2008年7月18日

9項目中9個

本日も大学では様々なイベントが行われていました。
まず、午前中は就職部が主催する業界研究セミナー。本日はアニメーション業界研究セミナー。本日は株式会社スタジオ・ジブリの制作業務部の荒井様にお越しいただき「アニメーション業界の仕事と求められる人材像」と題してご講演いただきました。午前中のセミナーにも関わらずたくさんの参加者があり、公演終了後も多数の質問が寄せられていました。

その業界研究セミナーの隣の実験ドームでは、電子音響音楽コンサート「ACOUSMANIA-2008 響味津々08 in O.U.A.実験ドーム」が1230からスタートしました。“アクースモニウム”という様々な音響空間を自由に表現できる多次元立体音響装置を使ったコンサートです。この様子は明日のブログでご紹介する予定です。

午後からは、デザイン学科主催の特別講義が2つ行われました。
一つ目は本学客員教授の越田英喜先生の講義で「デザイナー達のユニオン活動」と題して行われました。続いては、首都大学東京・システムデザイン学部の工藤強勝教授の特別講義でした。実は現在、総合体育館2階ロビーでは『日本タイポグラフィ年鑑 2008展』が開催されており、工藤先生の特別講義もこの展覧会の連動企画として催されました。
日本タイポグラフィ年鑑2008展
工藤先生は雑誌「SD」「日経アート」「別冊太陽」のほか、書籍の造本装丁、展覧会のポスター・図録などを中心に多くのお仕事を手掛けておられるグラフィックデザイナー、エディトリアルデザイナーです。
工藤強勝 特別講演 日本タイポグラフィ年鑑2008展
「グラフィックデザインのメソッドとコンセプシオン」と題された講義のはじめに、「こういう講演会にデザイナーが呼ばれて話すことって、その時はワーッて感心するけど後になって『やっぱりあんなことはあのデザイナーにしかできない』って思って参考にならないってことがあると思うので、私の講義はそうならないように、皆さんにもすぐ始められるような内容で参考になる話にしたい」とおっしゃっていたのが、先生のお人柄が窺えるようで印象的でした。先生のその方針を達成するために「はじめにカタイお話をしますので」と断られてから講義はスタートしました。
工藤強勝 特別講義
先生がこれまでに手掛けられてきた造本装丁デザインのビジュアルを見ながら、それぞれのデザインコンセプトやタイポグラフィの考え方について細かく丁寧にお話してくださいました。昔、先生のところにお仕事の依頼があるときは大概「できるだけお金をかけずに」という条件が入っていたそうです。紙の種類を工夫することで1色とは思えない仕上がりの装丁などが紹介され、数々のデザイン的工夫によってその「お金をかけれない」オーダーに応えてきたお話が勉強になりました。また特殊な書体を用いずに視覚的な情報伝達をいかに効果的に行うか、そんな話もありこれぞデザイナーの腕の見せ所なんだと感じました。
工藤強勝 特別講演 日本タイポグラフィ協会 日本タイポグラフィ年鑑2008展
先生は本日の講義の中の「カタイ話」の中で2つの内容を話されました。そのうちの一つ、「グラフィックデザイナーを目指す上で大切な7つの要素〔ファクター〕」についてのお話が興味深かったのでご紹介させていただきます。
   (1).
モチベーション・・・・・・動機
   (2).
コンセントレーション・・・・・・集中力
   (3).
リーアライゼーション・・・・・・自覚
   (4).
プレゼンテーション・・・・・・発表・説明・紹介
   (5).
ディレクション・・・・・・監督・指導・方針
   (6).
マネージメント・・・・・・管理・経営・運営
   (7).
プロデュース・・・・・・生産する・演出する

                    
(工藤先生のスライドより転用)
グラフィックデザイナーの中でこの7項目を完璧に持ち合わせている方はそうはいないそうで、現在活躍されているデザイナーの方々はこのうち3つぐらいを強烈に持っている方が多いのだそうです。また芸術系学部でデザインを学ぶひとは(1).(2).(3).については既に持っている、そして(4).から(7).についてはもともと少しDNAに組みこまれて持っているような人もいるけれどこれから訓練を積んで身につけていく要素だと話されていました。

ということは、デザイナーを育てる大学がすべきことに少なくともこの4つが欠かせないわけです。「産学連携」の取り組みが最も盛んに行われているデザイン学科では、その活動の中でちゃんとこれらの柱が学びの軸になっています。
また大学としては「ものの考え方の幅の広さ」が身につくと思います。大阪芸術大学で学んでデザイナーを目指す方々には(8)番目に「幅広い考え方」を加えるとともに、(9)番目に「打たれ強さ」も追加しておきましょう。9項目中9個も夢ではありません。
さぁ、今日も課題だー!ガンバレー!

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2008年7月17日

ART OSAKA 2008に注目!

みなさん、大阪でアートフェアが開催されることはご存知でしょうか?
先日オープンした本学のほたるまちキャンバスの近くにある堂島ホテルで、現代アート専門のアートフェアが725日(金)より3日間開催されます。いよいよ来週です。
ART OSAKA 2008 堂島ホテル
■ 開催概要
名称:ART OSAKA 2008
    URL:http://www.artosaka.jp/
会期: 2008725日(金)?27日(日)12:00-19:00
    *725()21:00迄(入場は終了30分前迄)
会場:堂島ホテル8階・9階・10階・11階 客室47部屋
    大阪市北区堂島浜2-1-31 
    URL:http://www.dojima-hotel.com
    JR北新地駅、地下鉄西梅田駅より徒歩3
    JR大阪駅、各線梅田駅より徒歩8
入場料: 1,000円(会期中有効)

この「ART OSAKA 2008」は、もともと2002年から天保山の海岸通ギャラリーCASOを会場に開催されていた「ART in CASO」がルーツとなっていて、昨年より会場を堂島ホテルに移して開催しています。今回は関西を中心に東京、名古屋のギャラリーから韓国、台湾のギャラリーも参加して、計47のギャラリーが一堂に集結する大規模なアートフェアです。これらのギャラリーがホテルの客室を展示ブースに見立て、通常とは違う展示方法で取扱の作家を紹介し作品の販売をするという企画です。
実はこのイベント中で作家として活動している本学の卒業生が多く参加しています。大阪芸術大学だけでなく、短期大学部、大阪美術専門学校卒業生を含めると現在把握しているだけで13名の作家がこのアートフェアに出品します。近年の美術界は現代アートに多大な注目が寄せられています。従来の洋画、彫刻といった既存の枠組みに捉われない作家、作品が続々と登場し、新しいアートの形を模索する動きは海外だけでなく日本でも高まりを見せています。昔は「作家は死んでからでないと認められない」とも言われてきましたが、最近は20代、30代で国内はもとより世界でも認められる作家が、この現代アートの分野では増えてきています。

このアートフェアに参加する作家の方々は、そうした可能性を秘めている作家としてギャラリーにプロモーションされています。そしてこの場での作品の販売によって、作家とギャラリーの評価がなされる厳しい現場でもあります。

卒業生がどのように活動しているのを見るだけでなく、今の美術界の流れがよくわかるイベントでもあります。関西でこれだけ多くのギャラリーが集まることはこのアートフェアしかありませんので、 入場料はかかりますがアートの最前線を実際に目にすることのできる絶好のチャンスです。なかなか学内だけでは知ることのできないアートの現場を、是非この機会にしっかりと学びとってください。

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2008年7月16日

大阪芸術大学+カリフォルニア美術大学写真・版画交流展

大阪芸術大学は、海外の大学や芸術家団体と共同で展示会や各種コンクールを開催し、学生さんの創造の成果を国際的な場でアピールするとともに、海外の作品に学ぶ機会を提供しています。カリフォルニア美術大学とは、1972年に姉妹校協定を締結し、留学生交流などの連携活動を行ってきました。
本年2月、カリフォルニア美術大学(CCA)での開催に引き続き、第6回大阪芸術大学+カリフォルニア美術大学写真・版画交流展が大阪芸術大学体育館ギャラリーにて開催されました。
大阪芸術大学、カリフォルニア美術大学交流展 
開催初日の7月15日、ギャラリー前で、オープニングセレモニーが行われました。
大阪芸術大学、カリフォルニア美術大学交流展テープカット 
大阪芸術大学+カリフォルニア美術大学写真・版画交流展
カリフォルニア美術大学から版画科准教授のGreg piatt氏(写真左)と
同大学学部事務副部長のMark Takiguchi氏(写真右)がお見えになられました。

大阪芸術大学、カリフォルニア美術大学交流展作品
大阪芸術大学、カリフォルニア美術大学交流展作品2 
大阪芸術大学からは27名(27作品)、
カリフォルニア美術大学から23名(29作品)の出品がありました。 
日本とアメリカ、文化や価値観の違い、そして言葉の壁を越えて、
お互いの持つ感受性が芸術という世界で結びついています。
よく、芸術は世界共通語であるといわれますが、まさにそうであると確信できました。
  
交流展は、7月21日(月)まで大阪芸術大学体育館ギャラリーで開催されています。
11:00?17:00(最終日は、16:00まで)
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2008年7月15日

現代マスコミ論 『ソーシャルプロデューサーの時代』

昨日、放送学科の「現代マスコミ論」という授業にお邪魔してきました。昨日は前期最後の授業でした。この授業はマスメディア各界でご活躍の方々に毎週講師としてお越しいただいて、毎回、教科書では学ぶことのできないタイムリーなお話を聞くことができます。

『ソーシャルプロデューサーの時代 ABC新社屋誕生秘話など』と題し、朝日放送から小関道幸氏に講演いただきました。小関氏は朝日放送で報道、編成のお仕事をされ、現在はプロデューサーのお仕事をされておられ「サンデープロジェクト」などの番組を手掛けられた方です。
小関道幸 現代マスコミ論 ソーシャルプロデューサー
「おはようございます!」から授業は始まりました。さすが放送業界の方です。
小関先生は朝日放送の新社屋建設の仕掛け人です。50年以上の歴史を刻んだ朝日放送の建替えにあたり、「場所を替えずに建替え」という選択、「大阪の玄関口に移転」という選択があったそうですが、そのどちらでもない選択をされました。「中之島」に目をつけたわけです。その計画は大阪の本当の魅力を十二分に汲み、今後の大阪の未来に期待するプロジェクトでした。
「商都、大阪」「文化都市、大阪」の他、大阪は「水の都」とも呼ばれてきました。小関さんの計画は「新しい時代の川の風景」の中に「カルチャーフロント」をつくろうというものでした。「最近の放送局は「街づくり」もやるんですよ!」という言葉が印象的でした。
現代マスコミ論 小関道幸 ソーシャルプロデューサー
朝日放送の新社屋は「デジタル時代の創造工場」という構想のもと、完成記念イベントとして3つのプロジェクトが計画されました。(1)中之島演劇祭、(2)中之島音楽特区、(3)ショートフィルム・フェスティバル。ショートフィルム・フェスティバルは小関さんが2年前に立ち上げた「子供未来プロジェクト」が基になっているそうです。本学映像学科長の大森一樹先生も参加しているイベントです。

また、朝日放送の新社屋東側にできた「堂島リバーフォーラム」にオープンした「大阪芸術大学ほたるまちキャンパス」についても講義の中で紹介していただきました。ちなみに今月23日まで大阪芸術大学の所蔵品展を「ほたるまちキャンパス」で開催中です。
大阪芸術大学 ほたるまちキャンパス 所蔵品展

小関さんは学生達に「今、関西に根を張って活動しているDNAを最後の切り札として持っておいてほしい。大阪人の気質として『本音』でものが言えるだったり、しんどいことも面白がってつくっていくことだったり、いいものがあります。これから『文化の首都づくり』をそんな大阪で実現したい」。そして「ソーシャルプロデューサー」という仕事は「時代をどう捕まえて、どのような情報を発信していくのか」を考えて実現していくことだとおっしゃっていました。

映像資料として「NHKスペシャル 沸騰都市」、テレメンタリー2007グランプリ作品「二重被爆」を紹介していただきました。
沸騰都市」は、現在バングラディシュのダッカという都市の現状と経済発展の裏側に眼を向けたドキュメンタリーです。この番組の企画をされた原丈人さんの「国富論」という著書を紹介いただき、ソーシャルプロデューサーとして持つべき視点についてお話いただきました。今後の日本はアジアの人々とどう繋がっていくかが重要な課題である、というまとめでした。
また「二重被爆」は記録映画にもなったドキュメンタリー作品で、広島・長崎の2都市の両方で被爆された方を取材しています。「われわれの仕事は『人の生きざま』を見つめ、そこから現代社会に問題提起していくことだ。その人がどう戦っているのか、どう戦ってきたのか、そしてどう負けたのかなども含め見つめることから始まる。これがわれわれの仕事の原点であり、立ち位置です。」そんな風にお話されていました。「われわれは人生を預かって、人生を伝えている」という言葉がグッときました。

こうして社会人になってから聴く大学の講義は本当に勉強になるなぁ、と感じます。普通ならお話を聴くことができないような方から、さらに「週変わり」で、新鮮で深みのある講義が聞ける。在校生の皆さん、すっごい贅沢な環境だってことわかってるかなぁ?

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2008年7月14日

今回もおみごと!! 11号館ロビー学生企画展示

本日、11号館下ロビーでは恒例の在校生による企画展示の搬入が行われていました。
11号館 学生企画
来週20日、21日に控えたキャンパス見学会に向けての展示です。今回は、以前のブログでもご紹介しました大学案内の「サブパンフレット」を使った空間です。今回も非常に短い期間でよくここまで企画して実現してくれたものだと、感心するばかりです。今回の展示のアイデアから設計はデザイン学科スペースデザインコースの3年生、企画は大学院生とともにお願いしました。また、グラフィックデザインを芸術計画学科の卒業生にも手伝っていただきました。忙しい中、ほんとにありがとうございました。
11号館ロビー
今年度新しく制作した「Osaka Geidai CampusLife」という小冊子は、学科ごとに在校生ファッションや専門用語、持ち物などなど大阪芸術大学生の“生態”をイラスト入りで紹介しています。今回展示ではそれに加えて、さらにたくさんに在校生にインタビューを行い、「生」の声として各学科の魅力を本人の手書きと写真付きで紹介しています。これは芸術計画学科の2年生、3年生が精力的に取材してくれました。もちろん写真撮影も。イイ感じです。
学生企画
会場では「Osaka Geidai CampusLife」を配布するとともに、モニターで53日のキャンパス見学会で行われたファッションショーの様子を見ていただく予定です。
この場所、空調がないことが本当に残念です。風が抜ける窓もないので、夏場には利用しにくいのが難点ですが、大学の「顔」となる場所でとても魅力的な空間ですので常にこんな風に華やかであってほしいです。
11号館ロビーの様子
20:30を過ぎてようやく完成しました。一日中作業してくれた皆さん、本当に本当に蒸し暑い中ご苦労様でした。今日は涼しいお部屋で十分な水分と睡眠をとって休んでください。ありがとうございました!

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