り」は携帯配信中)

それと大注目は「玉枝」役、小池さん。とにかく可愛い。これまで数々の雑誌でグラビアを飾り、ドラマ、TV、CM、映画など活躍中です。15歳以下のアイドルとしては間違いなくナンバーワンです。
小池里奈 コスプレ 青空ポンチ(「青空ポンチの本」より)

映画の中ではドラムを演奏するシーンがあり、本当にご自身で演奏されているそうです。また、私は映画やドラマを見ていて「セリフの訛り」で役者さんの技量がわかるような気がしているのですが、小池さんはその点もよかったです。関西弁が素なのか演技なのかわからないくらい自然でした。ドラムの演奏、演技、そして衣装を着こなすコスプレイヤーとしてのキャラクターも必見です。

また何より、高松の青い空と海、夕焼けなどたくさんの美しい風景がこの映画の中に綴られています。ただ写真を撮っただけではこんなにキレイな光景にはならない。この感じは、柴田監督と同期の山下敦弘監督の映画「天然コケッコ」でも感じました。風に吹かれてのんびりする感じというか、なんというか・・・。この夏、旅行へ行く予定がない私にとって、ちょっと帰省したような気持ちになる映画でした。
是非、大きなスクリーンで「この感じ」、体感してみてください。

●映画「青空ポンチ
シネマート心斎橋(アメリカ村ビッグステップ4F)
 200882日(土)→822日(金)
  ※89日→15日 1840-2010
  ※816日→22日 1640-1810
 公式HP http://www.aopon.jp/
*劇場前売り特典には、生写真5枚が付いています。

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